愛媛県松山市の災害リスク

この記事では、松山市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。松山市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 松山市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

松山市(愛媛県)の人口は約498,626人(2025年推計)。標高は平均57.2mで、最低0.0mから最高802.0mの範囲です。


松山市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 松山市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

松山市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が69.15%、市域の49.6%が洪水浸水想定区域、11.0%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が168箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「松山市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。松山市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 松山市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

松山市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大69.15%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は377.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

松山市のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は1.09倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。

30年確率が26%以上と非常に高い値です。これは「30年間に震度6弱以上の揺れを経験する可能性が約4分の1以上」という意味です。耐震診断をまだ受けていない場合は、自治体の耐震診断補助制度の利用を検討してください。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

松山市では、9,752個の125mメッシュのうち4,836メッシュ(49.6%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 10.0m
浸水想定メッシュ数 4,836 / 9,752 メッシュ(49.6%)
最大浸水継続時間 168時間(約7日間)
対象河川 小野川、払川、明神川、権現川、河野川、片平川、石手川、立岩川、粟井川、郷谷川、重信川、高山川(12河川)

想定最大浸水深が10.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

浸水継続時間が最大168時間(約7日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「松山市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(7日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

松山市では、9,752メッシュのうち1,072メッシュ(11.0%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。

想定最大浸水深が5.0mで、2階建て建物を超える津波が想定されています。沿岸部にいるときに強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに高台へ避難しましょう。「津波てんでんこ」(各自がすぐに逃げる)の考え方が重要です。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「松山市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


土砂災害リスク

松山市には168箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。9,752メッシュのうち9,673メッシュ(99.2%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、松山市で5件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ5件、土石流0件、地すべり0件)。

市域の大部分が土砂災害警戒区域にかかっています。山際や谷の出口付近にお住まいの方は、自宅が警戒区域に含まれるかどうか、都道府県の土砂災害警戒区域マップで確認してください。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「愛媛県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

松山市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 松山市からの距離 想定M
中央構造線断層帯(根来区間~伊予灘区間が同時に活動) 0.1km M7.8
中央構造線断層帯(根来区間~豊予海峡-由布院区間が同時に活動) 0.1km M7.8
中央構造線断層帯(石鎚山脈北縁区間~豊予海峡-由布院区間が同時に活動)(傾斜角90度) 0.1km M7.7

最寄りの活断層(中央構造線断層帯(根来区間~伊予灘区間が同時に活動))との距離が0.1kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 1,406mm
1月平均気温 5.9℃
8月平均気温 27.2℃

土地利用

建物用地が46.9%、森林が14.7%、農地が32.9%を占めています。

人口集中地区(DID)

人口集中地区の人口は427,540人、人口密度は6,056人/km²です。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 610箇所
消防署 11箇所
学校 207校
福祉施設 2869施設
警察署 38箇所

最寄りの避難施設は「松山市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


松山市の自然災害伝承碑

松山市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が6基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
豫州(よしゅう)溺死者招魂碑 1884年 明治17年台風(1884年8月) 高潮
大可賀溺死者招魂碑 1886年 明治17年台風(1884年8月) 高潮
立岩川洪水碑 1889年 明治19年洪水(1886年9月) 洪水
供養塔 1953年 昭和27年梅雨前線による大雨(1952年7月10日) 洪水・土砂災害
災害復旧記念 1958年 昭和27年梅雨前線による大雨(1952年7月10日) 洪水
北温海岸防波堤竣工記念 1962年 昭和南海地震(1946年12月21日) 昭和25年台風(1950)ほか 高潮・地震

伝承内容

豫州(よしゅう)溺死者招魂碑(1884年建立)

明治17年(1884)8月25日に襲った台風は、県内海岸部に高潮による被害をもたらし、大可賀・三津浜を中心に280名以上が溺死したと伝えられている。風化によりすべてを読み取ることは難しいが、当日の風向きの変化、怒濤のように海水が流入した様子、多くの溺死者が漂う状況が碑文から垣間見られる。

  • 所在地: 愛媛県松山市元町
  • 災害: 明治17年台風(1884年8月)
  • 災害種別: 高潮
  • 地図: 33.85912, 132.71877

大可賀溺死者招魂碑(1886年建立)

明治17年(1884)8月25日に襲った台風は、県内海岸部に高潮による被害をもたらした。大可賀新田では、北西の堤防が決壊により一帯は海となり、戸数約70戸のうち溺死者50名以上、家屋流失49戸、田畑流失約53ヘクタールの大きな被害を被った。

  • 所在地: 愛媛県松山市大可賀2
  • 災害: 明治17年台風(1884年8月)
  • 災害種別: 高潮
  • 地図: 33.85256, 132.71450

立岩川洪水碑(1889年建立)

明治19年(1886)9月24日-25日、猛烈な風雨により立岩川の堤防が決壊し大洪水となった。激流は樹木や岩を押し流し才ノ原に至り湖のようになった。家ごと圧死した者、溺死した者、家を失った者は数知れない。被害は下流沿岸まで及び、家族を山に避難させ家に残った者は流された。

  • 所在地: 愛媛県松山市才之原
  • 災害: 明治19年洪水(1886年9月)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 33.97363, 132.81530

供養塔(1953年建立)

昭和27年(1952)7月10日の集中豪雨により、高浜地区では山崩れが発生、9名の命が奪われた。この塔の背面には9名の氏名などが刻まれている。

  • 所在地: 愛媛県松山市高浜町一丁目乙60-290地先
  • 災害: 昭和27年梅雨前線による大雨(1952年7月10日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 33.88179, 132.70288

災害復旧記念(1958年建立)

昭和27年(1952)7月10日夕刻から降り続いた豪雨により、上山池の土手決壊が発生した。菅沢町では、濁流により水田約10ヘクタールが押し流され、家屋3戸が流失、さらに当時6歳の女の子の命が奪われた。

  • 所在地: 愛媛県松山市菅沢町甲244-1
  • 災害: 昭和27年梅雨前線による大雨(1952年7月10日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 33.90264, 132.81422

北温海岸防波堤竣工記念(1962年建立)

松山市堀江町から浅海町に至る約15kmの海岸は、標高3~4mの石積堤防又は天然海岸で、度々高潮被害を受けてきたが、昭和21年(1946)12月の昭和南海地震により約60cmの地盤沈下が生じ、その後の昭和25年(1950)、27年(1952)、29年(1954)の相次ぐ台風により大きな被害を生じた。

  • 所在地: 愛媛県松山市北条辻
  • 災害: 昭和南海地震(1946年12月21日) 昭和25年台風(1950)ほか
  • 災害種別: 高潮・地震
  • 地図: 33.97423, 132.77007

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

松山市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、松山市内の最大値で69.15%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

松山市は洪水の危険がある?

松山市の9,752メッシュのうち4,836メッシュ(49.6%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

松山市に津波は来る?

松山市の1,072メッシュ(11.0%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

松山市の土砂災害警戒区域は?

松山市には168箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、愛媛県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

松山市の避難場所はどこ?

松山市には610箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「松山市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:松山市の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が69.15%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:4,836メッシュ(49.6%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大5.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

  • 土砂災害:168箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。松山市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。