神奈川県平塚市の災害リスク

この記事では、平塚市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。平塚市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 平塚市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

平塚市(神奈川県)の人口は約255,442人(2025年推計)。標高は平均20.5mで、最低0.0mから最高181.7mの範囲です。


平塚市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 平塚市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

平塚市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が85.22%、市域の68.7%が洪水浸水想定区域、5.2%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が21箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「平塚市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。平塚市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 平塚市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

地震リスクのイメージ

平塚市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大85.22%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は209.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

平塚市のAVS30は200〜300m/sの範囲で、やや軟弱な地盤を含むエリアです。地盤増幅率は1.76倍です。家具の固定や、重い物を高い場所に置かないといった基本的な地震対策を確認しておきましょう。

30年確率が26%以上と非常に高い値です。これは「30年間に震度6弱以上の揺れを経験する可能性が約4分の1以上」という意味です。耐震診断をまだ受けていない場合は、自治体の耐震診断補助制度の利用を検討してください。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

洪水リスクのイメージ

平塚市では、3,176個の125mメッシュのうち2,181メッシュ(68.7%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 5.0m
浸水想定メッシュ数 2,181 / 3,176 メッシュ(68.7%)
最大浸水継続時間 168時間(約7日間)
対象河川 小出川、玉川、相模川、金目川(4河川)

市域の半分以上が浸水想定区域にあり、想定最大浸水深は5.0m2階建て家屋の屋根を超える水位です。自宅がこの範囲に含まれる場合、自宅内での垂直避難(2階へ上がる)では不十分な可能性があります。最寄りの高台や浸水想定区域外の避難場所を事前に確認し、大雨時には早めの水平避難を計画しておきましょう。

浸水継続時間が最大168時間(約7日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「平塚市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(7日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

津波リスクのイメージ

平塚市では、3,176メッシュのうち165メッシュ(5.2%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。

想定最大浸水深が5.0mで、2階建て建物を超える津波が想定されています。沿岸部にいるときに強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに高台へ避難しましょう。「津波てんでんこ」(各自がすぐに逃げる)の考え方が重要です。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「平塚市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


高潮リスク

高潮リスクのイメージ

平塚市では、3,176メッシュのうち85メッシュ(2.7%)が高潮浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は3.0mです。

沿岸部の一部に高潮の影響が想定されています。台風接近時に高潮警報が発表された場合は、沿岸部や河口付近の低地から離れましょう。


土砂災害リスク

土砂災害リスクのイメージ

平塚市には21箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。3,176メッシュのうち41メッシュ(1.3%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、平塚市で2件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ2件、土石流0件、地すべり0件)。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「神奈川県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

平塚市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 平塚市からの距離 想定M
伊勢原断層 0.4km M6.6
平山-松田北断層帯 5.5km M6.8
秦野断層帯 13.5km M6.7

最寄りの活断層(伊勢原断層)との距離が0.4kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 1,624mm
1月平均気温 5.4℃
8月平均気温 26.5℃
最深積雪 4cm

土地利用

建物用地が59.5%、森林が5.7%、農地が27.0%を占めています。

人口集中地区(DID)

人口集中地区の人口は240,517人、人口密度は7,080人/km²です。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 52箇所
消防署 9箇所
学校 90校
福祉施設 463施設
警察署 22箇所

最寄りの避難施設は「平塚市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


平塚市の自然災害伝承碑

平塚市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が7基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
河身改修耕地整理竣工記念碑 1921年 明治43年の大水害(1910年8月)洪水(1911年) 洪水
陸軍架橋記念碑 1923年 関東大震災(1923年9月1日)洪水(1923年9月16日) 洪水・地震
大震災墓地革整記念碑 1925年 関東大震災(1923年9月1日) 地震
大震災殃死者供養塔 1925年 関東大震災(1923年9月1日) 地震・その他
震災遭難者之靈 1929年 関東大震災(1923年9月1日) 地震
頌徳碑 1952年 関東大震災(1923年9月1日)  地震
金目川 大堤 2002年 慶長十三年の洪水(1608年)洪水(1869年7月19日)洪水(1869年8月8日~9日) 洪水

伝承内容

河身改修耕地整理竣工記念碑(1921年建立)

金目川は川筋が曲がりくねり、流れが急で、川底が周囲より高い「天井川」であったことから、慶長13年(1608)以降の古文書に多くの洪水被害が記録されている。明治43年(1910)には二つの台風のため堤防が決壊、氾濫し、数百ヘクタールの田畑が流出、土砂で埋没する被害を受けた。また、翌44年(1911)も水害が発生した。

  • 所在地: 神奈川県平塚市南金目
  • 災害: 明治43年の大水害(1910年8月)洪水(1911年)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 35.35988, 139.28635

陸軍架橋記念碑(1923年建立)

大正12年(1923)9月1日、関東大震災によって馬入橋が倒壊し、交通が途絶した。地元の消防組等により渡舟が即日運行された。仮橋を造ったが、9月16日の豪雨で流失し、再び交通が途絶えた。9月17日に陸軍の第十五師団及び十六師団の各所属工兵大隊が急きょ派遣され、10月3日に架橋が完了した。

  • 所在地: 神奈川県平塚市馬入本町15付近
  • 災害: 関東大震災(1923年9月1日)洪水(1923年9月16日)
  • 災害種別: 洪水・地震
  • 地図: 35.33162, 139.36416

大震災墓地革整記念碑(1925年建立)

大正12年(1923)9月1日午前11時58分に発生した関東大震災は、東京を中心に相模湾沿岸や房総半島、山梨に至るまで激甚な被害をもたらした。死者は10万人あまり、被害総額は50億円を上ると言われており、旧大野村は建物の全壊626戸、死者26名、負傷者39名であった。

  • 所在地: 神奈川県平塚市中原2-20-18(大松寺)
  • 災害: 関東大震災(1923年9月1日)
  • 災害種別: 地震
  • 地図: 35.34559, 139.33293

大震災殃死者供養塔(1925年建立)

大正12年(1923)9月1日に発生した関東大震災で東京、横浜、横須賀、小田原は地震による火災ですべて焼失した、旧須馬村では家屋は倒壊し60名余りの命が奪われた。

  • 所在地: 神奈川県平塚市札場町(長楽寺)
  • 災害: 関東大震災(1923年9月1日)
  • 災害種別: 地震・その他
  • 地図: 35.32140, 139.36361

震災遭難者之靈(1929年建立)

大正12年(1923)9月1日の正午頃、突如起こった大地震は旧平塚町とその周辺に大きな被害を与えた。旧平塚町の死者は275人を数え、このうち焼死は1人で他は圧死であった。負傷者は232人に及び家屋は全壊又は半壊したものが多かった。また、馬入鉄橋は川中に落ち、道路は各所で亀裂や陥没が生じ寸断された。

  • 所在地: 神奈川県平塚市平塚2-20(大鷲神社)
  • 災害: 関東大震災(1923年9月1日)
  • 災害種別: 地震
  • 地図: 35.33009, 139.33845

頌徳碑(1952年建立)

大正12年(1923)の関東大震災により旧神田村は建物の全壊427戸、死者30名、負傷者64名の被害があり、寄木神社の社殿も倒壊に瀕し、神社の施設は見るに堪えない惨状となった。

  • 所在地: 神奈川県平塚市大神(寄木神社)
  • 災害: 関東大震災(1923年9月1日) 
  • 災害種別: 地震
  • 地図: 35.38649, 139.36659

金目川 大堤(2002年建立)

この地は金目川が屈曲している箇所で、何度も洪水の被害にあった。慶長13年(1608)の洪水では家の梁まで浸水し、明治2年(1869)7月19日とその翌年8月8日~9日に発生した洪水では、旧北金目村の約6.4ヘクタールが被害を受け、田畑が洪水で掘られ水没する「押堀」と呼ばれる被害があった。

  • 所在地: 神奈川県平塚市南金目(北金目入口バス停・下り側)
  • 災害: 慶長十三年の洪水(1608年)洪水(1869年7月19日)洪水(1869年8月8日~9日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 35.35975, 139.28567

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

平塚市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、平塚市内の最大値で85.22%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

平塚市は洪水の危険がある?

平塚市の3,176メッシュのうち2,181メッシュ(68.7%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

平塚市に津波は来る?

平塚市の165メッシュ(5.2%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

平塚市の土砂災害警戒区域は?

平塚市には21箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、神奈川県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

平塚市の避難場所はどこ?

平塚市には52箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「平塚市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:平塚市の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が85.22%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:2,181メッシュ(68.7%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大5.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。平塚市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。

写真提供:(一財)消防防災科学センター「災害写真データベース」(※本記事の写真は平塚市で撮影されたものではありません)