東吾妻町のハザードマップは、河川の洪水と土砂災害を載せた詳細図だけでなく、雨水出水(内水)の図、岡崎地区のため池の図を分けて読むことが大切です。吾妻川沿いの浸水と、斜面からの土砂、排水しきれない雨水では、危険になる場所も避難の条件も異なります。

まず公式ハザードマップの索引図で自宅の詳細図番号を探し、自宅・避難先・途中の道路を同じ図上で確認してください。以下では、町の防災ハザードマップと現在掲載されている別図を照合し、迷いやすい読み方を整理します。

公式ハザードマップ:目的に合う資料を選ぶ

入口は東吾妻町「防災ハザードマップ」です。「ハザードマップの見方・全体索引図」から詳細図1〜11へ進めます。画面の地図を拡大しても住所を特定できない場合は、総務課に地区・番地を伝え、該当する詳細図と凡例を確認してください。

知りたいこと 開く資料・確認箇所 その図だけでは分からないこと
吾妻川などの洪水、斜面・沢の土砂災害 見方・全体索引図(冊子21〜22ページ)で番号を探し、町ページの詳細図1〜11を開く 洪水図は支川の決壊、想定を超える雨、内水氾濫を考慮していない。土砂区域外での発生もあり得る
排水しきれない雨水による浸水 雨水出水浸水想定区域図(1枚)の説明文・色・都市下水路計画区域 河川の破堤・越水による洪水を含まない。河川図の代わりにはならない
岡崎地区のため池決壊 広場貯水池・岡崎第3調整池ため池ハザードマップ(1枚)の浸水深・到達時間・歩行困難度 全貯留水が瞬時に流出する仮定。実際の貯水量や堤体被害で状況が変わる
いつ、どこへ避難するか 記事面の冊子2〜4ページと避難の方法・避難所一覧の19〜20ページ 一覧にある施設がその時点で開設されているとは限らない。町の発令・開設情報も必要

各PDFの「ページ」は冊子に印刷された番号です。PDFファイルのページ番号とは異なります。索引図はPDF1ページに冊子21〜22ページが並んでいます。

古い冊子と別掲載の図は、作成年と想定を分ける

町公式ページによると、最初の防災ハザードマップは平成27年3月に作成されました。その後、八ッ場ダムの完成に伴う令和2年6月公表の想定最大規模の浸水想定図を受け、令和5年3月に更新されています。手元が平成27年版なら、まず現在の町ページに掲載された図で確認し直してください。町の改訂説明

冊子の令和5年という年だけで、別掲載の資料も同じ想定だと判断しないでください。 雨水出水浸水想定区域図の指定日は令和8年3月31日です。図は令和5年度末の下水道整備状況を基に、想定最大規模降雨「1時間雨量153mm」による内水氾濫を計算しています。これは避難開始の雨量基準でも、実際に必ず降る雨量でもありません。冊子の河川洪水図が除外する内水を、この別図で追加確認する関係です。内水図・左上の説明文と基本事項

一方、岡崎のため池図は令和3年3月作成です。河川洪水・内水・ため池決壊は別の計算なので、色の濃さを比べて「新しい図の方が危険」「ダム完成で自宅が安全になった」とは判断できません。旧版と現行版の区域面積や個別地点の変化は、ここでは比較していません。

災害リスクの数値詳細:想定条件と図を確認する

図の数値や区域は、災害ごとの想定条件と合わせて読んでください。以下では、洪水の浸水深、土砂・ため池の危険、地震の想定を分けて確認します。

洪水:浸水深と家屋倒壊の区域を両方読む

冊子22ページの河川洪水の凡例は、0.0〜0.5m未満、0.5〜3.0m未満、3.0〜5.0m未満、5.0〜10.0m未満、10.0〜20.0m未満、20.0m以上の6階級です。凡例の最大階級は、自宅の想定浸水深ではありません。 自宅の位置の色を読み、避難先や経路の色も確認します。見方・索引図21〜22ページ

同じ図には、浸水深の色とは別に「河岸浸食および氾濫流により家屋倒壊のおそれがある区域」が点状の模様で示されています。上階が水面より高くても、建物が流れで倒れたり、地盤が削られたりする条件を見落とすと屋内安全確保を選べません。

例えば詳細図7(冊子35〜36ページ)では、箱島・岡崎周辺の吾妻川沿いの浸水の色と家屋倒壊のおそれの模様、斜面・沢に沿った土砂区域が同じ図に掲載されています。町境を越えた渋川市側も描かれているため、川沿いの着色全体を東吾妻町の範囲と取り違えないようにします。箱島の施設や岡崎の避難先を探す際も、施設の記号だけでなく周囲の色と経路を見てください。

土砂災害・ため池:川から離れていても別の危険を確認する

土砂災害警戒区域は黄色、特別警戒区域は赤色です。詳細図7では、吾妻川の洪水範囲から離れた箱島・岡崎の斜面側にも黄色や赤色が見られます。川からの距離だけで自宅の安全を決めず、背後の崖や近くの沢、避難経路を確認する必要があります。詳細図7

町の避難行動判定フローは、危険区域にある家から原則として立ち退く考え方を示しています。頑丈なマンション等の上層階に住む場合の例外もありますが、一般的な木造住宅で「2階があるから土砂にも安全」と置き換えることはできません。土砂災害警戒情報が出たときは、避難指示の発令がなくても情報を参考に早めに区域外の安全な場所へ避難することを、冊子8ページが案内しています。記事面3・8ページ

岡崎地区では、広場貯水池と岡崎第3調整池の下流も確認します。ため池図の赤い破線は広場貯水池、橙色の破線は岡崎第3調整池からの到達時間を表します。左下の歩行困難度は水深と流速の組合せによるものです。浅い色だけを見て「歩いて逃げられる」とは判断できません。到達時間は決壊後の計算上の時間で、警報が出てから避難に使える時間を保証しません。ため池図・到達時間凡例と歩行困難度

町は、防災重点ため池の選定を、ため池と家屋等の位置関係によるものと説明しています。指定されたこと自体が、直ちに決壊するという意味ではありません。防災重点ため池マップ・選定基準

地震:揺れやすさ図は一つの想定として読む

冊子11ページの震度分布図・液状化可能性分布図は、「関東平野北西縁断層帯主部(マグニチュード8.1)」を想定した図です。震度の色はこの地震条件での予測であり、今後30年の発生確率ではありません。液状化図の「液状化対象外」も、建物の安全や他の地震で被害がないことを保証しません。記事面11ページ

揺れている間は身を守り、収まってから火元・家族の安全を確認します。壊れた家に入らず、崖や落下物など周囲の危険も避けてください。大雨の避難先と地震時の集合場所は、家族用の防災メモに分けて書けます。冊子12〜13ページ・表紙裏の防災メモ

津波:資料の対象となる災害を確かめる

町の雨水出水浸水想定区域図は、1時間雨量153mmの雨で内水氾濫が発生した場合の予測図です。津波による浸水を示す資料として使うものではありません。図の名称だけでなく、説明文にある対象の災害と想定条件を確かめてください。内水図の説明文

避難:自宅にとどまる条件を災害別に決める

町の冊子3ページの避難行動判定フローは、屋内で安全を確保できる例外として、洪水による家屋倒壊・崩落のおそれが高い区域の外側にいること、浸水深より高いところにいること、水が引くまで耐えられる水・食料などの備えがあることを示しています。2階があるという理由だけでは足りません。19ページの避難の方法と、21ページの区域の説明も合わせて確認します。避難の方法19ページ・避難行動判定フロー3ページ

自宅・家族の条件 事前に決めておくこと 避けたい判断
河川洪水・内水の浸水が想定される 家屋倒壊等区域、居室の高さ、備えを確認。条件を満たさなければ安全な場所へ早めに立ち退く 浅い色や2階だけで残ると決める
土砂区域や崖・沢の近く 区域外の避難先と、崖・沢を避ける経路を用意する 洪水の屋内安全確保条件を、そのまま土砂へ当てはめる
岡崎のため池下流 ため池ごとの到達時間・水深・歩行困難度を確認し、浸水前に使う経路を決める 決壊を見てから図の到達時間分だけ待つ
高齢者など避難に時間がかかる人 危険な場所から警戒レベル3「高齢者等避難」で避難開始。同行者・移動手段も決める 警戒レベル4まで全員が待つ
移動がまだ安全にできる人 危険な場所から警戒レベル4「避難指示」までに避難する レベル5の発令を待つ

警戒レベルと行動は冊子2〜3ページに掲載されています。安全な親戚・知人宅、ホテル等も避難先になります。行き先について、浸水・土砂の危険がないかを確認したうえで、受け入れの相談をしておきましょう。

すでに災害が発生・切迫し、外への移動が安全にできない場合の「緊急安全確保」は、より高い場所や崖から離れた部屋など、その時点で相対的に安全な場所へ移る行動です。確実な安全を保証するものではなく、事前に立ち退く必要がある人が普段から選ぶ避難方法とは区別します。冊子19ページ

指定避難所:一覧と地図座標、開設情報を照合する

冊子20ページの「避難所等一覧」は、避難所、福祉避難所、公共施設などを区分しています。公共施設や要配慮者利用施設の全てを、誰でも入れる避難所と読み替えないでください。緑色の避難所記号と番号を詳細図で探します。

箱島地区では「東公民館箱島分館」が地図座標7-B-2、「東小学校」も7-B-2、岡崎の「東公民館岡崎分館」は7-B-4と記載されています。これは詳細図7の区画B、行2または4を探すための座標です。施設の住所と番号が一致するか確認し、自宅からの経路が洪水や土砂の区域を横切らないか読みます。一覧20ページ・詳細図7

一覧の記載だけでは、災害ごとの受け入れ可否や現在の開設状況は確定しません。東吾妻町総務課(0279-68-2111)へ「住所は○○、想定している災害は洪水/土砂、予定している施設は○○。その災害で使えるか、開設情報はどこで確認するか」と尋ねると確認事項が伝わります。ため池の想定図については町農林課(同じ代表番号)が窓口です。総務課・農林課

安全とは断定できません。河川図は内水や支川の決壊などを含まず、内水図も河川洪水と想定を超える雨を含みません。土砂区域も調査で把握された範囲であり、区域外の発生を否定していません。色のない場所でも、周囲より低い土地・崖や沢・経路上の危険を確認し、町の避難情報や気象情報と合わせて判断してください。見方21ページ・内水図の備考

普段の準備では、自宅の詳細図番号、災害ごとの避難先、使う経路、避難を始める情報を家族で一枚に書き出すと、必要な確認が具体的になります。まず公式ハザードマップから、自宅と避難先の位置を照合してください。

東吾妻町の自治体概要も、町についての情報を確認する入口になります。自宅・避難先・経路の危険や避難の条件は、このページで案内した町公式図と避難情報で確かめてください。