愛西市のハザードマップは、木曽川水系の洪水、日光川水系の洪水、地震・津波、高潮を分けて確認します。自宅だけでなく、避難先とそこへ向かう道を、それぞれの図で確かめてください。高潮の資料には浸水の深さに加えて継続時間の図があり、市外への早めの避難を考える材料になります。愛西市「ハザードマップについて」

公式ハザードマップはどれを開く?

市の案内ページから、次の4種類のPDFを開けます。洪水の各PDFは、1ページ目が計画規模、2ページ目が想定最大規模です。同じ住所でも、河川と想定条件を変えると表示が変わるため、片方だけで判断しないことが大切です。

確認したいこと 開く公式資料・ページ 図で見る条件
木曽川・長良川が氾濫した場合 洪水・木曽川水系PDFの1・2ページ 計画規模と想定最大規模を比較。木曽川流域の2日間総雨量は、それぞれ295mm・527mm
日光川・領内川・蟹江川が氾濫した場合 洪水・日光川水系PDFの1・2ページ 図の説明は内水も含む。日光川流域の24時間総雨量は、それぞれ337mm・713mm
津波の範囲と地震の揺れ・液状化 地震PDFの1・2ページ 1ページ目は過去地震最大モデルの津波浸水深。2ページ目は理論上最大モデルの津波基準水位、時間ごとの浸水深分布、震度・液状化の別図
高潮の深さ・長期浸水 高潮PDFの1・2ページ 1ページ目は想定最大規模の浸水深。2ページ目上段は継続時間と、堤防等が決壊しない場合の浸水予想図

PDFが開けない場合、市の同じ案内ページに画像版と「重ねるハザードマップ」へのリンクもあります。地図の凡例や条件説明が小さいときは拡大し、住所の位置と色を確認してください。

洪水の色は、河川・規模・雨量の期間をセットで読む

295mmと337mmをそのまま比較しない

木曽川水系の図は「2日間」、日光川水系の図は「24時間」の流域総雨量を条件にしています。数値の大小だけで、どちらの河川が危険かを比較することはできません。これらは浸水想定の計算条件であり、自宅の雨量がその数値に達するまで避難を待つ基準でもありません。

両水系の図は、計画規模を100年に1回程度、想定最大規模を1,000年に1回程度の降雨として説明しています。木曽川水系は2020年4月24日、日光川水系は2019年8月30日の指定条件が図内に記載されています。市の案内ページの更新日と、各図の想定・指定の時点は区別して読みましょう。木曽川水系PDF、日光川水系PDF

白地も安全の証明にはならない

洪水図の浸水深は、0.3m未満、0.3〜0.5m未満、0.5〜1m未満、1〜3m未満、3〜5m未満、5m以上の6区分です。住所と避難先だけでなく、橋へ向かう道や低い場所も見比べます。赤い印の「危険箇所(地下道)」も経路確認の手がかりですが、現在の通行可否を示すものではありません。

図の説明では、上流から200mごとに設定した破堤点による浸水を重ね合わせ、最も深い浸水深を表示しています。一度の洪水が図の全域で同時にその深さになるという意味ではありません。また、想定区域外でも浸水したり、実際の深さが図と異なったりする場合があると明記されています。日光川水系の図に内水が含まれていても、あらゆる浸水条件を網羅した保証にはできません。木曽川水系PDF、日光川水系PDF

高潮は「深さ」だけでなく「どれくらい続くか」を確認

高潮PDFの1ページ目は、室戸台風級の台風による想定最大規模の浸水深です。中心気圧910hPa、半径75km、速度73km/h、複数の台風経路などを条件に、各経路の最大浸水深を重ね合わせています。海岸堤防等の決壊や、高潮の影響が明らかな下流部堤防の決壊も条件に含まれます。現在接近している台風の予報そのものではありません。高潮PDF・1ページ

高潮の浸水深の凡例は、0〜0.5m未満、0.5〜3m未満、3〜5m未満、5m以上の4区分です。洪水の6区分とは分け方が違うため、色だけを見て深さを読み替えないでください。

2ページ目左上の「浸水継続時間」は、浸水深が0.5m以上になってから0.5m未満になるまでの想定時間です。12時間まで、12時間〜1日、1〜3日、3日〜1週間、1週間以上の区分があります。これは完全に水がなくなる時刻や、道路を安全に通れる時刻を保証する図ではありません。複数の決壊箇所の結果を重ねた想定で、実際の継続時間は異なる場合があります。

右上の「堤防等決壊なし」の図も見比べてください。資料は、堤防等が決壊しなくても広い範囲で浸水が想定されることを示しています。市は、市域の大半が海抜ゼロメートル地帯にあり、場所によっては浸水が1週間以上続く可能性があると説明しています。高潮PDF・2ページ

避難場所の掲載と、避難生活を送る施設は同じではない

「指定緊急避難場所」は切迫する危険から命を守るための一時的な避難先、「指定避難所」は被災後などに一定期間生活する施設です。市は、最も近い避難所がすべての災害で最初に向かう場所とは限らず、居住地域ごとに避難施設を限定していないと説明しています。指定緊急避難場所と指定避難所について

市の同ページがリンクする指定緊急避難場所・指定避難所一覧PDFは、2023年6月の掲載資料です。次の例は、その一覧の読み方を示しています。「○」「―」は指定避難所の欄の記号で、洪水や津波への耐性を表す記号ではありません。

施設名 一覧の掲載箇所・用途 読み取れることと追加確認
愛西工科高校 「指定緊急避難場所兼指定避難所」番号6 校舎棟は3階建で指定避難所欄が「―」、体育館・武道場は1階建で「○」。施設名だけでなく、棟と用途を分けて読む
佐屋高校 同じ一覧の番号38 校舎棟は4階建で「―」、体育館棟は1階建で「○」。高い棟が指定避難所とは限らない
ヨシヅヤ佐屋店 「指定緊急避難場所」番号9 「屋上」の記載がある。店全体を避難生活用の指定避難所と読み替えず、利用できる場所・開放条件を確認する

この資料の掲載例から、現在の開設状況や、浸水時に使える階・進入経路を確定することはできません。避難先を決める際は、対象災害に使える場所、棟・階・入口、そこへ移動できる時点を市へ確認してください。図中に学校や店舗の印があることだけで、近さを優先して向かう判断にはできません。

台風などの風水害時は、自主避難者受入施設を開設する場合があり、市防災メールや市ホームページで知らせるとしています。自主避難する場合は市へ開設状況を確認し、非常食・毛布などは自分で準備します。市の案内では、自主避難者へのこれらの支給はしないと説明しています。市の避難案内

海から離れていても、津波と液状化の図を別に見る

地震PDFの1ページ目は「過去地震最大モデル」の津波浸水深、2ページ目の大きな図は「理論上最大モデル」の津波災害警戒区域内の基準水位分布です。2ページ目の基準水位は、浸水深に建物等による津波のせき上げを加えた水位です。洪水の浸水深、地盤の標高とは同じ指標ではなく、図だけから「何階なら安全」と一律に決められません。地震PDF

2ページ目上段には、地震発生30分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後の浸水深分布図があります。河川沿いから浸水が始まり、広がる想定が示されています。「自宅の図ではまだ色がない時間」を、避難を待てる時間として使わないでください。これらは想定の時系列で、実際の到達を保証する時計ではありません。

同じページ下段の「震度分布図」「液状化危険度分布図」も、それぞれ確認します。津波の図が白地でも、揺れや液状化への備えが不要になるわけではありません。図にあるモデルの想定と、現在の地震発生確率や臨時情報は区別して扱ってください。

長期浸水を見越して、市外の避難先も平時に考える

市の自主的広域避難情報発表時における広域避難先についてでは、大型台風により大きな被害が予想される場合、台風上陸24時間前までに木曽三川下流部の8市町村が共同で自主的広域避難情報を発表し、早めの広域避難を呼びかけると説明しています。これは現在情報が発表されているという意味ではありません。

平時には、浸水のおそれがない親戚・知人宅などの候補を決め、移動方法と家族の連絡方法を準備します。市は、避難先にあてがない場合の選択肢としてホテル等を紹介していますが、予約は本人が行い、交通費・宿泊費等も本人負担です。掲載だけで予約や受入れが保証されるものではなく、施設の情報と空き状況を確認する必要があります。

市内の避難施設へ向かう場合、市の避難案内は特別な理由がない限り車の利用を控えるよう説明しています。一方、広域避難の案内は早い段階に市外の候補へ移動するためのものです。避難先の範囲・災害の状況・移動できる時点を分け、浸水や強風が始まってから遠くへ出発する計画にしないでください。市の避難案内、市の広域避難案内

図や施設の条件が分からないときの問い合わせ

愛西市企画政策部危機管理課の電話は0567-55-7130です。町名、開いた図の種類・ページ、候補施設を伝え、「木曽川水系と日光川水系のどちらも確認したが、この経路の注意点は何か」「候補施設のどの棟・階が対象災害に使えるか」「自主避難施設の開設をどこで確認するか」「早めの広域避難に支援が必要な場合はどう相談するか」を具体的に聞くと、確認したい条件を共有できます。市のハザードマップ案内

避難時の基本や家庭での備えは愛西市防災ハンドブックの案内も参照してください。防災DBの愛西市の防災情報は地域情報を整理する入口として使い、避難の実施は市の避難情報と現場の状況を合わせて判断します。