喜多方市のハザードマップは、市の公式ページから洪水・土砂災害・ため池のWEB版、地震の県資料、磐梯山の火山防災マップへ進めます。山都町の宮古川沿いは別添の洪水図、塩川周辺は河川洪水に加えて積雪期の火山泥流も確認してください。避難先は近さだけで選ばず、対象の災害と開設状況を確かめます。

公式ハザードマップと追加図の選び方

入口は喜多方市ハザードマップです。WEB版だけで全資料が揃うわけではありません。次の表で、確認したい災害に合う資料を選べます。

確認したいこと 公式資料 読む箇所と注意点
自宅・通学路周辺の洪水、土砂、ため池 市WEB版ハザードマップ 災害を選び、利用条件を読んで進む。自宅だけでなく避難経路を確認する
山都町の宮古川沿いの洪水 宮古川洪水浸水想定区域図(1ページ) 2023年12月19日指定。図右上の説明・基本事項と左下の水深凡例を読む
新しく抽出された土砂災害のおそれ 市の公表案内、県の位置図一覧 指定済み区域と別に確認する。「喜多方市」の位置図へ進む
ため池決壊の水深と全量到達までの時間 ため池浸水想定区域図一覧 地区名とため池名を選び、図の見方も読む
磐梯山の火山災害と市内の避難 喜多方市磐梯山火山防災マップ・2022年版(2ページ) 1ページ目に噴火形態、2ページ目に塩川周辺の泥流図・避難場所・行動条件
地震の揺れと被害の想定 福島県地震・津波被害想定調査結果 「想定地震」と「震度分布」を読む。市町村直下の地震も別途確認する

災害リスクの数値詳細と地域ごとの想定条件

河川洪水:山都町の宮古川は市の地図と別添図を組み合わせる

市の案内では、阿賀川・日橋川・大塩川・田付川・濁川・押切川・姥堂川・境見川・三の森川の想定最大規模の洪水をWEB版の対象としています。一方、2023年12月に指定された宮古川の一部については、地図への反映を準備中と案内し、別添PDFを掲載しています。宮古川沿いでは、WEB版だけを見て浸水の色がないと判断せず、追加図も開いてください。市の洪水マップ説明

宮古川の図は、山都町蓬莱字北場4021番地先から一の戸川合流点までの両岸が対象です。想定雨量はピーク時の2時間に193mm。一の戸川・支川の氾濫、想定を超える雨、内水による氾濫は計算に含まれていません。対象外の場所でも浸水する場合があります。これは雨量193mmまで避難を待てるという意味ではありません。

塩川は、水位情報と早めの避難を結び付ける

2026年5月29日の塩川地区向け案内(1ページ目)は、2024年3月に見直した日橋川タイムラインを説明しています。南大橋水位観測所で3.20mの氾濫注意水位に達し、その後も上昇が見込まれる場合に「高齢者等避難」、3.50mの避難判断水位に達し、その後も上昇が見込まれる場合に「避難指示」を発令する計画です。添付タイムラインは同PDFの3ページ目にあります。

この水位は南大橋観測所の値で、自宅の浸水深ではありません。資料は今後の豪雨の状況に応じた早めの発令にも言及しています。数値だけを待たず、市の避難情報と今後の雨・水位上昇を合わせて判断してください。

土砂災害は「指定区域」と「新たな抽出箇所」を分けて読む

喜多方市が2024年6月に公表した新たな土砂災害のおそれのある箇所は、土石流78箇所、急傾斜地333箇所の計411箇所です。高精度の地形情報等による抽出で、指定済みの土砂災害警戒区域の数とは異なります。市の公表

県は、これらが現地調査の前段階であり、すべてが危険を伴う区域と確定したわけではなく、直ちに建築等の規制が生じるものでもないと説明しています。既存の警戒区域と新たな位置図を両方見て、家の背後の斜面や沢、避難経路との位置関係を確認します。法定指定の最新状況と抽出図を同一視しないでください。県の抽出条件・位置図

ため池決壊は、河川の氾濫とは別の想定

ため池図は、満水の貯水量が全量下流へ流出する場合の予測です。市の一覧から、地区名を手がかりに該当するため池を探します。八方ため池の図(松山、1ページ)では、最大水深の色と「3分後」「10分後」などの時間表示が別に描かれています。色は最大水深、時間表示は市の「図の見方」が説明する、ため池の貯水量の全量が到達するまでの時間です。最初の水が到達する時刻や、避難に使える猶予時間とは区別してください。

時間表示を避難の持ち時間と考えず、自宅と経路の両方に重なるかを平常時に確認してください。市の図の見方は、浸水開始後では避難が間に合わない場合があるとして、事前の把握と早い判断を求めています。

磐梯山の融雪型火山泥流は、積雪・火口・噴火形態で変わる

市の2022年版火山防災マップは、2011年度作成のマップをもとに調査結果等を加えて災害予想区域を見直した資料です。公式ページで案内される2017年作成の広域火山ハザードマップと、市向け2022年版を同じ版として扱わないでください。

2ページ目の「火口別の融雪型火山泥流の予想図」は、喜多方市に泥流が到達する可能性がある条件として、想定火口範囲の南側または南西側での噴火、雪の多い真冬、マグマ噴火を挙げています。塩川周辺の「火山泥流の防災マップ」は、12地点から生じる泥流の最大浸水高を重ねたものです。一度の噴火で全方向へ流れる予測ではありません。

これは夏季や別の噴火形態なら火山災害全体がなくなるという意味ではありません。噴火警報の対象範囲と市の避難情報に従い、泥流図だけで安全を決めないでください。

地震の被害想定は、発生確率と分ける

県の被害想定は、特定の地震が起きた場合の揺れ・被害を推計したものです。市町村直下の地震ではM7.3(Mw6.8)を設定しています。旧来の調査から人口・建物・インフラの変化や知見を反映して全面的に見直した調査で、市公式ページからも案内されています。県の調査結果と想定地震

「30年以内の発生確率」と、この地震が起きた場合の震度分布は別の指標です。市町村直下の震度分布で喜多方市の図を選び、建物や家具の対策を考える材料にしてください。市域の平均や確率だけでは自宅の安全を判断できません。

指定避難所と災害別の行き先の選び方

災害・場面 確認する条件 行動と避難先の注意
河川洪水 自宅・経路の浸水想定、市の避難情報、水位の上昇見込み 危険な場所にいる避難に時間のかかる人は高齢者等避難で開始、避難指示で危険な場所から全員避難。塩川の日橋川は前倒しの行動計画を確認する
土砂災害 警戒区域だけでなく新しい抽出箇所、沢や斜面との位置関係 市が早期避難を呼びかける公表資料を踏まえて経路を準備する。区域外という理由だけで避難判断を遅らせない
ため池決壊 個別図の最大水深、全量到達までの時間、経路の重なり 浸水してからの移動では間に合わない場合がある。あらかじめ区域から離れる行き先を決める
磐梯山の火山泥流 警報の対象範囲、市の避難情報、泥流図に対応する場所 泥流から離れる方向の避難場所・高台を確認。流下・氾濫が始まった場合の上階への緊急一時避難は、建物倒壊の危険がないと判断される場合に限る
地震後 建物被害や火災、避難場所の地震への対応 市の緊急避難場所一覧で地震の欄を確認。洪水や火山に使えるかは別の欄で確認する

河川洪水の行動は日橋川案内のタイムライン3ページ目、火山の条件は市火山防災マップ2ページ目に基づきます。上階への一時避難を、泥流発生前から避難せず待つ計画として使わないでください。

「17箇所」より先に、目的と災害への対応を見る

市は避難所等の案内で、指定緊急避難場所88カ所、指定避難所12カ所、福祉避難所5カ所を別々に説明しています。緊急避難場所は危険から逃れる場所、指定避難所は一定期間滞在する場所です。福祉避難所は一般の避難所での状況を判断して開設する二次的避難所で、原則として最初から利用できません。

指定避難所一覧(2023年5月1日現在、1ページ)の備考では、押切川公園体育館、塩川中学校、塩川体育館は「洪水・浸水害を除く」とされています。火山防災マップの避難場所に塩川中学校や塩川体育館が載っていても、河川洪水の行き先へそのまま置き換えないでください。

指定緊急避難場所一覧では、施設の行と「洪水」「崖崩れ、土石流及び地すべり」「地震」「火山現象」などの列を交差させて確認します。施設名の掲載と、その災害の欄の指定は別です。PDFに載っていることは現在開設されていることを意味しないため、実際の避難時は市の開設情報も確かめます。

喜多方市の地図でよくある疑問

地図に色がなければ、自宅にとどまってよいですか?

色がないことだけでは判断できません。市WEB版は内水や想定を超える雨を表示せず、宮古川は別添図の確認が必要です。自宅が区域外でも、行き先までの道が浸水区域や斜面の近くを通ることがあります。WEB版の利用条件

津波の図を探す前に、何を確認すればよいですか?

喜多方市は内陸の自治体です。市の地震情報の入口は「福島県地震・津波被害想定調査結果」ですが、資料名に津波が含まれることを理由に、市内で沿岸と同じ避難条件を当てはめることはできません。市内では自宅の洪水・土砂・ため池・地震、該当する地域では火山の想定を確認してください。沿岸へ出かける際は訪問先の津波図と避難情報を確認します。

避難先が決められないときは、何を聞けばよいですか?

市危機管理課(0241-24-5221)に、住所と想定する災害を伝え、「この災害で使える緊急避難場所はどこか」「洪水時に使えない施設はないか」「避難に支援が必要な家族は、最初にどこへ避難すべきか」を確認します。ため池名・個別図が見つからない場合は、農山村振興課農村整備係(0241-24-5234)に地区名と場所を伝えて確認できます。連絡先はそれぞれ市ハザードマップ案内とため池図一覧に掲載されています。

自宅、学校・勤務先、候補の避難先を地図に位置付け、洪水・土砂・ため池の図と重ねて、通る道の危険を確かめます。山都町の宮古川沿いでは追加PDF、塩川周辺では火山泥流図と洪水時の避難先の制約を確認してください。紙に残す場合は資料ごとに縮尺が異なる点にも注意し、家族と行き先・避難を始める条件・支援方法を共有します。

制作:防災DB編集部。自治体・県の公表資料を比較して確認方法を整理しています。個々の建物の安全や、災害時の避難経路の通行を保証するものではありません。最新の警報、避難情報、開設情報を優先してください。