神奈川県箱根町の災害リスク

この記事では、箱根町の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。箱根町内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 箱根町の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

箱根町(神奈川県)の人口は約10,510人(2025年推計)。標高は平均595.2mで、最低53.3mから最高997.7mの範囲です。

2040年には現在の70%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。


箱根町の災害リスクについて よくある疑問

Q. 箱根町は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

箱根町の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が41.0%、市域の15.0%が洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域が114箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「箱根町は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。箱根町の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 箱根町に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

箱根町で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大41.0%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は436.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

箱根町のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は0.93倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。

30年確率が26%以上と非常に高い値です。これは「30年間に震度6弱以上の揺れを経験する可能性が約4分の1以上」という意味です。耐震診断をまだ受けていない場合は、自治体の耐震診断補助制度の利用を検討してください。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

箱根町では、1,144個の125mメッシュのうち171メッシュ(15.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は20.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 20.0m
浸水想定メッシュ数 171 / 1,144 メッシュ(15.0%)
最大浸水継続時間 72時間(約3日間)
対象河川 早川、芦の湖、須雲川(3河川)

想定最大浸水深が20.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

浸水継続時間が最大72時間(約3日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「箱根町 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(3日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

箱根町には津波浸水想定区域のデータがありません。


土砂災害リスク

箱根町には114箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。1,144メッシュのうち297メッシュ(26.0%)がこれらの区域に含まれています。

また、竜巻等の突風が2件記録されています(国土数値情報・竜巻等突風データ)。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「神奈川県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

箱根町の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 箱根町からの距離 想定M
北伊豆断層帯 0.6km M6.8
平山-松田北断層帯 10.2km M6.8
秦野断層帯 12.1km M6.7

最寄りの活断層(北伊豆断層帯)との距離が0.6kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 3,176mm
1月平均気温 1.6℃
8月平均気温 22.4℃
最深積雪 22cm

年間降水量が3,176mmと全国平均(約1,700mm)を大きく上回る多雨地域です。集中豪雨による浸水や土砂災害のリスクが高まりやすく、梅雨・台風シーズンには河川水位や気象情報をこまめに確認しましょう。

土地利用

建物用地が28.4%、森林が66.4%、農地が0.6%を占めています。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 28箇所
消防署 5箇所
学校 12校
福祉施設 19施設
警察署 8箇所

最寄りの避難施設は「箱根町 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


箱根町の自然災害伝承碑

箱根町には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が10基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
関東大震災供養塔 1923年 関東大震災(1923年9月1日) 地震
箱根温泉村新道碑 1924年 関東大震災(1923年9月1日) 地震
震災遭難者追悼句碑 1926年 関東大震災(1923年9月1日) 土砂災害・地震
豆相大震災殃死者霊位 1931年 北伊豆地震(1930年11月26日) 土砂災害・地震
箱根町上水道竣功記念碑 1931年 北伊豆地震(1930年11月26日) 土砂災害・地震
水神 1949年 アイオン台風(1948年9月16日) 洪水・土砂災害
延命地蔵菩薩 1949年 アイオン台風(1948年9月16日) 洪水
弔魂碑 1951年 アイオン台風(1948年9月16日) 土砂災害
供養塔 1954年 土砂災害(1953年7月26日) 土砂災害
早雲山地すべり復旧工事完成記念碑 1967年 土砂災害(1953年7月26日) 土砂災害

伝承内容

関東大震災供養塔(1923年建立)

大正12年(1923)9月1日に発生した関東大震災により、旧仙石原村出身者3名が村外で亡くなった。石碑が建てられている長安寺には、関東大震災で山門や墓地の石碑、石塔が倒壊した事や旧仙石原村では家屋の全壊26戸半、半壊63戸の被害が発生した事、地震は、強震15回、微震が45回であった事などの記録が残されている。

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原82
  • 災害: 関東大震災(1923年9月1日)
  • 災害種別: 地震
  • 地図: 35.27343, 139.01284

箱根温泉村新道碑(1924年建立)

大正12年(1923)9月1日に発生した関東大震災は、蛇骨川に架かる八千代橋を落橋させた。周辺の旅館やホテルは、がけ崩れにより谷底へ崩落、激震のため倒壊した。旧温泉村では焼失30戸、全壊74戸、半壊121戸、死者24名、行方不明者15名の被害が発生した。新たな八千代橋は、大正14年に完成した。

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町底倉556
  • 災害: 関東大震災(1923年9月1日)
  • 災害種別: 地震
  • 地図: 35.24478, 139.05717

震災遭難者追悼句碑(1926年建立)

大正12年(1923)9月1日に発生した関東大震災により、早雲寺の周辺では山崩れが起こり、一家6名が生き埋めとなった。旧湯本村では家屋477戸の内、全壊50戸、半壊373戸、死者41名、行方不明者6名の被害が発生した。

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町湯本405
  • 災害: 関東大震災(1923年9月1日)
  • 災害種別: 土砂災害・地震
  • 地図: 35.22986, 139.10360

豆相大震災殃死者霊位(1931年建立)

昭和5年(1930)11月26日の早朝、丹那盆地付近を震源としたマグニチュード7.3の北伊豆地震が発生した。この地震により土砂崩れが発生し、御料局(当時)の造林作業に従事していた人たちの宿舎が芦ノ湖へ押し流され、8名が犠牲となった。

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町箱根
  • 災害: 北伊豆地震(1930年11月26日)
  • 災害種別: 土砂災害・地震
  • 地図: 35.19662, 139.00518

箱根町上水道竣功記念碑(1931年建立)

昭和5年(1930)11月26日、突如襲来した豆相(ずそう)大震災(北伊豆地震)による被害を受けた上水道の復旧後の整備を記念した石碑。大明神川の上流鞍掛山の標高850mで発生した大崩壊は土石流となって下流に押し出し、1名の尊い命を奪った。旧箱根町の被害は極めて甚大で、家屋150戸の内120戸が全壊または半壊、死者13名であった。

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町箱根488
  • 災害: 北伊豆地震(1930年11月26日)
  • 災害種別: 土砂災害・地震
  • 地図: 35.18759, 139.02704

水神(1949年建立)

昭和23年(1948)9月16日、アイオン台風により早川の氾濫や明神岳で土砂崩壊が発生し、旧宮城野村では、死者5名、負傷者5名を出した他、人家、道路、橋梁、耕地で未曾有の被害を受けた。

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町宮城野1324
  • 災害: アイオン台風(1948年9月16日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 35.25750, 139.04121

延命地蔵菩薩(1949年建立)

昭和23年(1948)9月16日、天地が震動するほどの大風雨をもたらしたアイオン台風は、瞬時にして人家を呑み込み破壊した。増水した須雲川の防護に従事していた2名の冥福を祈るために地蔵堂は建立された。地蔵堂の横には由来碑がある。

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町湯本682
  • 災害: アイオン台風(1948年9月16日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 35.22914, 139.09477

弔魂碑(1951年建立)

昭和23年(1948)9月16日、アイオン台風は箱根地方で未曾有の大暴風雨と化し、旧元箱根村を襲った。アイオン台風が引き起こした土砂災害により、当時の小田原営林署休泊所及び署員1名とその家族5名が押し流され、尊い命が奪れた。

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根
  • 災害: アイオン台風(1948年9月16日)
  • 災害種別: 土砂災害
  • 地図: 35.22677, 138.99947

供養塔(1954年建立)

昭和28年(1953)7月26日、早川の支川である須沢上流の早雲山頂上付近で地すべり崩壊が起こり、その土砂岩石は地獄沢及び須沢上流を埋没させた。その流出土砂量は約80万立方メートルと推定され、主要道路2箇所、橋梁1箇所の埋没、さらには、大雄山最乗寺箱根別院を全壊埋没、死者10名、負傷者13名を出す未曾有の災害となった。この場所には他にも供養塔等が複数建立されている。

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町強羅
  • 災害: 土砂災害(1953年7月26日)
  • 災害種別: 土砂災害
  • 地図: 35.24434, 139.03596

早雲山地すべり復旧工事完成記念碑(1967年建立)

昭和28年(1953)7月26日、大音響とともに早雲山谷頭で大地すべりが起こり、土石流は須沢に沿って強羅橋まで一気に流下した。80万立方メートルの土砂が道了尊別院、砂防えん堤17基、道路、橋、山林等を埋没させ、死者13名、負傷者15名の犠牲者を出した。碑は地すべりにより流下した石を使用して作られている。

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町強羅
  • 災害: 土砂災害(1953年7月26日)
  • 災害種別: 土砂災害
  • 地図: 35.24423, 139.03917

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

箱根町で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、箱根町内の最大値で41.0%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

箱根町は洪水の危険がある?

箱根町の1,144メッシュのうち171メッシュ(15.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は20.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

箱根町の土砂災害警戒区域は?

箱根町には114箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、神奈川県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

箱根町の避難場所はどこ?

箱根町には28箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「箱根町 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:箱根町の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が41.0%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:171メッシュ(15.0%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 土砂災害:114箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。箱根町内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。