熊本県上天草市の災害リスク
この記事では、上天草市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。上天草市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。
この記事でわかること
- 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
- 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
- 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
- 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
- 避難施設・防災インフラの情報
- 今日からできる災害別の具体的な備え
上天草市(熊本県)の人口は約22,087人(2025年推計)。標高は平均24.6mで、最低0.0mから最高327.1mの範囲です。
2040年には現在の60%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。
上天草市の災害リスクについて よくある疑問
Q. 上天草市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?
上天草市の主な災害リスクは、市域の4.8%が洪水浸水想定区域、12.4%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が288箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。
Q. 「上天草市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?
「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。上天草市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。
Q. 上天草市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?
自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。
- 洪水浸水想定区域と想定浸水深
- 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
- 土砂災害(特別)警戒区域
- 活断層からの距離
防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。
地震リスク
上天草市には全国地震動予測地図の対象データがありません。
洪水リスク
上天草市では、3,144個の125mメッシュのうち150メッシュ(4.8%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は3.0mです。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 想定最大浸水深 | 3.0m |
| 浸水想定メッシュ数 | 150 / 3,144 メッシュ(4.8%) |
| 最大浸水継続時間 | 72時間(約3日間) |
| 対象河川 | 今泉川、合津川(2河川) |
想定最大浸水深が3.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。
浸水継続時間が最大72時間(約3日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。
今日からできる洪水対策
-
ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「上天草市 ハザードマップ」で検索
-
「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する
-
避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を
-
備蓄品の準備:飲料水・食料(3日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する
津波リスク
上天草市では、3,144メッシュのうち389メッシュ(12.4%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は2.0mです。
想定最大浸水深は2.0mです。1m未満の津波でも流速によっては歩行不能になり、巻き込まれると命に関わります。沿岸部では津波注意報にも注意し、海岸から離れましょう。
今日からできる津波対策
-
避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する
-
「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく
-
津波避難ビルの把握:「上天草市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく
-
第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう
土砂災害リスク
上天草市には288箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。3,144メッシュのうち550メッシュ(17.5%)がこれらの区域に含まれています。
過去の記録では、上天草市で20件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ20件、土石流0件、地すべり0件)。
今日からできる土砂災害対策
-
警戒区域の確認:「熊本県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する
-
前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる
-
避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する
-
就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる
活断層
上天草市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。
| 断層名 | 上天草市からの距離 | 想定M |
|---|---|---|
| 布田川断層帯・日奈久断層帯 (布田川区間と日奈久断層帯全体が同時に活動) | 5.1km | M7.4 |
| 日奈久断層帯 (全体が同時に活動) | 5.1km | M7.3 |
| 日奈久断層帯(日奈久区間と八代海区間が同時に活動) | 5.1km | M7.2 |
最寄りの活断層(布田川断層帯・日奈久断層帯 (布田川区間と日奈久断層帯全体が同時に活動))から5.1kmの位置にあります。この断層が活動した場合、上天草市でも強い揺れが想定されます。
地域の特徴
気候
| 項目 | データ |
|---|---|
| 年間降水量 | 1,975mm |
| 1月平均気温 | 6.5℃ |
| 8月平均気温 | 27.4℃ |
土地利用
建物用地が14.8%、森林が57.0%、農地が24.8%を占めています。
避難施設・防災インフラ
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 避難施設 | 47箇所 |
| 消防署 | 3箇所 |
| 学校 | 21校 |
| 福祉施設 | 47施設 |
| 警察署 | 4箇所 |
最寄りの避難施設は「上天草市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。
上天草市の自然災害伝承碑
上天草市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が9基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。
| 碑名 | 建立年 | 災害名 | 災害種別 |
|---|---|---|---|
| 災害復旧記念碑 | 1976年 | 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日) | 洪水・土砂災害 |
| 建郷之碑 | 1976年 | 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日) | 洪水・土砂災害 |
| 一陽来復 | 1976年 | 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日) | 洪水・土砂災害 |
| 災害復旧記念碑 | 1977年 | 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日) | 土砂災害 |
| 転禍為福 | 1977年 | 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日) | 洪水・土砂災害 |
| 一ちょ墓 供養塔 | — | 眉山崩壊(1792年5月21日) | 津波 |
| 殉職之碑 | — | 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日) | 土砂災害 |
| 水害之碑 | — | 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日) | 土砂災害 |
| 天草上島大水害水標柱 | — | 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日) | 洪水・土砂災害 |
伝承内容
災害復旧記念碑(1976年建立)
昭和47年(1972)7月6日正午、活発な梅雨前線の活動による集中豪雨は時間雨量127mmを記録し、多くの土石流を発生させた。特に教良木河内地区、今泉地区の被害は甚大で死者3名、住家の全半壊228戸、浸水家屋589戸の大惨事となった。
- 所在地: 熊本県上天草市松島町教良木
- 災害: 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日)
- 災害種別: 洪水・土砂災害
- 地図: 32.46548, 130.37737
建郷之碑(1976年建立)
昭和47年(1972)7月6日、集中豪雨による土石流は上天草に壊滅的打撃を与えた。小屋川内郷では死者8名、住家の流失埋没47戸、半壊4戸、床上床下浸水全戸に及ぶ惨状であった。
- 所在地: 熊本県上天草市龍ヶ岳町高戸小屋川内
- 災害: 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日)
- 災害種別: 洪水・土砂災害
- 地図: 32.39120, 130.38837
一陽来復(1976年建立)
梅雨前線の活発な活動により、大雨が続いていたところ、昭和47年(1972)7月6日午前11時20分、山肌の崩壊によって土石流が発生し、脇浦で大規模な土砂災害となった。当地では7名が亡くなり、負傷者14名、家屋の流失・埋没35戸を出す被害が発生した。被災後、集落は海を埋め立てて移転した。
- 所在地: 熊本県上天草市龍ヶ岳町高戸脇浦
- 災害: 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日)
- 災害種別: 洪水・土砂災害
- 地図: 32.39507, 130.39291
災害復旧記念碑(1977年建立)
昭和47年(1972)7月6日、集中豪雨による土石流は上天草に壊滅的打撃を与えた。姫戸町では死者45名、全壊家屋124戸、半壊28戸、床上浸水299戸のほか、道路の損壊、橋梁の流出、農地の流出・埋没など、その被害額は60億円を超えた。
- 所在地: 熊本県上天草市姫戸町二間戸
- 災害: 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日)
- 災害種別: 土砂災害
- 地図: 32.42714, 130.40342
転禍為福(1977年建立)
昭和47年(1972)7月6日、梅雨前線の活発な活動による集中豪雨は山肌の決壊を誘発した。午前11時20分、大道集落を土石流が襲い、8名の死者、74棟の全半壊家屋を生じる大被害を受けた。碑は被災者の霊を慰め、地元住民による再興を決意して建立された。
- 所在地: 熊本県上天草市龍ヶ岳町大道
- 災害: 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日)
- 災害種別: 洪水・土砂災害
- 地図: 32.39007, 130.37413
一ちょ墓 供養塔
寛政4年4月1日(1792年5月21日)、眉山(まゆやま)が崩れ、有明海では大津波となった。一連の災害で天草全体で15,000名もの方々が亡くなる大惨事となった。碑は湯島の村人たちが打ち上げられた犠牲者を集め、懇ろに埋葬・供養するものである。
- 所在地: 熊本県上天草市大矢野町湯島
- 災害: 眉山崩壊(1792年5月21日)
- 災害種別: 津波
- 地図: 32.60465, 130.33103
殉職之碑
昭和47年(1972)7月6日、集中豪雨による土石流は上天草に壊滅的打撃を与えた。姫戸町全体では死者45名、全壊家屋124戸、半壊28戸、床上浸水299戸の被害が生じた。碑は土石流で亡くなった方々を供養して建立された。
- 所在地: 熊本県上天草市姫戸町二間戸
- 災害: 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日)
- 災害種別: 土砂災害
- 地図: 32.41682, 130.40401
水害之碑
昭和47年(1972)7月6日、梅雨前線の活発化に伴い姫戸町では、午前8時から12時までの4時間で268mmの雨量を記録した。姫戸町では死者40人を出し、念珠岳山頂付近より長さ7~800m、幅200mにわたる土石流で30戸が破壊された。
- 所在地: 熊本県上天草市姫戸町二間戸
- 災害: 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日)
- 災害種別: 土砂災害
- 地図: 32.42135, 130.39145
天草上島大水害水標柱
昭和47年(1972)7月6日、梅雨前線の活発な活動による大雨によって教良木川が増水・氾濫した。松島町では死者4人、重軽傷者7人の被害が発生し、教良木では浸水深がおよそ2mにもなった。
- 所在地: 熊本県上天草市松島町教良木
- 災害: 昭和47年7月豪雨(天草大水害)(1972年7月6日)
- 災害種別: 洪水・土砂災害
- 地図: 32.46562, 130.37201
出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)
よくある質問
上天草市は洪水の危険がある?
上天草市の3,144メッシュのうち150メッシュ(4.8%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は3.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。
上天草市に津波は来る?
上天草市の389メッシュ(12.4%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は2.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。
上天草市の土砂災害警戒区域は?
上天草市には288箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、熊本県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。
上天草市の避難場所はどこ?
上天草市には47箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「上天草市 避難場所」で検索して確認できます。
まとめ:上天草市の防災で押さえておきたいこと
-
津波:想定最大2.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認
-
土砂災害:288箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を
防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。上天草市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。
データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。