熊本県苓北町の災害リスク

この記事では、苓北町の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。苓北町内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

苓北町(熊本県)の人口は約6,431人(2025年推計)。標高は平均70.2mで、最低0.0mから最高472.4mの範囲です。

2040年には現在の60%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。


苓北町の災害リスクについて よくある疑問

Q. 苓北町は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

苓北町の主な災害リスクは、市域の13.8%が洪水浸水想定区域、1.9%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が64箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「苓北町は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。苓北町の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 苓北町に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

地震リスクのイメージ

苓北町には全国地震動予測地図の対象データがありません。


洪水リスク

洪水リスクのイメージ

苓北町では、1,064個の125mメッシュのうち146メッシュ(13.8%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 5.0m
浸水想定メッシュ数 146 / 1,064 メッシュ(13.8%)
最大浸水継続時間 24時間(約1日間)
対象河川 上津深江川、志岐川、松原川、都呂々川(4河川)

想定最大浸水深が5.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「苓北町 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(3日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

津波リスクのイメージ

苓北町では、1,064メッシュのうち20メッシュ(1.9%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は2.0mです。

想定最大浸水深は2.0mです。1m未満の津波でも流速によっては歩行不能になり、巻き込まれると命に関わります。沿岸部では津波注意報にも注意し、海岸から離れましょう。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「苓北町 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


土砂災害リスク

土砂災害リスクのイメージ

苓北町には64箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。1,064メッシュのうち172メッシュ(16.2%)がこれらの区域に含まれています。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「熊本県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

苓北町の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 苓北町からの距離 想定M
雲仙断層群 (南西部北部と南部が同時に活動) 15.6km M7.1
雲仙断層群南西部南部 15.6km M6.6
雲仙断層群北部 21.7km M6.8

最寄りの活断層(雲仙断層群 (南西部北部と南部が同時に活動))から15.6kmの位置にあります。この断層が活動した場合、苓北町でも強い揺れが想定されます。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 2,040mm
1月平均気温 6.6℃
8月平均気温 26.9℃

年間降水量が2,040mmと全国平均(約1,700mm)を大きく上回る多雨地域です。集中豪雨による浸水や土砂災害のリスクが高まりやすく、梅雨・台風シーズンには河川水位や気象情報をこまめに確認しましょう。

土地利用

建物用地が12.0%、森林が57.3%、農地が26.7%を占めています。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 35箇所
消防署 1箇所
学校 6校
福祉施設 22施設
警察署 1箇所

最寄りの避難施設は「苓北町 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


苓北町の自然災害伝承碑

苓北町には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が4基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
両肥溺死塔 1801年 眉山崩壊(1792年5月21日) 津波
両肥溺死萬霊等 1801年 眉山崩壊(1792年5月21日) 津波
両肥溺死等 1801年 眉山崩壊(1792年5月21日) 津波
両肥溺死 1801年 眉山崩壊(1792年5月21日) 津波

伝承内容

両肥溺死塔(1801年建立)

寛政4年(1792)島原温仙岳が大爆発し、その直後の被害と、爆発によって起こった津波によって、肥前、肥後両国に多大の残害があった。これによる死者は多数にのぼり、天草の溺死者は400名、有明海沿岸の村々に漂着した。各村々はこの漂着肢体をねんごろに葬り、後に碑を建てて供養した。島原半島史には当時の被害のことを次のように記している。流民家370余戸、屍牛馬109匹、水田、富悪での高潮2尺程、など。

  • 所在地: 熊本県天草郡苓北町坂瀬川字西折山
  • 災害: 眉山崩壊(1792年5月21日)
  • 災害種別: 津波
  • 地図: 32.53249, 130.09643

両肥溺死萬霊等(1801年建立)

寛政4年(1792)島原温仙岳が大爆発し、その直後の被害と、爆発によって起こった津波によって、肥前、肥後両国に多大の残害があった。これによる死者は多数にのぼり、天草の溺死者は400名、有明海沿岸の村々に漂着した。各村々はこの漂着肢体をねんごろに葬り、後に碑を建てて供養した。島原半島史には当時の被害のことを次のように記している。流民家370余戸、屍牛馬109匹、水田、富悪での高潮2尺程、など。

  • 所在地: 熊本県天草郡苓北町富岡字新富
  • 災害: 眉山崩壊(1792年5月21日)
  • 災害種別: 津波
  • 地図: 32.51527, 130.03728

両肥溺死等(1801年建立)

寛政4年(1792)島原温仙岳が大爆発し、その直後の被害と、爆発によって起こった津波によって、肥前、肥後両国に多大の残害があった。これによる死者は多数にのぼり、天草の溺死者は400名、有明海沿岸の村々に漂着した。各村々はこの漂着肢体をねんごろに葬り、後に碑を建てて供養した。島原半島史には当時の被害のことを次のように記している。流民家370余戸、屍牛馬109匹、水田、富悪での高潮2尺程、など。

  • 所在地: 熊本県天草郡苓北町志岐字上津渕
  • 災害: 眉山崩壊(1792年5月21日)
  • 災害種別: 津波
  • 地図: 32.51469, 130.05370

両肥溺死(1801年建立)

寛政4年(1792)島原温仙岳が大爆発し、その直後の被害と、爆発によって起こった津波によって、肥前、肥後両国に多大の残害があった。これによる死者は多数にのぼり、天草の溺死者は400名、有明海沿岸の村々に漂着した。各村々はこの漂着肢体をねんごろに葬り、後に碑を建てて供養した。島原半島史には当時の被害のことを次のように記している。流民家370余戸、屍牛馬109匹、水田、富悪での高潮2尺程、など。

  • 所在地: 熊本県天草郡苓北町都呂々字古里
  • 災害: 眉山崩壊(1792年5月21日)
  • 災害種別: 津波
  • 地図: 32.46944, 130.03764

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

苓北町は洪水の危険がある?

苓北町の1,064メッシュのうち146メッシュ(13.8%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

苓北町に津波は来る?

苓北町の20メッシュ(1.9%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は2.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

苓北町の土砂災害警戒区域は?

苓北町には64箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、熊本県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

苓北町の避難場所はどこ?

苓北町には35箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「苓北町 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:苓北町の防災で押さえておきたいこと

  • 洪水:146メッシュ(13.8%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大2.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

  • 土砂災害:64箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。苓北町内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。

写真提供:(一財)消防防災科学センター「災害写真データベース」(※本記事の写真は苓北町で撮影されたものではありません)