岩国-五日市断層帯(己斐断層区間)の地震リスク|広島市西部の活断層

岩国-五日市断層帯(己斐断層区間)は、広島県広島市佐伯区から西区己斐にかけて走る活断層です。地震調査研究推進本部の長期評価では、今後30年以内に約0.65%の確率でM6.6規模の地震を引き起こすと評価されています。

広島市は中国地方最大の都市(約119万人)であり、己斐断層区間は市街地西部を縦断しています。2018年の西日本豪雨で大規模な土砂災害を経験した広島市にとって、地震による二次的な土砂災害リスクは特に深刻です。

岩国-五日市断層帯(己斐断層区間)の基本情報

項目 内容
位置 広島県広島市佐伯区〜西区己斐
断層の延長 約14km
想定地震規模 M6.6
断層型 横ずれ断層
特徴 岩国-五日市断層帯の北東端部、広島市街地を通過

岩国-五日市断層帯は山口県岩国市から広島市にかけて約100kmにわたる大規模な断層系です。己斐断層区間はその北東端部にあたり、広島市の住宅密集地を直接通過しています。

地震発生確率

期間 発生確率
30年以内 約0.65%
50年以内 約1.1%
100年以内 約2.2%

なぜ注目すべきか

広島市西部の人口密集地を直撃

己斐断層区間は広島市佐伯区(五日市)・西区(己斐・草津)の住宅密集地を通過しています。この地域は1960〜80年代に丘陵地を造成した住宅団地が多く、急傾斜地に隣接する宅地が多数存在します。

2018年西日本豪雨の教訓と土砂災害の複合リスク

2018年7月の西日本豪雨では、広島市・坂町・熊野町で大規模な土砂災害が発生し、広島県で死者114名の甚大な被害をもたらしました。地震による地盤の緩みは、後続の豪雨時に土砂災害をさらに誘発します。広島の「まさ土」(花崗岩の風化土)は地震にも豪雨にも脆弱です。

広島西部の産業・インフラへの影響

広島市佐伯区にはJR山陽本線・広島電鉄宮島線が走り、廿日市市・宮島方面へのアクセス路となっています。五日市地区は商業施設も多く、被害は広域に波及します。

影響が想定される主な市町村

  • 広島県広島市佐伯区(五日市・楽々園地区)
  • 広島県広島市西区(己斐・草津地区)
  • 広島県廿日市市(東部)

M6.6の直下型地震が発生した場合、断層近傍では震度6弱〜6強に達する可能性があります。花崗岩風化土(まさ土)地盤の斜面造成地では特に注意が必要です。

過去の地震歴

時期 内容
1649年 安芸の地震(M7.0)— 広島城下で被害
1905年 芸予地震(M7.2)— 広島市で建物被害多数
2001年 芸予地震(M6.7)— 広島市で震度5強
2018年 大阪府北部地震(M6.1)— 直下型都市地震の教訓

移住・不動産購入時のチェックポイント

広島市佐伯区・西区への住宅購入を検討している方向けの確認事項です。

斜面造成地の確認(最重要)
- 1970〜80年代に開発された丘陵造成団地は、まさ土地盤の斜面崩壊リスクが高い
- 広島県の「土砂災害ハザードマップ」を必ず確認
- 2018年豪雨の被災箇所と近接する造成地は特に注意

地盤の確認
- 太田川デルタの低地は液状化リスクが高い
- 丘陵地の切土部分と盛土部分で地盤強度が異なる
- 地盤調査報告書の確認を推奨

避難経路の確認
- 斜面に囲まれた住宅地は避難路が限られる
- 広島西バイパス・国道2号の渋滞を想定した避難計画を確認

防災DBで広島市西部のリスクを確認する →

データ出典

  • 地震調査研究推進本部「岩国-五日市断層帯の長期評価」
  • 地震調査研究推進本部「全国地震動予測地図」
  • 広島県「地震被害想定調査」
  • 広島市「防災ハザードマップ」