東京都江東区の災害リスク
この記事では、江東区の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。江東区内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。
この記事でわかること
- 江東区の地震発生確率と地盤の特徴
- 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
- 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
- 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
- 避難施設・防災インフラの情報
- 今日からできる災害別の具体的な備え
江東区(東京都)の人口は約547,596人(2025年推計)。標高は平均0.6mで、最低-3.0mから最高6.6mの範囲です。
江東区の災害リスクについて よくある疑問
Q. 江東区は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?
江東区の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が86.47%、市域の91.0%が洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域が34箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。
Q. 「江東区は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?
「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。江東区の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。
Q. 江東区に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?
自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。
- 洪水浸水想定区域と想定浸水深
- 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
- 土砂災害(特別)警戒区域
- 活断層からの距離
防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。
地震リスク
江東区で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大86.47%です(2024年版全国地震動予測地図)。
震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。
表層地盤の平均S波速度(AVS30)は166.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。
江東区のAVS30は200m/s未満であり、揺れが増幅されやすい軟弱地盤のエリアを含みます。地盤増幅率は2.12倍です。自宅や職場の耐震性を確認し、家具の固定や転倒防止対策を優先的に行いましょう。
30年確率が26%以上と非常に高い値です。これは「30年間に震度6弱以上の揺れを経験する可能性が約4分の1以上」という意味です。耐震診断をまだ受けていない場合は、自治体の耐震診断補助制度の利用を検討してください。
今日からできる地震対策
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家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先
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寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える
-
枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く
-
食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける
-
感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する
洪水リスク
江東区では、1,564個の125mメッシュのうち1,423メッシュ(91.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 想定最大浸水深 | 5.0m |
| 浸水想定メッシュ数 | 1,423 / 1,564 メッシュ(91.0%) |
| 最大浸水継続時間 | 336時間(約14日間) |
| 対象河川 | 旧中川、荒川、隅田川(3河川) |
市域の半分以上が浸水想定区域にあり、想定最大浸水深は5.0mと2階建て家屋の屋根を超える水位です。自宅がこの範囲に含まれる場合、自宅内での垂直避難(2階へ上がる)では不十分な可能性があります。最寄りの高台や浸水想定区域外の避難場所を事前に確認し、大雨時には早めの水平避難を計画しておきましょう。
浸水継続時間が最大336時間(約14日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。
今日からできる洪水対策
-
ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「江東区 ハザードマップ」で検索
-
「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する
-
避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を
-
備蓄品の準備:飲料水・食料(14日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する
津波リスク
江東区には津波浸水想定区域のデータがありません。
高潮リスク
江東区では、1,564メッシュのうち1,452メッシュ(92.9%)が高潮浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。
広範囲に高潮の影響が想定されています。台風接近時には、高潮警報・高潮特別警報に注意し、沿岸部や低地からは早めに避難しましょう。
土砂災害リスク
江東区には34箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。1,564メッシュのうち0メッシュ(0%)がこれらの区域に含まれています。
今日からできる土砂災害対策
-
警戒区域の確認:「東京都 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する
-
前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる
-
避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する
-
就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる
活断層
江東区の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。
| 断層名 | 江東区からの距離 | 想定M |
|---|---|---|
| 立川断層帯 | 29.0km | M6.8 |
| 深谷断層・綾瀬川断層(全体が同時に活動) | 33.0km | M7.5 |
| 深谷断層・綾瀬川断層(鴻巣-伊奈区間と伊奈-川口区間が同時に活動) | 33.0km | M7.0 |
地域の特徴
気候
| 項目 | データ |
|---|---|
| 年間降水量 | 1,462mm |
| 1月平均気温 | 5.8℃ |
| 8月平均気温 | 27.0℃ |
| 最深積雪 | 3cm |
土地利用
建物用地が74.6%、森林が2.2%、農地が0.0%を占めています。
人口集中地区(DID)
人口集中地区の人口は524,310人、人口密度は12,196人/km²です。
避難施設・防災インフラ
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 避難施設 | 185箇所 |
| 消防署 | 11箇所 |
| 学校 | 136校 |
| 福祉施設 | 594施設 |
| 警察署 | 31箇所 |
最寄りの避難施設は「江東区 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。
江東区の自然災害伝承碑
江東区には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が10基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。
| 碑名 | 建立年 | 災害名 | 災害種別 |
|---|---|---|---|
| 波除碑 | 1794年 | 高潮(1791年9月4日(旧暦)) | 高潮 |
| 波除碑 | 1794年 | 高潮(1791年9月4日(旧暦)) | 高潮 |
| 大正六年海嘯横死者供養塔 | 1917年 | 高潮(1917年10月1日) | 高潮 |
| 砂村波除地蔵由来碑 | 1918年 | 高潮(1917年10月1日) | 高潮 |
| 地蔵菩薩大慈大悲碑 | 1925年 | 関東大震災(1923年9月1日) | 地震 |
| 蔵魄塔・関東大震災殃死者慰霊塔 | 1925年 | 関東大震災(1923年9月1日) | 地震 |
| 大震火災殃死者霊追悼供養塔 | 1930年 | 関東大震災(1923年9月1日) | 地震 |
| 関東大震災横死者供養塔 | 1935年 | 関東大震災(1923年9月1日) | 地震 |
| 大震災殃死者紀念碑 | 1935年 | 関東大震災(1923年9月1日) | 地震 |
| 復興記念碑 | 1936年 | 関東大震災(1923年9月1日) | 地震 |
伝承内容
波除碑(1794年建立)
寛政3年(1791)9月3日に大雨が降り始め、翌日午前中の満潮時に暴風雨となり、深川洲崎一帯は高潮によって洲崎弁天や町場が流されて多数の死者・行方不明者が出た。このため一帯を明地とし、寛政6年12月に両端に碑を建てて後の水害に備えた。
- 所在地: 東京都江東区木場6-13-13
- 災害: 高潮(1791年9月4日(旧暦))
- 災害種別: 高潮
- 地図: 35.66847, 139.80729
波除碑(1794年建立)
寛政3年(1791)9月3日に大雨が降り始め、翌日午前中の満潮時に暴風雨となり、深川洲崎一帯は高潮によって洲崎弁天や町場が流されて多数の死者・行方不明者が出た。このため一帯を明地とし、寛政6年12月に両端に碑を建てて後の水害に備えた。
- 所在地: 東京都江東区牡丹3-33(平久橋西詰橋台地)
- 災害: 高潮(1791年9月4日(旧暦))
- 災害種別: 高潮
- 地図: 35.66840, 139.80152
大正六年海嘯横死者供養塔(1917年建立)
大正6年(1917)9月30日から10月1日未明にかけて東京地方を襲った台風により沿岸地帯は高潮に見舞われ、江東区のほぼ全域が床上浸水の被害を受けた。犠牲者147名の慰霊のために本碑が建立された。
- 所在地: 東京都江東区北砂4-22-6
- 災害: 高潮(1917年10月1日)
- 災害種別: 高潮
- 地図: 35.67923, 139.83166
砂村波除地蔵由来碑(1918年建立)
大正6年(1917)9月30日から10月1日未明にかけて東京地方を襲った台風により沿岸地帯は高潮に見舞われ、江東区のほぼ全域が床上浸水の被害を受けた。多数の犠牲者を供養するために地蔵尊を祀った旨の由来碑が大正7年3月に建立された。
- 所在地: 東京都江東区南砂2-23-9
- 災害: 高潮(1917年10月1日)
- 災害種別: 高潮
- 地図: 35.67391, 139.82539
地蔵菩薩大慈大悲碑(1925年建立)
大正12年(1923)9月1日の大震火災は、首都圏に死者10万人、住居焼失者200万人を超える日本の地震災害史上最大の被害をもたらした。本碑は横死した49名の供養のため、大正14年8月24日に建立された。
- 所在地: 東京都江東区富岡1-15-1
- 災害: 関東大震災(1923年9月1日)
- 災害種別: 地震
- 地図: 35.67205, 139.79794
蔵魄塔・関東大震災殃死者慰霊塔(1925年建立)
大正12年(1923)9月1日の関東大震災は、首都圏に死者10万人、住居焼失者200万人を超える日本の地震災害史上最大の被害をもたらした。浄心寺境内は臨時火葬所となり、大正14年8月30日に設置された塔内に遺灰が納められた。五十回忌供養にあたり昭和48年に新たな碑が建立された。
- 所在地: 東京都江東区平野2-4-25
- 災害: 関東大震災(1923年9月1日)
- 災害種別: 地震
- 地図: 35.67825, 139.80153
大震火災殃死者霊追悼供養塔(1930年建立)
大正12年(1923)9月1日に発生した関東大震災の火災の当時、旧大島町に居住していた80名余りが、旧大島川(現在の大横川の一部)一帯、旧陸軍糧秣本廠(りょうまつほんしょう)の水門口等において、思いがけない災難で亡くなった。
- 所在地: 東京都江東区永代二丁目
- 災害: 関東大震災(1923年9月1日)
- 災害種別: 地震
- 地図: 35.67159, 139.79220
関東大震災横死者供養塔(1935年建立)
大正12年(1923)9月1日の関東大震災は、首都圏に死者10万人、住居焼失者200万人を超える日本の地震災害史上最大の被害をもたらした。本碑は横死者の供養のために建立された。
- 所在地: 東京都江東区東陽3-8-11(沢海橋第二児童遊園)
- 災害: 関東大震災(1923年9月1日)
- 災害種別: 地震
- 地図: 35.66949, 139.80905
大震災殃死者紀念碑(1935年建立)
大正12年(1923)9月1日の関東大震災は、首都圏に死者10万人、住居焼失者200万人を超える日本の地震災害史上最大の被害をもたらした。本碑は横死者の十三回忌にあたって昭和10年(1935)9月1日に建立された。
- 所在地: 東京都江東区白河2-7-10
- 災害: 関東大震災(1923年9月1日)
- 災害種別: 地震
- 地図: 35.68202, 139.80359
復興記念碑(1936年建立)
大正12年(1923)9月1日に発生した関東大震災により本殿及び建造物が跡形もなく消え去り、七渡神社、絵馬舎だけが被害を免れた。旧深川区では、全壊家屋5,498世帯、消失家屋40,743世帯、死者4,139名の被害となった。
- 所在地: 東京都江東区富岡一丁目(富岡八幡宮)
- 災害: 関東大震災(1923年9月1日)
- 災害種別: 地震
- 地図: 35.67201, 139.79938
出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)
よくある質問
江東区で大地震が起きる確率は?
今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、江東区内の最大値で86.47%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。
江東区は洪水の危険がある?
江東区の1,564メッシュのうち1,423メッシュ(91.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。
江東区の土砂災害警戒区域は?
江東区には34箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、東京都の土砂災害警戒区域マップで確認できます。
江東区の避難場所はどこ?
江東区には185箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「江東区 避難場所」で検索して確認できます。
まとめ:江東区の防災で押さえておきたいこと
-
地震:30年以内に震度6弱以上の確率が86.47%。家具の固定と耐震性の確認を
-
洪水:1,423メッシュ(91.0%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認
防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。江東区内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。
データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。