大分県中津市の災害リスク

この記事では、中津市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。中津市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 中津市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

中津市(大分県)の人口は約81,221人(2025年推計)。標高は平均119.4mで、最低0.0mから最高612.6mの範囲です。

2040年には現在の70%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。


中津市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 中津市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

中津市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が15.91%、市域の29.8%が洪水浸水想定区域、4.2%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が1箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「中津市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。中津市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 中津市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

中津市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大15.91%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は324.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

中津市のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は1.21倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。

30年確率が6%以上であり、一定の警戒が必要な水準です。自宅の耐震性能を把握し、非常用持ち出し袋の準備を確認しておきましょう。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

中津市では、6,508個の125mメッシュのうち1,939メッシュ(29.8%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は20.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 20.0m
浸水想定メッシュ数 1,939 / 6,508 メッシュ(29.8%)
最大浸水継続時間 72時間(約3日間)
対象河川 佐井川、山国川、山移川、犬丸川、蛎瀬川、跡田川(6河川)

想定最大浸水深が20.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

浸水継続時間が最大72時間(約3日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「中津市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(3日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

中津市では、6,508メッシュのうち273メッシュ(4.2%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は3.0mです。

想定最大浸水深は3.0mです。1m未満の津波でも流速によっては歩行不能になり、巻き込まれると命に関わります。沿岸部では津波注意報にも注意し、海岸から離れましょう。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「中津市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


高潮リスク

中津市では、6,508メッシュのうち976メッシュ(15.0%)が高潮浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。

沿岸部の一部に高潮の影響が想定されています。台風接近時に高潮警報が発表された場合は、沿岸部や河口付近の低地から離れましょう。


土砂災害リスク

中津市には1箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。6,508メッシュのうち110メッシュ(1.7%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、中津市で7件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ5件、土石流1件、地すべり0件)。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「大分県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

中津市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 中津市からの距離 想定M
日出生断層帯 6.8km M6.9
水縄断層帯 15.1km M6.7
万年山−崩平山断層帯 16.3km M6.8

最寄りの活断層(日出生断層帯)から6.8kmの位置にあります。この断層が活動した場合、中津市でも強い揺れが想定されます。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 1,765mm
1月平均気温 4.1℃
8月平均気温 26.5℃

土地利用

建物用地が21.3%、森林が44.2%、農地が31.1%を占めています。

人口集中地区(DID)

人口集中地区の人口は25,772人、人口密度は3,899人/km²です。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 207箇所
消防署 3箇所
学校 62校
福祉施設 301施設
警察署 12箇所

最寄りの避難施設は「中津市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


中津市の自然災害伝承碑

中津市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が2基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
水難者慰霊之碑 1981年 ため池決壊・土石流(1931年7月21日) 土砂災害・その他
金吉地区山地崩壊災害慰霊碑 2020年 土砂災害(2018年4月11日) 土砂災害

伝承内容

水難者慰霊之碑(1981年建立)

昭和6年(1931)7月21日、梅雨期の雨水を含んだ八面山古池(現:八面山大池)は、前日の大雨により堤防が決壊し、土石流が発生した。この土石流により、20数棟の家屋及び約76ヘクタールの耕地が流出し、7名の命が奪われた。

  • 所在地: 大分県中津市三光田口1993番地
  • 災害: ため池決壊・土石流(1931年7月21日)
  • 災害種別: 土砂災害・その他
  • 地図: 33.53628, 131.21612

金吉地区山地崩壊災害慰霊碑(2020年建立)

平成30年(2018)4月11日、無降雨時にもかかわらず梶ヶ原集落裏手の斜面が地すべりにより崩落し、住宅4棟と周辺田畑及び、そばを流れる金吉川を覆いつくした。3世帯の全員、計6名が死亡し、当集落に甚大な被害をもたらした。

  • 所在地: 大分県中津市耶馬溪町大字金吉3945
  • 災害: 土砂災害(2018年4月11日)
  • 災害種別: 土砂災害
  • 地図: 33.40609, 131.09775

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

中津市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、中津市内の最大値で15.91%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

中津市は洪水の危険がある?

中津市の6,508メッシュのうち1,939メッシュ(29.8%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は20.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

中津市に津波は来る?

中津市の273メッシュ(4.2%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は3.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

中津市の土砂災害警戒区域は?

中津市には1箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、大分県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

中津市の避難場所はどこ?

中津市には207箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「中津市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:中津市の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が15.91%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:1,939メッシュ(29.8%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大3.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。中津市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。