東大阪市で自宅の水害を調べるときは、寝屋川流域の図、大和川・淀川の図、2025年指定の雨水出水の図を分けて確認します。川から水があふれる洪水と、排水が追いつかない内水では、同じ住所でも想定が異なります。山際では土砂災害とため池の決壊も重ねて見てください。
市全体の最大浸水深だけでは、自宅の上階に残れるか、避難先まで歩けるかは判断できません。自宅・避難先・途中の道を同じ位置で照合することが、避難計画の出発点です。
東大阪市の公式ハザードマップ
東大阪市防災ハザードマップ(洪水・土砂災害・ため池)には、寝屋川流域、大和川・淀川、防災重点ため池の資料が掲載されています。同ページから「e-まちマップ」のトップへ進み、「ハザードマップ」を選びます。図の選択画面には「寝屋川流域における洪水リスク表示図・土砂災害警戒区域図」「大和川・淀川浸水想定区域図」「ため池浸水想定区域図」の3種類があります。調べる災害に合う図を選び、公式PDFと位置を照合してください。2025年の雨水出水図はこの3種類の一覧とは別に開きます。
雨水出水については、別ページの雨水出水浸水想定区域の指定についてから「雨水出水浸水想定区域図(令和7年10月1日指定)」を開きます。PDF p.1は浸水深、p.2は浸水深0.5m以上が継続する時間の図です。p.2の凡例は「12時間未満」「12時間以上24時間未満」「24時間以上72時間未満」「72時間以上(3日間以上)」です。浅い冠水も含めた全ての浸水時間や、道路が通行可能に戻る時刻を示すものではありません。
ため池は、日下新池、豊浦山池、河内中池・河内山池、六万寺半堂池・下岡池、横小路今池・横小路新池、旗池の個別資料が公式ページにあります。近くに池がある場合は、その池の資料で決壊時の流れと到達時間を確認します。防災重点ため池への指定は「直ちに決壊する」という意味ではありません。
災害リスクの数値詳細:古い図と新しい指定図の条件
次の表は、市の「既存の各区域図との違いについて」と各図の説明を照合したものです。雨量は、時間幅と降雨範囲も含めて読みます。
| 資料 | 降雨・対象の条件 | 含む危険と読み方 |
|---|---|---|
| 寝屋川流域における洪水リスク表示図・土砂災害警戒区域図 | 想定最大規模138.1mm/時、683mm/24時間。寝屋川流域全体。平成30年度末の河道・治水施設等を前提 | 外水・内水の浸水を含む。土砂災害の区分、家屋倒壊等氾濫想定区域、避難施設の凡例も照合する |
| 大和川・淀川浸水想定区域図 | 大和川316mm/12時間、淀川360mm/24時間。それぞれの流域の雨を想定 | 外水氾濫。自宅の近くにその川がなくても、図上で自宅の位置を確認する |
| 雨水出水浸水想定区域図(2025年10月1日指定) | 147mm/時、390mm/24時間。東大阪市内のみの降雨、下水道事業計画区域を対象 | 内水氾濫のみ。河川の破堤・越水は含まない。浸水深と継続時間を別々に読む |
| ため池ハザードマップ | ため池の決壊に伴い貯水が瞬時に流出する想定 | 池ごとの浸水深と到達時間。河川の降雨想定とは別に点検する |
洪水と内水は、対象範囲を分けて読む
雨水出水図は、古い図をそのまま置き換える資料ではありません。市のQ&A集 p.2・Q8は、外水氾濫を考慮していないと明記しています。比較資料では、東大阪市では基本的に外水より先に内水が発生すると説明していますが、例外もあります。川の増水を待ってから準備する考え方では、排水の遅れによる浸水への備えが遅れる可能性があります。
また、市の2021年総合図が雨水出水を想定していることと、水防法に基づく雨水出水ハザードマップの作成状況は別です。市公式ページは、水防法に基づく雨水出水ハザードマップを「無」としつつ、2025年に雨水出水浸水想定区域を新たに指定したことを案内しています。「区域指定」と「避難情報などを載せたハザードマップの作成」を混同しないようにしてください。
「概ね1,000年に一度」の降雨は、今後1,000年間は起きないという意味ではありません。想定に用いた雨の規模を表す説明です。Q&A集 p.2・Q7では、着色がない場所でも浸水し、想定より深くなる可能性があるとしています。
災害別の避難条件を分ける
市の防災ハザードマップの複合ページ・避難説明(PDF p.1)では、警戒レベル3で避難に時間のかかる人と支援者、レベル4で危険な場所にいる全員が避難するよう説明しています。レベル5は、すでに災害が発生・切迫している状況です。避難情報が必ず順番に出るとは限らず、危険を感じたら発令前でも避難を開始します。
| 自宅・周辺の条件 | 平時に決める行動 | 避けたい判断 |
|---|---|---|
| 河川洪水・内水の浸水が想定される | 浸水深と居室の高さ、建物の安全、浸水継続時間を比較し、早い立退きか屋内安全確保かを検討する | 「2階がある」だけで残れると決める。道路の冠水後に歩いて避難する |
| 家屋倒壊等氾濫想定区域 | 立退き避難を基本に、区域外の安全な避難先と経路を用意する | 流れ・河岸侵食による建物被害を、上階への移動だけで避けられると考える |
| 土砂災害警戒区域など山際の危険 | 危険な場所から早めに立退く。日下町・石切周辺、山側の自宅や道も区域の表示を照合する | 浸水色がないから安全と決める。土砂災害時の上階待機を通常の避難計画にする |
| ため池の下流 | 池ごとの浸水範囲と到達時間を見て、危険範囲を避ける経路を決める | 到達時間を「避難を始めてよい残り時間」として使う |
土砂災害と家屋倒壊の区域では早い立退きを基本にする
屋内安全確保は、浸水を避けられる高さと建物の安全がある場合などに検討する行動です。市の啓発面は、土砂区域や家屋倒壊等氾濫想定区域では立退きを推奨しています。すでに移動が危険な場合に、斜面から離れた上階へ退避する説明もありますが、これは早い立退きが間に合わない局面の対応です。
例えば日下新池のため池ハザードマップ p.2は、満水時に決壊し、貯水が瞬時に流出するケースで、浸水深とおおよその到達時間を重ねています。到達時間は決壊後の目安で、いつ決壊するかの予測ではありません。実際の影響範囲も貯水状態、堤体の被害、土地利用で変わります。
指定避難所は今回の開設情報と照合する
避難先は避難所に限りません。安全が確認でき、受入れを相談できる親戚・知人宅も候補です。避難所を使う場合は、地図に載っていることだけで開設済みと考えず、市の避難情報で今回開く施設を確認してください。
住所・避難先・途中の道を確認する手順
- e-まちマップのトップで「ハザードマップ」を選び、3種類から寝屋川流域の図を選ぶ。または公式ページ掲載の寝屋川流域PDFを開き、自宅と避難先を探す。浸水深の色に加え、家屋倒壊等氾濫想定区域と土砂の区分を凡例で照合する。
- 大和川・淀川図でも同じ地点を見る。寝屋川流域図の色だけで水害を判断しない。
- 2025年の雨水出水図で、同じ地点の浸水深(p.1)と、0.5m以上の浸水が続く時間(p.2)を確認する。建物に残る計画なら、長く外へ出られない場合の食料・水・薬・トイレも考える。
- ため池の近くでは池ごとの図を追加する。自宅だけでなく、避難経路が浸水範囲や土砂区域を通らないか見る。
- 家族で「避難開始の目安」「避難先」「道が使えないときの代案」を決める。地図で危険が小さく見える道でも、現地で通行できる保証はない。
メモには「住所/使った図の正式名/浸水深の区分/継続時間/土砂・家屋倒壊区域/ため池の到達時間/避難先/経路」を残します。図ごとに一行ずつ書けば、違う想定の数値を足し合わせずに比較できます。
地図の位置や避難先の扱いが分からないときは、東大阪市危機管理室(06-4309-3130)へ、住所と図の名前を示し、「この場所はどの災害の避難対象として確認すべきか」「大雨時に開設情報をどこで確認するか」を尋ねてください。雨水出水の計算条件は、同指定ページのお問い合わせ先である上下水道局へ図名を添えて確認できます。
津波の市公式説明と旧集計値
市公式ハザードマップページは、東大阪市内に津波浸水想定が設定されておらず、津波災害警戒区域の指定もないと説明しています。これは、あらゆる災害から安全という保証ではありません。旧記事にあった「津波浸水0.2%・最大4m」は、この公式説明と整合する算出条件が確認できていないため、本稿では住所の安全判断の根拠に使いません。
地震は生駒断層帯と南海トラフの想定を分ける
地震については、東大阪市住宅・建築物耐震改修促進計画の本編の冊子p.38(PDF p.41)「想定される地震の概要」が、生駒断層帯地震を市に最も大きな影響を及ぼす直下型地震として説明し、南海トラフ巨大地震も別に扱っています。周辺断層を近い順に並べただけでは、この地域で備えるべき地震像を十分に説明できません。
同計画の冊子p.22(PDF p.25)「図-4 防災関連施設の分布状況」は、施設の配置を示す図です。震度分布図として読まないでください。地震後に使える施設や道は実際の被害で変わり、洪水の避難先と同じ場所がいつも適切とは限りません。
計画の冊子p.23(PDF p.26)「表-19 耐震化と減災化」は、建物の耐震改修と、家具固定・配置換えなどの日頃の備えを区別しています。地図を確認したら、寝室の家具や出口を点検し、建物の耐震性が分からなければ市の耐震相談へ進みましょう。市平均の揺れの確率や地盤値を、個々の住宅の耐震診断の代わりにはできません。
関連ページ・原典の確認先
水害の図と併せて、市の防災ハザードマップ案内、雨水出水の指定・Q&A、住宅・建築物の耐震改修促進計画を確認してください。図ごとの想定条件と日頃の備えを分けて見直せます。