長崎県南島原市の災害リスク

この記事では、南島原市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。南島原市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 南島原市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

南島原市(長崎県)の人口は約37,903人(2025年推計)。標高は平均95.2mで、最低0.0mから最高511.9mの範囲です。

2040年には現在の60%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。


南島原市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 南島原市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

南島原市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が21.65%、市域の12.0%が洪水浸水想定区域、5.8%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が66箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「南島原市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。南島原市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 南島原市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

南島原市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大21.65%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は319.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

南島原市のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は1.36倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。

30年確率が6%以上であり、一定の警戒が必要な水準です。自宅の耐震性能を把握し、非常用持ち出し袋の準備を確認しておきましょう。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

南島原市では、5,368個の125mメッシュのうち644メッシュ(12.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 5.0m
浸水想定メッシュ数 644 / 5,368 メッシュ(12.0%)
最大浸水継続時間 24時間(約1日間)
対象河川 有家川、長崎県(2河川)

想定最大浸水深が5.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「南島原市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(3日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

南島原市では、5,368メッシュのうち311メッシュ(5.8%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は2.0mです。

想定最大浸水深は2.0mです。1m未満の津波でも流速によっては歩行不能になり、巻き込まれると命に関わります。沿岸部では津波注意報にも注意し、海岸から離れましょう。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「南島原市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


土砂災害リスク

南島原市には66箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。5,368メッシュのうち375メッシュ(7.0%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、南島原市で2件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ1件、土石流1件、地すべり0件)。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「長崎県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

南島原市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 南島原市からの距離 想定M
雲仙断層群 (南西部北部と南部が同時に活動) 0.9km M7.1
雲仙断層群南西部北部 0.9km M6.8
雲仙断層群北部 11.3km M6.8

最寄りの活断層(雲仙断層群 (南西部北部と南部が同時に活動))との距離が0.9kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 2,001mm
1月平均気温 6.6℃
8月平均気温 27.2℃

年間降水量が2,001mmと全国平均(約1,700mm)を大きく上回る多雨地域です。集中豪雨による浸水や土砂災害のリスクが高まりやすく、梅雨・台風シーズンには河川水位や気象情報をこまめに確認しましょう。

土地利用

建物用地が14.8%、森林が23.9%、農地が59.1%を占めています。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 277箇所
消防署 4箇所
学校 30校
福祉施設 368施設
警察署 9箇所

最寄りの避難施設は「南島原市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


南島原市の自然災害伝承碑

南島原市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が5基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
流死菩提供羪塔 1793年 眉山崩壊(1792年5月21日) 土砂災害・津波
流死菩提供羪塔 1793年 眉山崩壊(1792年5月21日) 土砂災害・津波
島原大変殉難死者無縁精霊供養塔 1978年 眉山崩壊(1792年5月21日) 土砂災害・津波
雲仙行幸啓記念碑 1996年 平成3年雲仙岳噴火(1991年6月3日) 火山災害
火砕流被災校舎保存記念碑 1998年 平成3年雲仙岳噴火(1991年9月15日) 火山災害

伝承内容

流死菩提供羪塔(1793年建立)

寛政4年4月1日(1792年5月21日)、地震により眉山(まゆやま)の東側が大きく崩れ、大量の土砂が有明海に流れ込み大津波を引き起こした。この大津波で島原・熊本地方の沿岸地域では約1万5千人が溺死した。

  • 所在地: 長崎県南島原市南有馬町丁
  • 災害: 眉山崩壊(1792年5月21日)
  • 災害種別: 土砂災害・津波
  • 地図: 32.64223, 130.25300

流死菩提供羪塔(1793年建立)

寛政4年4月1日(1792年5月21日)、地震により眉山(まゆやま)の東側が大きく崩れ、大量の土砂が有明海に流れ込み大津波を引き起こした。この大津波で島原・熊本地方の沿岸地域では約1万5千人が溺死した。

  • 所在地: 長崎県南島原市布津町乙
  • 災害: 眉山崩壊(1792年5月21日)
  • 災害種別: 土砂災害・津波
  • 地図: 32.69400, 130.35750

島原大変殉難死者無縁精霊供養塔(1978年建立)

寛政4年4月1日(1792年5月21日)20時過ぎ、2回に亘る大地震が発生した。この影響で眉山が崩壊し、土砂が有明海に流れ込み大津波が発生した。大津波は島原半島の18町村や対岸の天草も襲い、一瞬にして約1万5千人の尊き命を奪い去った。

  • 所在地: 長崎県南島原市口之津町甲
  • 災害: 眉山崩壊(1792年5月21日)
  • 災害種別: 土砂災害・津波
  • 地図: 32.60889, 130.17533

雲仙行幸啓記念碑(1996年建立)

平成2年(1990)11月、雲仙普賢岳が噴火した。198年ぶりに煙を上げた普賢岳は、火山性地震や溶岩崩落を繰り返した。翌3年(1991)6月には大火砕流が発生し43名の方々が尊い犠牲となった。

  • 所在地: 長崎県南島原市深江町丁6247(ふかえ桜パーク)
  • 災害: 平成3年雲仙岳噴火(1991年6月3日)
  • 災害種別: 火山災害
  • 地図: 32.74574, 130.35684

火砕流被災校舎保存記念碑(1998年建立)

平成3年(1991)9月15日に発生した雲仙普賢岳噴火に伴う火砕流は、おしが谷を経由して川に出た後に向きを変え川の中を流れたが、火砕流と一緒に下った熱風は、そのまま直進し大野木場小学校の校舎を直撃した。この熱風により校舎を含め多くの家屋が焼失した。校舎は、被災した当時の状態で保存され、被災状況を見ることができる。

  • 所在地: 長崎県南島原市深江町戊2100-1
  • 災害: 平成3年雲仙岳噴火(1991年9月15日)
  • 災害種別: 火山災害
  • 地図: 32.74555, 130.34045

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

南島原市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、南島原市内の最大値で21.65%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

南島原市は洪水の危険がある?

南島原市の5,368メッシュのうち644メッシュ(12.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

南島原市に津波は来る?

南島原市の311メッシュ(5.8%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は2.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

南島原市の土砂災害警戒区域は?

南島原市には66箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、長崎県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

南島原市の避難場所はどこ?

南島原市には277箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「南島原市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:南島原市の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が21.65%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:644メッシュ(12.0%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大2.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

  • 土砂災害:66箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。南島原市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。