高塚山断層の地震リスク|島根県・広島県北部の活断層と奥中国山地のリスク

高塚山断層は、島根県と広島県の県境に近い奥中国山地を走る活断層です。地震調査研究推進本部(地震本部)の長期評価では、今後30年以内に約0.79%の確率でM6.6規模の地震を引き起こすと評価されています。

中国山地の内陸部は人口密度が低い山岳過疎地域ですが、地震発生時には山岳地形による土砂崩れ・道路崩壊が広域の孤立集落を生み出すリスクがあります。また、中国自動車道・国道54号などの幹線交通路への影響も考慮が必要です。

高塚山断層の基本情報

項目 内容
位置 島根県仁多郡奥出雲町〜広島県庄原市北部
断層の延長 約20km
想定地震規模 M6.6
断層型 横ずれ断層系
特徴 奥中国山地の脊梁部を走る断層

高塚山断層は、出雲・備後地域の山岳地帯に位置する断層です。周辺には日本の原風景とも言われる里山・棚田・農村集落が点在しており、地域の文化・生態系にとって重要なエリアです。

地震発生確率

期間 発生確率
30年以内 約0.79%
50年以内 約1.3%
100年以内 約2.5%

なぜ注目すべきか

山岳過疎地域の孤立リスク

奥出雲町・庄原市北部は過疎化が進む山岳地域であり、高齢者比率が50%を超える集落も多い地域です。地震による道路崩壊・土砂崩れで集落が孤立した場合、救助・医療支援が著しく遅れるリスクがあります。過疎地域ならではの防災課題として、自助・共助の強化が特に重要です。

奥出雲の観光・産業への影響

奥出雲地域は、たたら製鉄(砂鉄製錬)の歴史で知られる文化観光地です。「日本遺産」に認定された里山景観・田部家土蔵群・稲田神社などの文化財が集中しており、地震による損壊は地域の観光資源と歴史的記憶の喪失につながります。

急峻地形の土砂災害

奥中国山地は急峻な地形が多く、2018年7月豪雨では広島県内で土砂災害が多発しました。地震による斜面崩壊は、豪雨による崩壊と同様のメカニズムで発生し、谷部の集落を直撃するリスクがあります。豪雨後の地震(または地震後の豪雨)という複合災害も十分考慮が必要です。

中国自動車道への影響

中国自動車道は西日本の物流・交通の大動脈です。高塚山断層近傍を通る区間での大規模地震は、トンネル崩壊・盛土崩壊・橋梁損壊による長期通行止めをもたらす可能性があります。

影響が想定される主な市町村

  • 島根県仁多郡奥出雲町
  • 広島県庄原市(北部・高野地区)
  • 広島県三次市(北部)
  • 島根県雲南市(南部)

M6.6の直下型地震が発生した場合、断層近傍では震度6弱〜6強に達する可能性があります。山岳地形では地震動が増幅される場合があり、斜面崩壊・落石も懸念されます。

過去の地震歴

時期 内容
1872年 浜田地震(M7.1)— 島根県浜田で大被害、津波も発生
1943年 鳥取地震(M7.2)— 鳥取市で甚大な被害
2000年 鳥取県西部地震(M7.3)— 倉吉・米子で震度6強
2018年 島根県西部地震(M6.1)— 大田市・出雲市で震度5強

移住・不動産購入時のチェックポイント

奥出雲町・庄原市北部への移住・田舎暮らしを検討している方向けの確認事項です。

孤立リスクの事前確認(最重要)
- 集落への進入道路が1本しかない場合、地震・土砂崩れで孤立するリスクが高い
- 複数の避難ルートと、孤立した場合の最低1週間分の備蓄を必ず用意
- 集落の自主防災組織の活動状況と人員構成を確認

急傾斜地・土砂災害リスクの確認
- 島根県・広島県の「土砂災害ハザードマップ」「急傾斜地崩壊危険箇所マップ」を参照
- 斜面下部・渓流沿いの住宅は土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に該当する場合が多い
- 古民家購入時は基礎・屋根・壁の状態と耐震性を十分確認

過疎地特有の医療アクセス
- 最寄りの2次病院(手術可能)まで30〜60分以上かかる地域も多い
- 地震で道路が寸断された場合の医療手段(ヘリ搬送の可否)を確認
- 常備薬・救急用品の十分な備蓄(2週間以上)

獣害・自然環境への対応
- 中国山地はイノシシ・シカ・クマの生息域であり、地震後の生態系変化に注意
- 農地・家庭菜園の獣害対策と防護柵の耐震性確認

防災DBで高塚山断層のリスクを確認する →

データ出典

  • 地震調査研究推進本部「高塚山断層の長期評価」
  • 地震調査研究推進本部「全国地震動予測地図2020年版」
  • 島根県「地震防災アクションプログラム」
  • 広島県「地震被害想定」