上富田町で自宅や通勤・通学路の危険を調べるときは、2025年改訂版の「土砂災害洪水ハザードマップ」と、住所を検索できる町のWEB版を使います。富田川だけでなく、今回追加された新川・惣田川・生馬川などの浸水想定も確認してください。近くにため池がある場合は、池ごとの決壊想定図も別に必要です。

地図を開いたら、自宅の浸水深、家屋倒壊等氾濫想定区域、土砂災害警戒区域を確認し、次に避難先とそこへ至る道を調べます。「近い避難所」「色のない場所」だけで安全を決めず、災害の種類と建物の条件を合わせて判断することが大切です。

公式資料へ · 朝来周辺の見方 · 避難の条件 · 避難先の選び方

上富田町の公式ハザードマップ

資料 何を確認するか 使い分け
土砂災害洪水ハザードマップ(2025年改訂版) 洪水浸水深、土砂区域、避難先、避難行動 PDFの情報面P11~13で判断条件、P17・18で地図の位置と凡例を確認する
WEB版の案内/地図を開く 住所周辺の洪水・土砂災害、町内の避難所等 住所検索後、洪水と土砂を切り替えて拡大する。必要な範囲を印刷できる
上富田町ため池ハザードマップ 個々の池が決壊した場合の浸水範囲等 池名から該当PDFを選ぶ。河川洪水の図とは想定する原因が違う

町の2025年版には、急傾斜地の崩壊、土石流、地すべりの区域が示されています。土砂区域は改訂時点の情報のため、町は最新の区域をわかやま土砂災害マップで確認するよう案内しています。県のサイトでは指定済みと調査済・指定準備中の表示も区別してください。区域境界の詳しい確認は町や県の担当窓口へ相談します。

災害リスクの数値詳細と旧版からの改訂点

2020年版が扱っていた洪水の対象河川は富田川と馬川でした。2025年版では、和歌山県が2024年3月に新たに指定した新川・惣田川・生馬川・板木川・田熊川・岡川・根皆田川・清水谷川・汗川の9河川を反映しています。町は、対象河川が増え、浸水想定区域が拡大したと説明しています。以前の紙地図で色がなかった自宅や道も、現行版で見直す必要があります。

想定最大規模降雨の条件は河川ごとに違います。索引図P17の表では、富田川の水位周知区間は24時間総雨量838mm、生馬川・板木川・岡川(右支川)・田熊川・汗川・清水谷川・新川の各流域は1時間雨量140mm、惣田川・馬川・岡川・根皆田川の各流域は24時間総雨量1089mmです。同じ「mm」でも集計時間が異なるので、数字の大小だけで危険度を比べられません。岡川と岡川(右支川)も同じ条件としてまとめないでください。

これらは避難を始める雨量の基準ではありません。地図の被害想定を作るための条件です。「1,000年に1回程度」も、1,000年おきに起こる意味ではなく、年ごとの発生確率を表した説明です。日々の避難は、町の避難情報、気象情報、河川の状況を使って判断します。

町の改訂説明によると、地図は河川ごとの計算結果の浸水深の最大値を使っています。複数河川の同時氾濫、想定を超える雨、内水や高潮による氾濫等をすべて含んだ図ではありません。色のない範囲でも浸水が起こり得ます。

朝来周辺では川沿いと斜面を一緒に見る

地図面P21・22は、朝来駅、国道42号、新川・惣田川、富田川、南紀の台周辺を含みます。新川・惣田川沿いから富田川に近い低地には浸水深の色があり、周辺の斜面には土砂災害区域の輪郭や網掛けもあります。川から離れる経路を考える場合も、その先が斜面の土砂区域に入らないか確認してください。

例えば朝来駅周辺から避難する計画では、駅や道路の名前を目印に自宅を探し、浸水深の色に加えて、青・赤の破線で示された家屋倒壊等氾濫想定区域、斜面の区域、橋や水路を順に見ます。町内の広い浸水範囲を示す図から、特定の住宅の深さや安全性を一律に決めることはできません。

家屋倒壊等氾濫想定区域と浸水継続時間の表示は、富田川と馬川のみです。これは「地図の見方・使い方」P18の注記です。新たに追加された河川沿いでこれらの表示がないことを、家屋倒壊や長時間浸水のおそれがないという意味に読み替えないでください。

P17の索引図で自宅を含む枠を探し、そのページのPDFへ進みます。P18では浸水深が0~0.5m未満、0.5~1m未満、1~2m未満、2~3m未満、3~5m未満、5~10m未満、10~20m未満、20m以上に分かれています。凡例の最上段が20m以上であることは、町内の全住宅がその深さになる意味でも、町内で実測した最大値でもありません。

洪水で避難する条件

次の表は町の情報面P11~13のフローと説明を、事前に決める条件として整理したものです。発災中の個別の安全を保証する表ではありません。

自宅で確認した条件 平時に決める避難方針 特に注意する点
洪水の家屋倒壊等氾濫想定区域内 早めの立退き避難を計画する 上階があっても建物自体への危険を避けられるとは限らない
洪水の浸水深0.5~3m未満で、2階以上の建物 家屋倒壊等氾濫想定区域外なら、町のフロー上は屋内安全確保の選択肢 浸水しない高さ、土砂の危険、孤立中の生活を別に確認する
洪水の浸水深3~5m未満で、3階以上の建物 家屋倒壊等氾濫想定区域外なら、町のフロー上は屋内安全確保の選択肢 「2階があるから大丈夫」と判断しない
上記で必要な上階がない、または浸水深5m以上 立退き避難を計画する 道が浸水する前に移動できる行き先と時機を決める
土砂災害警戒区域・特別警戒区域内 原則として立退き避難を計画する 洪水で上階に残れる条件でも、土砂の危険が重なれば別判断が必要

P11の洪水フローでは浸水深0.5m未満も屋内安全確保の経路につながりますが、浅い色だけで歩行避難の安全を保証するものではありません。

土砂災害で避難する条件

P12の土砂フローには、十分堅牢なマンション等の上層階では自宅で安全確保する例外もあります。構造や位置が分からない住宅へ、この例外を当てはめないでください。

避難を終える時機と逃げ遅れたとき

立退き避難が必要で、本人や一緒に避難する家族の移動に時間がかかる場合は、警戒レベル3「高齢者等避難」で避難します。それ以外の危険な場所にいる人も、警戒レベル4「避難指示」までに必要な避難を終えます。町の情報面P4は、台風などにより暴風が予想される場合、暴風が吹き始める前までに避難を完了するよう示しています。警戒レベル5を待つ計画にしないでください。

すでに浸水して外へ出ることが危険になった場合、P13は屋内のより高い場所で安全を確保する行動を示しています。土砂災害で逃げ遅れた場合は、少しでもがけから離れた上階の部屋などを考えます。これらは切迫した状況で命を守るための行動であり、事前の立退き避難に代わる安全保証ではありません。

指定避難所は災害別の使用区分まで読む

町の情報面P5は、命を守るために緊急に逃げる「指定緊急避難場所」と、帰宅できなくなった人が一定期間滞在する「指定避難所」を区別しています。「拠点避難所」は風水害のおそれがあるときに優先して開設する施設で、P6では赤字の施設名です。指定されていることと、今開設されていることは別です。

P6「上富田町拠点避難所、指定緊急避難場所、指定避難所一覧」は令和7年3月時点の資料です。施設名の右側に、風水害の安全レベル、土砂災害の使用区分、洪水・浸水の使用区分、地震の区分があります。一覧の○を横に読み、どの災害に対応する○なのかを確かめます。

具体例では、朝来小学校は安全レベルが☆☆☆で、土砂災害と洪水・浸水の使用区分に○があります。一方、朝来コミュニティセンターは拠点避難所ですが安全レベルは☆です。P6の定義では、☆の施設は大規模災害が想定される場合に事前に開設しないことがあり、開設しても危険が迫れば閉鎖する可能性があります。拠点避難所という名称だけで、すべての大雨に使えると考えないでください。

南紀の台公民館は安全レベル☆☆☆、土砂災害と洪水・浸水の使用区分に○がありますが、南紀白浜わんわんパラダイス敷地内は地震の指定緊急避難場所に○があり、風水害の欄に同じ指定はありません。P21・22の地図にはどちらも避難施設の記号があります。同じ地図に避難記号があっても、洪水時の行き先として同じ扱いにしないことが、この地域での確認点です。

P6の索引番号でP19~42の地図へ移り、施設までの道の浸水や土砂区域を確認します。朝来小学校はP22 H-3、朝来コミュニティセンターはP22 G-4、南紀の台公民館はP21 C-4です。避難先の安全レベルが高くても、そこへ至る道が安全とは限りません。被災のおそれのない親戚・知人宅等への分散避難も、町のP5が示す選択肢です。

ため池は河川洪水とは別に確認する

町のため池ページは平成27年度、平成29年度、令和2年度作成の図を池名別に掲載しています。2025年の河川洪水改訂と、ため池図の作成年を混同しないでください。

例として「しがての池ハザードマップ」のPDF2ページ目には、生馬のしがての池と周囲の道、想定される浸水深、氾濫水の最大流速、決壊後の到達時間の図があります。到達時間図には3分後などの表示がありますが、地図上の位置に応じた計算結果です。実際の決壊を察知してから必ず3分の猶予があるという意味ではありません。

洪水の色だけを見て避難路を決める前に、池の下流に自宅や通行路がないか、該当するため池図でも確認します。地震や大雨の際は池へ様子を見に行かず、町の情報を確認して、池から離れた安全な場所へ移動する計画を立ててください。同PDF1ページ目は揺れが収まった後、高台やため池から離れた場所へ避難するよう示しています。

地図を見たあとに家族で決めること

  1. WEB版で自宅を探し、洪水と土砂の両方を切り替えて確認する。PDFはP17の索引から該当ページを選ぶ。
  2. 浸水深だけでなく、家屋倒壊等氾濫想定区域と土砂区域を記録する。P18の表示対象が富田川・馬川に限られる項目にも注意する。
  3. P6の使用区分と安全レベルから、必要な災害に対応する避難先を選び、別の行き先も考える。開設状況は町の発表で確認する。
  4. 平時に経路を歩き、橋、水路、側溝、マンホール、がけ沿いの道を確認する。町のP7は複数の経路を検討するよう示している。
  5. 支援が必要な家族の出発時機、連絡方法、薬や備蓄を決める。洪水で自宅に残る選択をする場合も、浸水が長引いたときの生活を考える。

防災行政無線が聞き取れなかったときは、町の情報面P3にある自動応答サービス 0739-47-0660 で新しい放送から内容を確認できます(通話料がかかります)。地図の見方、避難先や開設情報について不明な点は上富田町総務課(代表 0739-47-0550)、ため池図は建設課建設班(0739-34-2374)へ、住所、池名、確認したい災害、候補の避難先を伝えて問い合わせてください。

よくある疑問

2020年版を持っています。買い替えが必要ですか?

町の公式サイトで2025年版の該当地区PDFを入手し、今の自宅と経路を確認してください。富田川・馬川以外の9河川が追加されており、古い図で色がないことを理由に避難不要とは判断できません。WEB版も2025年版へ更新されたと町が案内しています。

地震ではどんな危険に備えますか?

地震の揺れ、建物の倒壊、土砂災害、ため池決壊は別の危険です。

津波の浸水割合が0%なら、地震にも備えなくてよいですか?

この洪水・土砂の地図から、地震や津波の個別の安全を判定することはできません。町外の海岸などへ出かけるときも、その場所の津波情報と避難先を別に確認してください。

町全体の集計値や代表値は、各住宅の浸水深や建物の安全を示すものではありません。公式地図の住所周辺を拡大し、対象河川と想定条件、土砂区域、避難先まで読む必要があります。地図の境界や建物の構造が不明な場合は、数値だけで屋内に残る判断をせず、町へ具体的な場所と条件を確認してください。

上富田町の防災情報では、町の情報を確認できます。このページで使う資料は、町の2025年改訂版ハザードマップ、WEB版の案内、ため池図です。公式地図の著作権は各発行元に帰属します。