菊川断層帯(中部区間)の地震リスク|M7.0・30年確率1.54%

山口県の宇部市から防府市にかけて延びる菊川断層帯(中部区間)は、中国地方では最大規模の活断層の一つです。地震本部の長期評価ではM7.0クラスの地震を30年以内に1.54%の確率で引き起こすと評価されており、山口県の防災計画において特に重視されている断層です。

菊川断層帯(中部区間)の基本情報

項目 内容
断層名 菊川断層帯(中部区間)
所在地 山口県宇部市〜防府市(山口盆地南縁)
断層の種類 逆断層(南傾斜)
断層長さ 約20km(中部区間のみ)
想定マグニチュード M7.0
30年以内の発生確率 1.54%
平均活動間隔 約1,000〜2,000年
最新活動時期 後期更新世〜完新世
データ出典 活断層データベース(地震本部)・J-SHIS

地震発生確率

期間 発生確率
10年以内 約0.5%
30年以内 1.54%
50年以内 約2.6%
100年以内 約5.0%

なぜ菊川断層帯(中部区間)に注目すべきか

M7.0という大規模地震の可能性

M7.0は1995年阪神・淡路大震災(M7.3)に迫る規模です。菊川断層帯の中部区間が活動した場合、宇部市・山口市・防府市の広い範囲で震度6弱〜6強の激しい揺れが想定されます。山口県の県庁所在地である山口市への影響も想定されます。

山口盆地の軟弱地盤

菊川断層帯は山口盆地の南縁部を走っており、盆地内の沖積低地では地盤増幅効果によって揺れが大きくなる傾向があります。特に防府市沿岸の低地部や宇部市の旧炭田地域では、地盤の脆弱性が指摘されています。

山口宇部空港・産業施設への影響

宇部市には山口宇部空港があり、基幹産業である化学・窯業・セメント工場が集積しています。M7.0クラスの直下型地震は、これらの産業インフラに甚大な影響を与える可能性があり、中国地方全体のサプライチェーンに波及する恐れがあります。

影響が想定される市町村

都道府県 市町村
山口県 宇部市、山口市、防府市、山陽小野田市、下関市(一部)

山口県内の主要都市が断層の影響圏に含まれるため、県の行政機能維持とライフラインの早期復旧が重要課題となります。

過去の地震活動と歴史記録

地震名 年月日 マグニチュード 被害
防長大地震 1625年 M6.5推定 長州(山口)で被害
山口地震 1892年9月15日 M6.0 山口・宇部で建物被害
山口県西部地震 2013年5月25日 M3.3 軽微

菊川断層帯自体の活動による歴史地震の記録は確定していませんが、地質調査では断層変位地形が明確に確認されており、繰り返し活動していることが分かっています。

建物・不動産リスクポイント

旧炭田地域の地盤沈下リスク

宇部市・山陽小野田市には炭田採掘跡が残る地域があり、地盤空洞化による沈下リスクが存在します。地震動との複合で被害が拡大する可能性があります。

海岸部の津波・高潮リスク

防府市・宇部市の沿岸低地では、地震に伴う津波や強風時の高潮リスクがあります。海岸から500m以内の建物では、海抜高度と避難経路を確認してください。

耐震化率の確認

山口県の木造住宅耐震化率は全国平均を下回る市町があります。お住まいの建物の耐震性を確認し、必要に応じて補助金制度を活用した耐震改修を検討してください。

企業BCPにおける供給網リスク

化学・窯業などの産業が集積する宇部コンビナートが被災した場合、国内の供給網に影響が出る可能性があります。取引先企業との事前の情報共有とBCPの連携が重要です。

あなたの住所の地震リスクを調べる

防災DBで地震リスクを確認する → https://bousaidb.jp/check

データ出典

  • 地震調査研究推進本部「菊川断層帯の長期評価」
  • 産業技術総合研究所 活断層データベース(AIST-AFGD)
  • 国土地理院 活断層図「山口地方」
  • 防災DB独自集計(125mメッシュ × 活断層データ)

本記事は各公表資料を基に防災DB編集部が整理しました。最新情報は各機関の公式資料をご確認ください。