琵琶湖東岸湖底断層の地震リスク|滋賀県彦根市・長浜市の湖底活断層

琵琶湖東岸湖底断層は、日本最大の湖・琵琶湖の東岸湖底部に分布する活断層系です。地震調査研究推進本部(地震本部)の長期評価では、今後30年以内に約0.79%の確率でM6.6規模の地震を引き起こすと評価されています。

琵琶湖は滋賀県だけでなく京都府・大阪府・兵庫県を含む近畿圏(約1,450万人)の水道水源として機能しており、湖底断層の活動による水質汚濁・浸水は近畿圏全域の水供給に深刻な影響をもたらす可能性があります。

琵琶湖東岸湖底断層の基本情報

項目 内容
位置 琵琶湖東岸(滋賀県彦根市〜長浜市沖)の湖底
断層の延長 約25km
想定地震規模 M6.6
断層型 正断層〜横ずれ断層系
特徴 琵琶湖の形成に関わる湖底断層

琵琶湖東岸の湖底には複数の断層が確認されており、このうち東岸に沿う断層系が「琵琶湖東岸湖底断層」として長期評価の対象になっています。琵琶湖自体が断層活動によって形成された「断層湖(テクトニックレイク)」であり、湖底には活断層が多数存在します。

地震発生確率

期間 発生確率
30年以内 約0.79%
50年以内 約1.3%
100年以内 約2.5%

なぜ注目すべきか

近畿圏の水源への直接影響

琵琶湖は近畿圏の水道水源として、滋賀・京都・大阪・兵庫の約1,450万人の生活用水・工業用水を供給しています。断層活動による底泥の巻き上げ・湖底変形は水質の悪化を招き、浄水場の処理能力を超えた場合は近畿圏全体の断水につながりかねません。

湖岸の彦根城・観光地への影響

彦根市には国宝・彦根城があり、大阪城・姫路城と並ぶ近畿圏を代表する名城です。湖底断層の活動によって彦根市街地が浸水・震動した場合、国宝建造物への被害と観光産業への打撃が生じます。2019年に改修が完了した天守閣の耐震性も改めて問われることになります。

琵琶湖周辺の産業集積

滋賀県の湖東・湖北地域には半導体・電子部品・製薬・化学工業などのメーカーが多数立地しています(村田製作所、東洋紡、クボタ等)。工場の被災は製品供給への影響にとどまらず、工場排水・化学物質の漏洩による湖水汚染リスクも懸念されます。

高速道路・新幹線の集中地帯

彦根・長浜市周辺には名神高速道路・北陸自動車道・JR琵琶湖線・JR北陸本線が通過しており、地震による複数インフラの同時被害が近畿〜中部〜北陸間の交通を長期間断絶する可能性があります。

影響が想定される主な市町村

  • 滋賀県彦根市
  • 滋賀県長浜市(南部・湖岸地区)
  • 滋賀県犬上郡甲良町・多賀町
  • 滋賀県東近江市(北西部)

M6.6の直下型地震が発生した場合、湖岸低地(彦根市中心部・長浜市街地)では震度6弱〜6強に達する可能性があります。埋立地・旧湖底の軟弱地盤では液状化・地盤沈下も懸念されます。

過去の地震歴

時期 内容
1662年 近江・若狭地震(M7.25)— 彦根城下・長浜で大被害
1819年 近江地震(M7.0)— 琵琶湖南部で津波(内湖への波浪)
1891年 濃尾地震(M8.0)— 滋賀県でも甚大な被害
1927年 北丹後地震(M7.3)— 湖北地方に大きな揺れ

移住・不動産購入時のチェックポイント

彦根市・長浜市の湖岸地域への移住・不動産購入を検討している方向けの確認事項です。

湖岸低地・液状化リスクの確認(最重要)
- 琵琶湖岸の埋立地・干拓地は液状化リスクが特に高い
- 滋賀県・各市の「液状化ハザードマップ」を必ず確認
- 湖岸から500m以内の低地は内水氾濫(湖水逆流)リスクも考慮

水道水への影響への備え
- 非常用飲料水の備蓄は最低3日分(できれば7日分)
- 浄水器・携帯浄水器の用意(濁水対応型)
- 停電時でも使える手動式ポンプの準備

近畿圏中枢への交通アクセス
- 地震で名神・JR琵琶湖線が停止した場合の代替ルート(国道8号等)を確認
- 通勤・通学に複数の交通手段を確保

文化財保護と地域防災
- 彦根城・旧城下町の建造物は文化財保護法の制約で自由に改修できない場合がある
- 文化財所有者・地権者は彦根市教育委員会に耐震対策の相談を
- 城郭周辺の石垣崩壊は広域の土砂流入を引き起こすリスクがある

防災DBで琵琶湖東岸湖底断層のリスクを確認する →

データ出典

  • 地震調査研究推進本部「琵琶湖東岸湖底断層の長期評価」
  • 地震調査研究推進本部「全国地震動予測地図2020年版」
  • 滋賀県「地震・津波被害想定調査」
  • 琵琶湖環境科学研究センター「琵琶湖の断層・地形調査」