宇治市のハザードマップは、宇治川・木津川の洪水だけを見て終わりにせず、山科川や堂ノ川などの河川別図、土砂災害、避難施設の利用条件を合わせて確認します。木幡・六地蔵周辺なら山科川と堂ノ川、小倉周辺なら古川(井川・名木川含む)など、同じ場所を別の図で見直す必要があります。
まず市公式のハザードマップ一覧を開き、自宅・家族の通学先・避難先までの経路を探しましょう。以下のページ番号はPDFの通し番号ではなく、紙面に印刷された「宇治市くらしの便利帳」の番号です。
宇治市の公式ハザードマップを開く
市の公式ページには4つの分割PDFがあります。先に用途を選ぶと、必要な地図へ進めます。
| 確認したいこと | 開く公式資料と紙面ページ | 読むポイント |
|---|---|---|
| 避難の考え方、警戒レベル、地震 | 防災情報part1・36~47ページ | 36ページは避難の種類、37ページは警戒レベル、43~44ページは想定地震別の図 |
| 宇治川・木津川の洪水と土砂 | ハザードマップpart1・48~63ページ | 全体図48~49ページからA~Fの詳細図へ。62~63ページは浸水継続時間・家屋倒壊等氾濫想定区域 |
| 中小河川の洪水 | ハザードマップpart2・64~72ページ | 64山科川、65堂ノ川、66~67弥陀次郎川・戦川・新田川、68古川、69笠取川、70~71志津川、72長谷川 |
| 避難先と給水場所 | 防災情報part2・73~79ページ | 73~75ページの施設一覧で災害別の欄と注記を確認 |
宇治川・木津川の全体図には、市西側に広がる浸水想定と、東側の山地・斜面周辺の土砂災害区域が描かれています。全体図の枠に示されたA~Fとページ番号を使い、道路や学校、駅の位置を手がかりに詳細図で自宅を探します。色の境界付近は大きく表示して読み、区域外でも浸水が起こる可能性があるという図の注意書きを忘れないでください。
災害リスクの数値詳細:深さ・時間・家屋倒壊区域を別々に読む
洪水:河川ごとの想定条件と浸水の読み方
宇治川・木津川図の想定雨量は、宇治地点上流域の9時間総雨量356mm、加茂地点上流域の12時間総雨量358mmです(part1・48、63ページ)。山科川図は24時間雨量355mm、堂ノ川図は1時間雨量147mm、古川図は2時間雨量225mmです(part2・64、65、68ページ)。時間幅も対象流域も異なるため、数字の大小だけで危険度の順位を付けられません。これらは地図の計算条件であり、その雨量に達するまで避難を待つための基準ではありません。
最初に自宅の浸水深、次に避難路の低い場所、最後に避難先を確認します。宇治川・木津川図の凡例は0.5m未満、0.5~3.0m未満、3.0~5.0m未満、5.0~10.0m未満です。紙面の住宅の図は5m以上で2階部分も水没する目安を示しますが、実際に使える階は建物の高さや構造で異なります。
62~63ページでは、浸水深が0.5mになってから0.5mを下回るまでの最大時間を12時間・24時間・72時間の区分で示しています。さらに、河川の流れで家屋が倒壊するおそれのある「氾濫流」と、川岸の地盤が削られる「河岸侵食」の区域を示します。深さが浅く見えることだけで、自宅の上階に残れるとは判断できません。 家屋倒壊の区域、上階の高さ、長時間孤立した場合の水・食料・薬を合わせて確認します。
木幡・小倉・山間部では河川別図も重ねて確認
木幡・六地蔵周辺は、64ページの山科川と65ページの堂ノ川で浸水範囲が異なります。どちらにも「通行危険箇所⑧」のアンダーパスが示されているため、避難路がそこを通るなら別経路を準備します。小倉・伊勢田周辺では68ページの古川(井川・名木川含む)、72ページの長谷川も確認してください。
笠取では69ページ、志津川では70~71ページに洪水と土砂災害区域が一緒に示されています。川沿いから離れる経路が斜面の危険区域を通らないかまで見ます。図の内水氾濫区域は洪水の色とは別の模様です。河川の色がない場所も、排水が追いつかず浸水する可能性を確認します(内水と外水の違いはpart1・46ページ)。
指定避難所は距離より先に災害別の条件を確認
73ページの指定緊急避難場所は指定避難所も兼ね、災害時に最初に開設する施設として案内されています。74ページの指定避難所は、災害の長期化などで必要に応じて開設する施設です。掲載されていることと、いま開設されていることは別です。
| 確認例 | 公式一覧の記載 | 避難計画で必要な確認 |
|---|---|---|
| 木幡中学校へ洪水時に向かう | 73ページの洪水欄は「※」 | 注記では浸水想定区域内の3階建て以上の施設で、最上階への垂直避難が可能という意味。地上階での滞在を前提にしない |
| 御蔵山小学校へ向かう | 73ページは洪水・崖崩れ等・地震の欄にそれぞれ「○」 | 災害に対応する欄を確認し、そこへ至る道の浸水・土砂を別に確認 |
| 東宇治コミュニティセンターを候補にする | 74ページの土砂災害区域欄に「V」 | 土砂災害(特別)警戒区域内で、危険がある場合は使用を制限する施設という注記を読む |
洪水欄の「○」は浸水想定区域外という意味で、土砂・地震への対応や経路の安全まで一括して保証しません。空欄を自分の判断で利用可に読み替えず、市の開設情報を確認します。自宅で安全を確保できる場合の在宅避難、安全な親戚・知人宅への避難も市が示す選択肢です(part1・36ページ)。
37ページでは、危険な場所にいる高齢者等は警戒レベル3で避難し、警戒レベル4では危険な場所から全員避難するよう示しています。レベル5を待たず、移動に時間がかかる家族の準備を先に進めます。雨や水位は川へ見に行かず、市公式ページの防災情報リンクから確認してください。
災害ごとに建物と経路の条件を確認する
土砂災害:斜面の区域と避難経路を確認する
土砂災害は橙色の警戒区域と赤い斜線の特別警戒区域を読みます。笠取川・志津川の図には両方の区域が描かれているため、河川の浸水範囲だけを確認して終わりにしません。雨が弱まった後も土砂災害の危険は残ると市は説明しています(part1・41ページ)。斜面付近では警戒情報と避難情報を確認し、災害が起きる前に危険な区域から離れる計画を立てます。
地震:複数の想定で揺れと液状化を比べる
地震の43~44ページには、南海トラフ地震、黄檗断層地震、宇治川断層地震、生駒断層帯地震それぞれの震度分布と液状化危険度があります。一つの図だけを住所の「地震リスク」とせず、複数の想定で揺れと液状化を見比べます。これは特定の地震を想定した図で、30年以内の発生確率とは異なる情報です。
地震時はまず身を守り、揺れが収まった後に建物や周辺の状況を確認します。市の45ページでは家屋倒壊などのおそれがあれば避難し、避難時には電気のブレーカーを切ることなどを案内しています。洪水用の上階避難を、倒壊のおそれがある建物にそのまま当てはめないでください。
津波は集計値だけで判断しない
今回確認した市の4つの分割PDFには、津波浸水の地図は掲載されていません。防災DBの津波の市域集計だけを、他の災害も含めた安全の保証には使わないでください。海沿いへ出かける際は、行き先の自治体が公表する津波の浸水想定と避難場所を別に確認します。
関連ページ:古い便利帳と市の更新説明を照合する
2021年の更新説明資料によると、2018年版から地図の背景を航空写真から都市計画図へ変更し、浸水深・継続時間の表示色や、市境に隣接する市域外の浸水深表示も変更しています。古い冊子と色だけで比較せず、凡例と対象河川を照合してください。同資料では追加した長谷川図は70ページですが、現在の分割PDFでは72ページです。旧版のページ番号を現行版の案内に転用できません。
市公式ページの更新日と、各河川の浸水想定が作られた時点は同じとは限りません。さらに、防災DBの市域集計と市の地図は対象データや集計方法が異なります。「市域の割合」「最大浸水深」「区域数」などの数字を、公式図の上限や個別住宅の安全の根拠に置き換えないでください。
住所から家族の避難計画を確認する
自宅・避難先・経路を地図上で印し、河川別の浸水深、家屋倒壊区域、土砂災害区域、避難先の災害別欄を一組にして確認します。木幡の家庭なら山科川・堂ノ川の2図と施設一覧、小倉の家庭なら宇治川・木津川の図に古川などの図を加えます。
洪水時に最上階へ移れるか、階段で移動できない家族をどう支えるか、開設されなかった場合の安全な代替先も決めます。区域の境界や施設の利用条件を読み切れない場合は、市危機管理室(0774-22-3141)へ、住所、見ている資料のページ、災害種別、確認したい避難先を伝えて問い合わせてください。