小渋ダムの基本情報と防災上の役割

小渋ダム
撮影: Qurren / CC BY-SA 3.0

小渋ダムは長野県下伊那郡松川町に位置するアーチ式コンクリートダムで、1969年(高度経済成長期)に完成しました。堤高105m、総貯水量約5,800万m³(東京ドーム約47杯分)を誇ります。洪水調節・流水の正常な機能の維持・かんがい・発電を目的とする多目的ダムです。

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この記事でわかること

  • 小渋ダムの基本情報(位置・規模・型式)
  • 小渋ダムの貯水量・流域面積
  • 小渋ダムの目的と役割(多目的ダム)
  • 小渋ダムの建設の歴史
  • 小渋ダムの防災上の役割と災害リスク

小渋ダムの基本情報

項目 内容
ダム名 小渋ダム
所在地 下伊那郡松川町大字生田
水系 天竜川水系
河川 小渋川
型式 アーチ式コンクリートダム
目的 洪水調節・流水の正常な機能の維持・かんがい・発電
管理者 中部地方整備局
堤高 105m
堤頂長 293m
堤体積 311千m³
総貯水量 約5,800万m³
有効貯水量 約3,710万m³
流域面積 約288km²
竣工年 1969年
築年数 57年

小渋ダムの貯水量を実感する

小渋ダムの総貯水量は約5,800万m³です。これは東京ドーム約47杯分に相当します。25mプールに換算すると約154,666杯分の水量です。

このうち有効貯水量(実際に利用できる水量)は約3,710万m³(総貯水量の約64%)です。

洪水調節容量(洪水時に一時的に貯められる量)は推定約2,090万m³です。大雨時にこの容量分の水を一時的にダムに貯めることで、下流の水位上昇を抑えます。

流域面積(ダムに水が集まる範囲)は約288km²です。
流域1km²あたり約20.1万m³の水を貯められる計算です。

小渋ダムの型式:アーチ式コンクリートダム

アーチ形状で水圧を両岸の岩盤に伝える構造で、狭い谷間に適しています。黒部ダムが代表例です。

小渋ダムの目的と役割

小渋ダムは多目的ダムとして、洪水調節・流水の正常な機能の維持・かんがい・発電の4つの目的を担っています。

  • 洪水調節: 大雨時にダムに水を一時的に貯めて、下流への放流量を調整することで洪水被害を軽減します。
  • 流水の正常な機能の維持: 渇水時にダムから放流することで、河川の水量を確保し、生態系や水利用を維持します。
  • かんがい: ダムに貯めた水を農業用水として田畑に供給し、安定した農業生産を支えます。
  • 発電: ダムに貯めた水の落差を利用して水力発電を行います。CO2を排出しないクリーンエネルギーです。

小渋ダムの歴史

小渋ダムは1961年に着工し、8年の工期を経て1969年に完成しました。

事業者は中部地方建設局、
施工は前田建設工業が担当しました。

現在は中部地方整備局が管理を行っています。

小渋ダムの防災上の役割と災害リスク

洪水調節機能

小渋ダムは洪水調節機能を持つ多目的ダムです。大雨や台風による洪水時に、ダムに水を一時的に貯めることで下流の小渋川の水位上昇を抑制し、浸水被害を軽減する重要な役割を果たしています。

洪水調節容量は推定約2,090万m³で、この容量を超える洪水が発生した場合は、流入量をそのまま放流する「異常洪水時防災操作(緊急放流)」が実施される可能性があります。

緊急放流(異常洪水時防災操作)とは

ダムの洪水調節容量が限界に近づいた場合、ダムに流入する水をそのまま下流に放流する操作です。緊急放流が実施されると、下流の水位が急激に上昇するため、非常に危険です。

  • 緊急放流の実施が予想される場合、ダム管理者から自治体に通知されます
  • 自治体から避難指示が出たら、速やかに避難してください
  • 近年では2018年の西日本豪雨、2019年の台風19号で複数のダムが緊急放流を実施しました

築57年のダムの安全性

小渋ダムは竣工から57年が経過しています。コンクリートダムの耐用年数は一般に100年以上とされていますが、堆砂(ダム湖に土砂が溜まる現象)による貯水容量の減少や、コンクリートの劣化が課題となる場合があります。

国土交通省では定期的なダム点検(3〜5年ごと)を実施しており、安全性の確保に努めています。

小渋ダム下流域にお住まいの方へ

ダムがあっても、計画規模を超える大雨(想定外の豪雨)が発生した場合は下流で浸水が発生する可能性があります。以下の備えを確認しておきましょう。

  1. 洪水ハザードマップの確認: お住まいの自治体が公開している洪水ハザードマップで浸水想定区域・浸水深を確認する
  2. 避難場所・経路の確認: 洪水時の避難場所と安全な経路を家族で共有する
  3. 気象情報の注視: 大雨警報・洪水警報が発表されたら、川や用水路に近づかない

  4. 緊急放流情報の確認: ダム管理者や自治体からの緊急放流に関する情報に注意する

ダムは洪水を「なくす」施設ではなく、「軽減する」施設です。ダムの下流だからといって安全とは限りません。

小渋ダムに関するよくある質問

小渋ダムの貯水量はどのくらいですか?

小渋ダムの総貯水量は約5,800万m³(東京ドーム約47杯分)です。

小渋ダムは何のために造られましたか?

小渋ダムは洪水調節・流水の正常な機能の維持・かんがい・発電を目的とする多目的ダムとして建設されました。

小渋ダムが満水になったらどうなりますか?

ダムの洪水調節容量が限界に近づいた場合、異常洪水時防災操作(いわゆる「緊急放流」)が行われることがあります。これは流入量をそのまま下流に放流する操作で、下流の水位が急上昇する可能性があります。自治体からの避難指示に速やかに従ってください。

小渋ダムは老朽化していませんか?

竣工から57年が経過していますが、コンクリートダムの耐用年数は一般に100年以上とされています。国土交通省による定期点検が実施されており、必要に応じて補修・補強が行われています。

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まとめ

  • 小渋ダムは長野県に位置するアーチ式コンクリートダムです
  • 堤高105m、総貯水量約5,800万m³の超大規模ダムです
  • 多目的ダムとして下流域の洪水被害軽減に貢献しています
  • ダムの下流でも計画を超える大雨時は浸水リスクがあります。ハザードマップで事前確認を
  • お住まいの地域の災害リスクは防災DBで無料診断できます

データ出典

  • 国土交通省 ダム便覧(MLIT DPF経由) https://www.mlit-data.jp/
  • 国土数値情報 ダムデータ https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-W01.html
  • Wikimedia Commons(画像、個別ライセンスは各画像に表記)
  • Wikidata(CC0)

本記事は上記のオープンデータを基に、防災DB編集部が作成しました。データは定期的に更新されますが、最新の情報は各機関の公式サイトをご確認ください。

最終更新: 2026年04月