大久保断層の地震リスク|長野県伊那市・駒ヶ根市の活断層

大久保断層は、長野県伊那市から駒ヶ根市にかけて、伊那谷の東縁を走る活断層です。地震調査研究推進本部の長期評価では、今後30年以内に約0.60%の確率でM7.0規模の地震を引き起こすと評価されています。

伊那谷は中央アルプスと南アルプスに挟まれた構造盆地であり、活断層が多数分布する日本有数の地震リスク地域です。糸魚川−静岡構造線断層帯の近傍にあたり、複数の断層が密集しています。

大久保断層の基本情報

項目 内容
位置 長野県伊那市〜駒ヶ根市(伊那谷東縁)
断層の延長 約22km
想定地震規模 M7.0
断層型 逆断層
特徴 伊那谷断層帯の一部、中央構造線に近接

大久保断層は伊那谷の東縁(南アルプス山麓側)を走り、中央構造線に近接しています。伊那谷は日本列島を東西に分断するフォッサマグナと中央構造線が交差する地質学的に極めて重要な地域です。

地震発生確率

期間 発生確率
30年以内 約0.60%
50年以内 約1.0%
100年以内 約2.0%

なぜ注目すべきか

リニア中央新幹線のルート上

伊那谷はリニア中央新幹線の長野県駅(飯田市)に近接するエリアです。リニア関連の工事・インフラが活断層帯を通過する中での地震リスクは、建設計画においても重要な考慮事項です。

中央アルプスと南アルプスに挟まれた孤立リスク

伊那谷は東西を3,000m級の山脈に挟まれた細長い谷間です。地震による伊那谷を南北に走る中央自動車道・国道153号の寸断は、谷全体を孤立させる恐れがあります。

電子部品産業への影響

伊那市・駒ヶ根市にはKOA(電子部品)、養命酒製造など精密産業が立地しています。地震による生産停止はサプライチェーンに波及します。

駒ヶ岳ロープウェイ・観光への影響

駒ヶ根市は中央アルプス千畳敷カールへの玄関口であり、駒ヶ岳ロープウェイは年間約30万人が利用します。地震による施設損壊・アクセス道路の寸断は観光業に大きな打撃となります。

影響が想定される主な市町村

  • 長野県伊那市
  • 長野県駒ヶ根市
  • 長野県上伊那郡宮田村
  • 長野県上伊那郡飯島町

M7.0の直下型地震が発生した場合、伊那谷内では震度6弱〜6強に達する可能性があります。天竜川沿いの沖積低地では地盤増幅が懸念されます。

過去の地震歴

時期 内容
1718年 伊那遠山谷の地震(M7.0)— 伊那谷で大規模被害
1847年 善光寺地震(M7.4)— 長野県全域で被害
1984年 長野県西部地震(M6.8)— 御嶽山崩壊、伊那谷でも被害
2014年 長野県北部地震(M6.7)— 県内で震度5弱

移住・不動産購入時のチェックポイント

伊那市・駒ヶ根市への移住を検討している方向けの確認事項です。

伊那谷の地盤確認(最重要)
- 天竜川沿いの沖積低地は液状化リスクが高い
- 河岸段丘上(段丘面)は相対的に安全
- 長野県の「地震被害想定」で想定震度を確認

孤立対策
- 中央自動車道・国道153号の寸断を想定した備蓄(最低1週間分)
- 伊那谷を東西に抜ける峠道(権兵衛トンネル等)の通行可否を把握

建物の耐震性
- 寒冷地仕様の住宅は基礎構造を確認(凍結深度への対応)
- 耐震等級と積雪荷重の両立を確認

防災DBで大久保断層のリスクを確認する →

データ出典

  • 地震調査研究推進本部「大久保断層の長期評価」
  • 地震調査研究推進本部「全国地震動予測地図」
  • 長野県「地震被害想定調査」
  • 伊那市「防災ハザードマップ」