笠松町の水害を調べるときは、地区別の洪水ハザードマップと、雨水出水(内水)浸水想定区域図の両方を確認しましょう。洪水図は木曽川だけでなく、長良川、境川・新荒田川、新境川の影響を分けて示しています。さらに、同じ避難施設でも、洪水が起きる河川や地震によって使用できるかが変わります。
まず自宅の地区と想定最大規模の図を選び、浸水深、家屋倒壊危険ゾーン、避難先までの道を確認します。地震への備えは別の図で調べ、洪水用に決めた避難先をそのまま地震用にしないことが大切です。
笠松町の公式ハザードマップ・避難情報
目的に合わせて、次の公式資料を使います。PDFの色や数値は特定の想定条件によるもので、発災中の浸水状況や施設の開設状況を示すものではありません。
- 河川の洪水:町の洪水ハザードマップ案内/笠松町洪水ハザードマップ・2023改訂版PDF。地区ごと、河川ごとに計画規模と想定最大規模を比較します。
- 側溝・水路などからの内水:雨水出水(内水)浸水想定区域図の案内/雨水出水浸水想定区域図PDF。2026年3月指定、1時間雨量147mmの想定です。
- 地震の揺れと建物被害の目安:町の地震ハザードマップ案内/揺れやすさマップPDF/地域危険度マップPDF。揺れの分布と地域内の建物被害は別の情報です。
- 避難施設の指定と開設:指定緊急避難場所・指定避難所。笠松・松枝・下羽栗の地域別に、屋内・屋外の緊急避難場所と指定避難所の一覧があります。同じページから町が案内する避難情報・開設情報へ進めます。
災害リスクの数値詳細:自宅の地区から洪水・内水の条件を読む
河川の洪水は地区・河川・降雨規模をそろえる
2023改訂版PDFは見開きで収録されており、画面のPDFページ番号と、紙面に印刷された冊子ページ番号が違います。自宅がある地区を選び、同じ地点を河川別に見比べてください。
| 自宅の地区 | 冊子に印刷されたページ | PDFビューアのページ | 見る図と避難施設の表 |
|---|---|---|---|
| 笠松地区 | 7〜14 | 5〜8 | 木曽川7〜8、長良川9〜10、境川・新荒田川11〜12、新境川13、施設表14 |
| 松枝地区 | 15〜22 | 9〜12 | 木曽川15〜16、長良川17〜18、境川・新荒田川19〜20、新境川21、施設表22 |
| 下羽栗地区 | 23〜34 | 13〜18 | 木曽川23〜26、長良川27〜28、境川・新荒田川29〜32、新境川33〜34。施設表は各見開きに掲載 |
出典:笠松町洪水ハザードマップ・2023改訂版、冊子7〜34ページ。図番号による案内ではなく、地区名・河川名・印刷ページで指定しています。
計画規模は河川整備で基本とする降雨、想定最大規模はそれを上回る大雨を想定した図です。計画規模だけで色がないことを、洪水の危険がない根拠にしないでください。新境川は、計画規模では町内への影響がないとの注記がありますが、想定最大規模の図は掲載されています。下羽栗地区では長良川も、計画規模の浸水域は地区内に影響しないとの注記がある一方、想定最大規模の図があります。
地区図で確認するのは、自宅だけではありません。避難施設、そこへ向かう道路、橋や水路の周辺も見ます。下羽栗地区の図には「道路の冠水が予想される箇所」も表示されています。大雨が始まる前に家族と歩き、暗い道、水路沿い、狭い道などを避けられる経路と所要時間を記録しましょう。地図にある過去の浸水実績は、将来の浸水範囲の上限ではありません。
浸水深だけでなく、家屋倒壊危険ゾーンを見る
洪水図の冊子1ページは、浸水深が3m以上、または家屋倒壊危険ゾーンに自宅がある場合を、早期立退き避難が必要な区域として説明しています。水の流れで家屋が流失するおそれがある場所では、「2階に上がればよい」と決めないでください。指定施設だけでなく、浸水想定区域外の親戚・友人宅なども候補にして、災害が起きる前に移動する計画を立てます。
すでに道路が浸水し、屋外への移動がかえって危険になった場合は、より高い場所への退避など、その時点で命を守る行動が必要です。この緊急対応を、最初から避難を遅らせる理由にはしないでください。洪水図は、濁った水で道路と水路の境界や開いたマンホールが見えなくなる危険も説明しています。
自宅上階にとどまる計画では、水が届かない高さだけでなく、長く外へ出られない場合の水・食料・薬・トイレも考えます。洪水図の冊子22ページは、長期浸水によるライフラインの停止や備蓄不足に注意を促しています。浸水継続時間は河川管理者の資料で確認する情報です。町の洪水図案内の「関係団体のページ」から、木曽川・長良川は国土交通省、境川・新荒田川・新境川は岐阜県の確認先へ進めます。
出典:洪水ハザードマップPDF、冊子1、3〜4、14、22、35ページ(PDF2、3、8、12、19ページ)。
内水図は別の想定条件で読む
内水は、側溝や水路などの排水能力を超える雨で水があふれる現象です。2026年3月指定の内水図は1時間147mmの想定最大規模降雨を使いますが、河川の堤防決壊や越水による洪水、津波、高潮は計算に含めていません。洪水図の代わりにこの1枚だけを見ることはできません。
内水図では、まず凡例の「浸水深」を見て、自宅・道路の着色を確認します。そのうえで、青枠の「公共下水道等の排水区域」と、赤色破線の「既事業地区」を区別してください。法令に基づく指定区域は、青枠の排水区域のうち浸水が想定される着色部分です。図の着色全体と指定区域を同一視しないようにします。
赤色破線内は令和5年度末の下水道整備状況などを使った詳細手法、それ以外は地形の高低差などから求める簡易手法です。方法が違うため、水深や浸水継続時間などの結果も異なる場合があります。色がついていない場所も、雨の降り方や土地・道路・水路の変化によって浸水する可能性があります。
また、内水図に浸水継続時間が載っていないのは、この想定で「深さ50cm以上がおおむね24時間以上続く場合」に該当しないためです。河川洪水も短時間で引く、という意味ではありません。
出典:内水浸水想定区域図PDF、1ページの「説明文」「基本事項等」「備考」。
地震図は揺れの想定と建物の耐震性を分けて読む
町の地震ハザードマップ案内は2007年公開で、地形・地盤と震源の位置関係を使い、50m四方のメッシュで揺れを求めています。町の地層について、木曽川由来の軟弱な沖積層からなることも説明しています。
「揺れやすさマップ」の原図には、東海・東南海連動地震、関ヶ原・養老断層系による地震、どこでも起こりうる地震を想定し、各地点の最大となる震度を表示する説明があります。最終的な町内図の凡例は震度6弱・6強です。これは特定の想定地震を使った揺れの分布であり、今後30年の地震発生確率ではありません。現在の南海トラフ地震の想定へ、そのまま名称や数値を置き換えないでください。
「地域危険度マップ」は、想定した揺れで地域内の建物が全壊する割合を示す図です。原図にも、一戸ごとの建物の危険度ではないとの注意書きがあります。低い色だから自宅の耐震診断が不要とは判断できません。家具の固定に加え、建築時期や耐震診断の有無を確かめ、診断・補強の相談が必要な場合は町の建設課に問い合わせます。最新の制度や申請条件は窓口で確認してください。
出典:地震ハザードマップ案内、揺れやすさマップ、地域危険度マップ(各PDF1ページ)。
津波は別の公的地図で確認する
内水図は津波を考慮していない資料です。その図の無着色や、河川洪水の浸水深から津波の有無を判断することはできません。津波の確認には災害種別を切り替えた公的な地図を使い、旅行先や通勤先も含めて確認しましょう。
土砂災害も独立した区域情報を見る
洪水の着色は土砂災害警戒区域を表すものではありません。重ねるハザードマップなどで土砂災害のレイヤーを選び、避難経路や町外の避難先も含めて確認します。このページでは、町全体の未照合の区域数を個々の住所の安全判断に使いません。
指定避難所・緊急避難場所は「災害」と「使える階」で選ぶ
町は、緊急的に身を守る「指定緊急避難場所」と、被災後に一定期間生活する「指定避難所」を分けています。さらに緊急避難場所は屋内・屋外の表に分かれます。洪水時の逃げ先を選ぶなら、まず自分の地域の屋内の緊急避難場所表で、該当する河川の欄を見てください。
次は、町が掲載する屋内一覧の一部を、災害ごとに比較したものです。○は表で使用可能、△は洪水時に2階または3階以上の使用が必要、×は使用できないという意味です。○であっても、その場で開設されていることを示すものではありません。
| 施設 | 地震 | 木曽川の洪水 | 長良川の洪水 | 内水 | 火災 |
|---|---|---|---|---|---|
| 笠松小学校(校舎) | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
| 中央交流センター | × | △ | △ | ○ | ○ |
| 下羽栗小学校(校舎) | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
| 下羽栗小学校体育館 | ○ | × | ○ | ○ | ○ |
| スポーツ交流館 | ○ | × | ○ | ○ | ○ |
出典:町の笠松地域・指定緊急避難場所一覧(屋内)PDF1ページ、下羽栗地域・指定緊急避難場所一覧(屋内)PDF1ページ。境川・新荒田川、新境川の条件は原表の該当欄で確認してください。
例えば、中央交流センターは洪水の欄が△でも地震は×です。また、下羽栗小学校は校舎と体育館で木曽川洪水の欄が異なります。「学校だから」「同じ敷地だから」という理由で、体育館まで利用できると決めないでください。
洪水図の施設表では、括弧の外が計画規模、括弧内が想定最大規模です。△の凡例は「2階、3m以上浸水する場合は3階以上への避難が必要」としています。一方、屋内一覧は河川別の災害欄で示され、洪水図のような規模別の括弧表示ではありません。違う表の記号や括弧を混ぜずに読み、利用階が分からない場合は総務課へ、施設名・河川名・想定規模を伝えて確認してください。
2023洪水図の施設条件と、2024年公開ページにある災害別一覧は、資料の時点と構成が違います。さらに2026内水図には新たな解析条件があります。古い施設表の○だけで現在の開設や利用可否を確定せず、町の案内を確認します。
実際の避難時は、町の避難施設案内に掲載された「避難情報・避難所開設情報」の入口から、発令情報と開設先を確認してください。地図上の指定と、その日の開設は別の情報です。
いつ動くかを家族ごとに決める
洪水図の冊子5〜6ページは、警戒レベル3で危険な場所にいる高齢者等の避難、警戒レベル4で危険な場所から全員避難を説明しています。避難に時間がかかる家族がいる場合は、支援する人も含めて早く動く計画が必要です。警戒レベル5を待って移動を始める計画にはしないでください。
家族で「どの情報を受けたら」「誰が付き添い」「どの施設・何階へ」「どの道で向かうか」を書き出します。情報は必ず順番に出るとは限らず、身の危険を感じたら町の呼びかけを待たずに避難することも、洪水図で示されています。
住所を確認したら、家族の避難経路まで決める
- 自宅を地区別洪水図で見つけ、想定最大規模を河川ごとに見比べる。
- 浸水深が3m以上か、家屋倒壊危険ゾーンかを確認し、早期に立ち退く先を考える。
- 内水図で自宅と経路の着色・区域枠を別に確認する。
- 地域別の屋内一覧で、災害別の○・△・×と必要階を確認する。地震用の避難先も別に決める。
- 晴れた日に経路を歩き、水路・冠水が予想される場所・暗い道を避ける経路と所要時間を記入する。
- 町が案内する避難情報と開設情報の入口を家族で共有し、避難開始の条件を決める。
地図で住所の位置を探す際は、このページの地図も入口として使えます。地図の色だけで安全を確定せず、公式資料で対象災害・想定条件・避難施設の利用条件を確かめてください。
洪水・地震ハザードマップの読み方や耐震の相談は建設課(058-388-1117)、災害別の指定施設や避難の相談は総務課(058-388-1111)が公式案内の問い合わせ先です。災害発生時の開設確認は、上記の町が案内する情報を優先してください。
関連ページ:笠松町の情報を確認する
地域の情報へ戻る場合は、笠松町のページをご利用ください。避難計画の根拠は、このページで紹介した町の公式図と指定施設一覧から確認できます。
編集:防災DB編集部。町の公式図・施設一覧を資料ごとに照合し、地区別の読み方と災害別の避難条件を整理しています。個々の建物の安全性を診断する記事ではありません。