静岡県富士市の災害リスク

この記事では、富士市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。富士市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 富士市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

富士市(静岡県)の人口は約238,566人(2025年推計)。標高は平均101.5mで、最低0.0mから最高784.9mの範囲です。


富士市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 富士市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

富士市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が68.64%、市域の44.0%が洪水浸水想定区域、2.0%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が168箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「富士市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。富士市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 富士市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

富士市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大68.64%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は288.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

富士市のAVS30は200〜300m/sの範囲で、やや軟弱な地盤を含むエリアです。地盤増幅率は1.32倍です。家具の固定や、重い物を高い場所に置かないといった基本的な地震対策を確認しておきましょう。

30年確率が26%以上と非常に高い値です。これは「30年間に震度6弱以上の揺れを経験する可能性が約4分の1以上」という意味です。耐震診断をまだ受けていない場合は、自治体の耐震診断補助制度の利用を検討してください。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

富士市では、5,840個の125mメッシュのうち2,569メッシュ(44.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 10.0m
浸水想定メッシュ数 2,569 / 5,840 メッシュ(44.0%)
最大浸水継続時間 168時間(約7日間)
対象河川 富士川、小潤井川、沼川、滝川、潤井川、赤淵川、高橋川(7河川)

想定最大浸水深が10.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

浸水継続時間が最大168時間(約7日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「富士市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(7日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

富士市では、5,840メッシュのうち116メッシュ(2.0%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は3.0mです。

想定最大浸水深は3.0mです。1m未満の津波でも流速によっては歩行不能になり、巻き込まれると命に関わります。沿岸部では津波注意報にも注意し、海岸から離れましょう。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「富士市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


土砂災害リスク

富士市には168箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。5,840メッシュのうち4,041メッシュ(69.2%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、富士市で1件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ1件、土石流0件、地すべり0件)。

また、竜巻等の突風が6件記録されています(国土数値情報・竜巻等突風データ)。

市域の大部分が土砂災害警戒区域にかかっています。山際や谷の出口付近にお住まいの方は、自宅が警戒区域に含まれるかどうか、都道府県の土砂災害警戒区域マップで確認してください。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「静岡県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

富士市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 富士市からの距離 想定M
達磨山断層帯 14.3km M6.6
日本平断層帯 20.5km M6.6
丹那断層帯南端群 24.9km M6.7

最寄りの活断層(達磨山断層帯)から14.3kmの位置にあります。この断層が活動した場合、富士市でも強い揺れが想定されます。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 2,306mm
1月平均気温 5.5℃
8月平均気温 26.6℃
最深積雪 8cm

年間降水量が2,306mmと全国平均(約1,700mm)を大きく上回る多雨地域です。集中豪雨による浸水や土砂災害のリスクが高まりやすく、梅雨・台風シーズンには河川水位や気象情報をこまめに確認しましょう。

土地利用

建物用地が55.3%、森林が13.9%、農地が24.1%を占めています。

人口集中地区(DID)

人口集中地区の人口は200,725人、人口密度は3,784人/km²です。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 57箇所
消防署 10箇所
学校 82校
福祉施設 1105施設
警察署 22箇所

最寄りの避難施設は「富士市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


富士市の自然災害伝承碑

富士市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が5基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
義隄記 1755年 延宝8年高潮(1680年9月28日)元禄12年高潮(1699年9月8日)宝永2年高潮(1705年)延享4年高潮(1747年) 洪水・高潮
不盡河帰郷堤之碑 1859年 安政東海地震(1854年12月23日) 土砂災害・地震
海嘯碑 1899年 田子浦海嘯(1899年10月7日) 高潮
水難記念碑 1940年 明治43年の大水害(1910年8月9日) 洪水
台風二十六号遭難者慰霊の碑 1968年 昭和41年台風26号(1966年9月25日) 高潮

伝承内容

義隄記(1755年建立)

延宝8年(1680)8月の暴風雨により拳大の石を交えた大波が押し寄せ、潮水が高い土手の上までのし上がり、溺死者を多数出した。これにより吉原の宿駅を移した。元禄12年(1699)にも大水となり、次いで宝永2年(1705)、延享4年(1747)にも荒地となった。その後の一大土木工事による欠損箇所等の補強で、洪水の心配はなくなった。

  • 所在地: 静岡県富士市依田橋町(左富士神社)
  • 災害: 延宝8年高潮(1680年9月28日)元禄12年高潮(1699年9月8日)宝永2年高潮(1705年)延享4年高潮(1747年)
  • 災害種別: 洪水・高潮
  • 地図: 35.15329, 138.69714

不盡河帰郷堤之碑(1859年建立)

嘉永7年11月4日(1854年12月23日)の安政東海地震により富士川西岸の地盤が隆起、東岸が沈下したことで、流路が東寄りになると、翌年から大水による大規模な堤防の決壊が続いた。そこで強固な岩盤の上に帰郷堤を建て、洪水を防いだ。

  • 所在地: 静岡県富士市松岡(水神社)
  • 災害: 安政東海地震(1854年12月23日)
  • 災害種別: 土砂災害・地震
  • 地図: 35.15533, 138.62638

海嘯碑(1899年建立)

明治32年(1899)10月7日に台風の影響により田子浦一帯を高潮が襲い、鈴川駅(現吉原駅)まで冠水した。海水は、海抜3m~5m、海岸線から1km前後の地点に及び、田子浦村だけでも死者55名の被害となった。

  • 所在地: 静岡県富士市鮫島535(林正寺)
  • 災害: 田子浦海嘯(1899年10月7日)
  • 災害種別: 高潮
  • 地図: 35.13550, 138.68490

水難記念碑(1940年建立)

明治43年(1910)8月9日午後9時、台風による大雨で富士川の堤防が500m以上決壊し、宮下地区では家屋の流失10戸、半壊15戸、田畑は35ヘクタールが砂礫と化した。住民は高所にあった山神社境内へ避難したため、人的被害は免れた。

  • 所在地: 静岡県富士市宮下(宮下山神社)
  • 災害: 明治43年の大水害(1910年8月9日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 35.14205, 138.63847

台風二十六号遭難者慰霊の碑(1968年建立)

昭和41年(1966)9月25日未明に来襲した台風26号で、富士駅構内で最大瞬間風速58mの猛烈な暴風を記録した。元吉原海岸一帯は満潮と重なったことで高さ20mに及ぶ高潮が人家を襲った。旧吉原市では、堤防が7箇所決壊し、死者13名、行方不明1名、家屋全壊86戸等の被害を負った。

  • 所在地: 静岡県富士市大野新田
  • 災害: 昭和41年台風26号(1966年9月25日)
  • 災害種別: 高潮
  • 地図: 35.13816, 138.71723

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

富士市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、富士市内の最大値で68.64%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

富士市は洪水の危険がある?

富士市の5,840メッシュのうち2,569メッシュ(44.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

富士市に津波は来る?

富士市の116メッシュ(2.0%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は3.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

富士市の土砂災害警戒区域は?

富士市には168箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、静岡県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

富士市の避難場所はどこ?

富士市には57箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「富士市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:富士市の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が68.64%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:2,569メッシュ(44.0%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大3.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

  • 土砂災害:168箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。富士市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。