埼玉県熊谷市の災害リスク
この記事では、熊谷市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。熊谷市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。
この記事でわかること
- 熊谷市の地震発生確率と地盤の特徴
- 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
- 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
- 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
- 避難施設・防災インフラの情報
- 今日からできる災害別の具体的な備え
熊谷市(埼玉県)の人口は約188,926人(2025年推計)。標高は平均32.7mで、最低17.9mから最高90.4mの範囲です。
熊谷市の災害リスクについて よくある疑問
Q. 熊谷市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?
熊谷市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が21.42%、市域の74.9%が洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域が55箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。
Q. 「熊谷市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?
「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。熊谷市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。
Q. 熊谷市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?
自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。
- 洪水浸水想定区域と想定浸水深
- 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
- 土砂災害(特別)警戒区域
- 活断層からの距離
防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。
地震リスク
熊谷市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大21.42%です(2024年版全国地震動予測地図)。
震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。
表層地盤の平均S波速度(AVS30)は314.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。
熊谷市のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は1.23倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。
30年確率が6%以上であり、一定の警戒が必要な水準です。自宅の耐震性能を把握し、非常用持ち出し袋の準備を確認しておきましょう。
今日からできる地震対策
-
家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先
-
寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える
-
枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く
-
食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける
-
感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する
洪水リスク
熊谷市では、6,932個の125mメッシュのうち5,192メッシュ(74.9%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 想定最大浸水深 | 10.0m |
| 浸水想定メッシュ数 | 5,192 / 6,932 メッシュ(74.9%) |
| 最大浸水継続時間 | 336時間(約14日間) |
| 対象河川 | 利根川、吉野川流域、和田吉野川流域、小山川、広瀬川、忍川、早川、石田川圏域、福川、荒川(10河川) |
市域の半分以上が浸水想定区域にあり、想定最大浸水深は10.0mと2階建て家屋の屋根を超える水位です。自宅がこの範囲に含まれる場合、自宅内での垂直避難(2階へ上がる)では不十分な可能性があります。最寄りの高台や浸水想定区域外の避難場所を事前に確認し、大雨時には早めの水平避難を計画しておきましょう。
浸水継続時間が最大336時間(約14日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。
今日からできる洪水対策
-
ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「熊谷市 ハザードマップ」で検索
-
「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する
-
避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を
-
備蓄品の準備:飲料水・食料(14日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する
津波リスク
熊谷市には津波浸水想定区域のデータがありません。
土砂災害リスク
熊谷市には55箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。6,932メッシュのうち0メッシュ(0%)がこれらの区域に含まれています。
また、竜巻等の突風が5件記録されています(国土数値情報・竜巻等突風データ)。
今日からできる土砂災害対策
-
警戒区域の確認:「埼玉県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する
-
前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる
-
避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する
-
就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる
活断層
熊谷市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。
| 断層名 | 熊谷市からの距離 | 想定M |
|---|---|---|
| 深谷断層・綾瀬川断層(全体が同時に活動) | 1.9km | M7.5 |
| 深谷断層・綾瀬川断層(深谷断層と鴻巣-伊奈区間が同時に活動) | 1.9km | M7.4 |
| 深谷断層・綾瀬川断層(鴻巣-伊奈区間と伊奈-川口区間が同時に活動) | 1.9km | M7.0 |
最寄りの活断層(深谷断層・綾瀬川断層(全体が同時に活動))との距離が1.9kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。
地域の特徴
気候
| 項目 | データ |
|---|---|
| 年間降水量 | 1,255mm |
| 1月平均気温 | 4.0℃ |
| 8月平均気温 | 26.7℃ |
| 最深積雪 | 5cm |
土地利用
建物用地が42.9%、森林が3.6%、農地が47.3%を占めています。
人口集中地区(DID)
人口集中地区の人口は109,547人、人口密度は4,807人/km²です。
避難施設・防災インフラ
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 避難施設 | 205箇所 |
| 消防署 | 8箇所 |
| 学校 | 81校 |
| 福祉施設 | 578施設 |
| 警察署 | 12箇所 |
最寄りの避難施設は「熊谷市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。
熊谷市の自然災害伝承碑
熊谷市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が6基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。
| 碑名 | 建立年 | 災害名 | 災害種別 |
|---|---|---|---|
| 吉見堤碑 | 1911年 | 洪水(1859年)明治43年の大水害(1910年8月) | 洪水 |
| 修萬吉堤之碑 | 1912年 | 洪水(1907年8月)明治43年の大水害(1910年8月) | 洪水 |
| 久下堤碑 | 1912年 | 洪水(1859年8月23日、1864年9月9日) 明治43年の大水害(1910年8月10日) | 洪水 |
| 男沼樋門改修之碑 | 1918年 | 明治23年の大水害(1890年8月) | 洪水 |
| 決潰の跡 | 1958年 | カスリーン台風(1947年9月15日) | 洪水 |
| 利根川妻沼町地内 増補工事竣工記念碑 | 1958年 | カスリーン台風(1947年9月15日) | 洪水 |
伝承内容
吉見堤碑(1911年建立)
旧市田村手島から小泉までの堤は、安政6年7月25日(1859年8月23日)に水が溢れ、橋が壊れ家屋も数戸流された。時を経た明治43年(1910)には再び夏の長雨に見舞われ、8月10日に再び荒川の堤が約336mに渡って決壊し、濁流は泥海のようになり、旧市田村、旧吉見村及び比企郡の旧吉見4村の家々は水没し、周囲には溺れる人の泣き叫ぶ声が聞こえ、悲惨極まる状況となった。
- 所在地: 埼玉県熊谷市手島
- 災害: 洪水(1859年)明治43年の大水害(1910年8月)
- 災害種別: 洪水
- 地図: 36.11840, 139.39490
修萬吉堤之碑(1912年建立)
荒川は夏秋の大雨で溢水決壊を免れず、萬吉堤も同様であった。明治40年(1907)8月15日の洪水を機に増築改修約727m、新堤が約1,090mほど築かれた。しかし、明治43年(1910)8月の10日間に及ぶ長雨には耐えられず堤防が決壊。人も田も家屋も大きな被害を受ける洪水となり、県は約1,800mを越える堤の移築と新築に取り組んだ。この碑にはそれまでの状況について記されている。
- 所在地: 埼玉県熊谷市万吉
- 災害: 洪水(1907年8月)明治43年の大水害(1910年8月)
- 災害種別: 洪水
- 地図: 36.13205, 139.37066
久下堤碑(1912年建立)
安政6年7月25日(1859年8月23日)の大雨で、久下にある東竹院のあたりで荒川堤防が決壊し民家17戸が流され死者21名を出した。元治元年8月9日(1864年9月9日)の大雨でも、安政6年の時と同じく東竹院で堤防が決壊し民家13戸が流された。明治43年(1910)8月1日から続いた豪雨でも荒川が増水し、8月10日に大麻生の堤防が決壊した。碑にはその後の堤防改修の一大工事の様子が刻まれている。
- 所在地: 埼玉県熊谷市久下
- 災害: 洪水(1859年8月23日、1864年9月9日) 明治43年の大水害(1910年8月10日)
- 災害種別: 洪水
- 地図: 36.11900, 139.41929
男沼樋門改修之碑(1918年建立)
男沼地区は江戸時代から水が溜まりやすい場所で、洪水による被害を受けやすかった。そのため、江戸時代、農業排水を利根川に導く樋門を設け水害は減少していったが、明治23年(1890)の洪水で樋門が破壊された。その後改修工事によって男沼樋門は煉瓦製に生まれ変わった。
- 所在地: 埼玉県熊谷市男沼
- 災害: 明治23年の大水害(1890年8月)
- 災害種別: 洪水
- 地図: 36.23418, 139.35704
決潰の跡(1958年建立)
昭和22年(1947)9月14日から15日にかけて、カスリーン台風による豪雨で、熊谷市久下地先で荒川の洪水が堤防を越え約100m決壊した。その濁流は、下流の鴻巣市で約90m決壊した濁流と合わさり、元荒川筋を流れ下りた。洪水は浸水など付近一帯に甚大な被害を与え、人々はただ避難することしかできなかった。この碑は洪水の恐ろしさ、治水対策の重要性を後世に伝えるため設置された。
- 所在地: 埼玉県熊谷市久下
- 災害: カスリーン台風(1947年9月15日)
- 災害種別: 洪水
- 地図: 36.11115, 139.43048
利根川妻沼町地内 増補工事竣工記念碑(1958年建立)
昭和22年(1947)9月14日から15日にかけて、カスリーン台風と活発化した前線の活動による豪雨で利根川が増水し、現在の加須市新川通の堤防が決壊し、明治43年(1910)以来の大洪水となった。幸いにも妻沼地区の堤防は決壊を免れ、冠水被害だけで終わった。この碑は昭和30年(1955)10月に起工した妻沼町地先利根川堤防の増補工事竣工を記念し建立された。
- 所在地: 埼玉県熊谷市妻沼
- 災害: カスリーン台風(1947年9月15日)
- 災害種別: 洪水
- 地図: 36.23467, 139.37765
出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)
よくある質問
熊谷市で大地震が起きる確率は?
今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、熊谷市内の最大値で21.42%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。
熊谷市は洪水の危険がある?
熊谷市の6,932メッシュのうち5,192メッシュ(74.9%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。
熊谷市の土砂災害警戒区域は?
熊谷市には55箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、埼玉県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。
熊谷市の避難場所はどこ?
熊谷市には205箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「熊谷市 避難場所」で検索して確認できます。
まとめ:熊谷市の防災で押さえておきたいこと
-
地震:30年以内に震度6弱以上の確率が21.42%。家具の固定と耐震性の確認を
-
洪水:5,192メッシュ(74.9%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認
-
土砂災害:55箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を
防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。熊谷市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。
データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。