宮城県名取市の災害リスク
この記事では、名取市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。名取市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。
この記事でわかること
- 名取市の地震発生確率と地盤の特徴
- 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
- 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
- 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
- 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
- 避難施設・防災インフラの情報
- 今日からできる災害別の具体的な備え
名取市(宮城県)の人口は約78,057人(2025年推計)。標高は平均26.5mで、最低0.9mから最高215.4mの範囲です。
名取市の災害リスクについて よくある疑問
Q. 名取市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?
名取市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が55.39%、市域の58.6%が洪水浸水想定区域、31.2%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が3箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。
Q. 「名取市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?
「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。名取市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。
Q. 名取市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?
自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。
- 洪水浸水想定区域と想定浸水深
- 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
- 土砂災害(特別)警戒区域
- 活断層からの距離
防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。
地震リスク

名取市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大55.39%です(2024年版全国地震動予測地図)。
震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。
表層地盤の平均S波速度(AVS30)は207.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。
名取市のAVS30は200〜300m/sの範囲で、やや軟弱な地盤を含むエリアです。地盤増幅率は1.91倍です。家具の固定や、重い物を高い場所に置かないといった基本的な地震対策を確認しておきましょう。
30年確率が26%以上と非常に高い値です。これは「30年間に震度6弱以上の揺れを経験する可能性が約4分の1以上」という意味です。耐震診断をまだ受けていない場合は、自治体の耐震診断補助制度の利用を検討してください。
今日からできる地震対策
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家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先
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寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える
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枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く
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食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける
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感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する
洪水リスク

名取市では、2,608個の125mメッシュのうち1,528メッシュ(58.6%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 想定最大浸水深 | 5.0m |
| 浸水想定メッシュ数 | 1,528 / 2,608 メッシュ(58.6%) |
| 最大浸水継続時間 | 168時間(約7日間) |
| 対象河川 | 名取川、増田川、川内沢川、阿武隈川(4河川) |
市域の半分以上が浸水想定区域にあり、想定最大浸水深は5.0mと2階建て家屋の屋根を超える水位です。自宅がこの範囲に含まれる場合、自宅内での垂直避難(2階へ上がる)では不十分な可能性があります。最寄りの高台や浸水想定区域外の避難場所を事前に確認し、大雨時には早めの水平避難を計画しておきましょう。
浸水継続時間が最大168時間(約7日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。
今日からできる洪水対策
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ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「名取市 ハザードマップ」で検索
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「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する
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避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を
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備蓄品の準備:飲料水・食料(7日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する
津波リスク

名取市では、2,608メッシュのうち813メッシュ(31.2%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。
想定最大浸水深が10.0mと非常に高く、3階建て以上の建物でも安全とは限りません。津波警報が発表されたら、すぐに高台や津波避難ビルへ避難してください。沿岸部にお住まいの方は、自宅から最も近い高台への徒歩ルートを複数確認しておきましょう。車での避難は渋滞のリスクがあるため、徒歩での避難を基本としてください。
今日からできる津波対策
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避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する
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「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく
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津波避難ビルの把握:「名取市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく
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第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう
土砂災害リスク

名取市には3箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。2,608メッシュのうち18メッシュ(0.7%)がこれらの区域に含まれています。
また、竜巻等の突風が2件記録されています(国土数値情報・竜巻等突風データ)。
今日からできる土砂災害対策
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警戒区域の確認:「宮城県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する
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前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる
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避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する
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就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる
活断層
名取市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。
| 断層名 | 名取市からの距離 | 想定M |
|---|---|---|
| 愛島推定断層 | 0.4km | M6.6 |
| 福島盆地西縁断層帯 | 11.2km | M7.1 |
| 作並-屋敷平断層帯 | 16.5km | M6.5 |
最寄りの活断層(愛島推定断層)との距離が0.4kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。
地域の特徴
気候
| 項目 | データ |
|---|---|
| 年間降水量 | 1,213mm |
| 1月平均気温 | 1.6℃ |
| 8月平均気温 | 24.0℃ |
| 最深積雪 | 10cm |
土地利用
建物用地が33.3%、森林が16.0%、農地が39.8%を占めています。
人口集中地区(DID)
人口集中地区の人口は55,181人、人口密度は5,007人/km²です。
避難施設・防災インフラ
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 避難施設 | 37箇所 |
| 消防署 | 5箇所 |
| 学校 | 32校 |
| 福祉施設 | 266施設 |
| 警察署 | 9箇所 |
最寄りの避難施設は「名取市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。
名取市の自然災害伝承碑
名取市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が3基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。
| 碑名 | 建立年 | 災害名 | 災害種別 |
|---|---|---|---|
| 震嘯記念 | 1933年 | 昭和三陸地震(1933年3月3日) | 地震・津波 |
| 昭和八年三月三日 震嘯記念 | 1933年 | 昭和三陸地震(1933年3月3日) | 地震・津波 |
| 東日本大震災慰霊碑 | 2014年 | 東日本大震災(2011年3月11日) | 地震・津波 |
伝承内容
震嘯記念(1933年建立)
「地震があったら津波の用心」昭和8年(1933)3月3日午前2時30分、突然強い地震があった。揺れが収まった約40分後に異常な音とともに激流が襲来した。約3mの高さの水が名取川を遡上し、西は猿猴(えんこう)に到達し、南は貞山堀広浦一帯が氾濫した。浸水家屋20余戸。幸い人畜に死傷は出なかった。
- 所在地: 宮城県名取市閖上(日和山富士主姫神社脇)
- 災害: 昭和三陸地震(1933年3月3日)
- 災害種別: 地震・津波
- 地図: 38.17242, 140.95427
昭和八年三月三日 震嘯記念(1933年建立)
昭和8年(1933)3月3日に発生した昭和三陸地震の津波が名取川を遡上した終点の地を示している。この地域では、浸水家屋が約20戸となったが、幸い人畜に死傷は出なかった。碑の側面には「地震があったら津波の用心」と記されている。全部で4本設置されていたが、この第四号碑と2016年に貞山運河内から発見された三号碑が現存する。
- 所在地: 宮城県名取市閖上字川前
- 災害: 昭和三陸地震(1933年3月3日)
- 災害種別: 地震・津波
- 地図: 38.18949, 140.93499
東日本大震災慰霊碑(2014年建立)
2011年3月11日、東日本大震災の地震発生(午後2時46分)から程なく、名取の地に午後3時52分、最大浸水高9.1mの大津波が押し寄せ、海岸から最大約5kmの範囲が浸水した。閖上(ゆりあげ)地区、下増田地区を中心に甚大な被害をもたらし、964名の市民をはじめとする多くの尊い命を奪った。
- 所在地: 宮城県名取市閖上五丁目142 他
- 災害: 東日本大震災(2011年3月11日)
- 災害種別: 地震・津波
- 地図: 38.17178, 140.95362
出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)
よくある質問
名取市で大地震が起きる確率は?
今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、名取市内の最大値で55.39%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。
名取市は洪水の危険がある?
名取市の2,608メッシュのうち1,528メッシュ(58.6%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。
名取市に津波は来る?
名取市の813メッシュ(31.2%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。
名取市の土砂災害警戒区域は?
名取市には3箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、宮城県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。
名取市の避難場所はどこ?
名取市には37箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「名取市 避難場所」で検索して確認できます。
まとめ:名取市の防災で押さえておきたいこと
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地震:30年以内に震度6弱以上の確率が55.39%。家具の固定と耐震性の確認を
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洪水:1,528メッシュ(58.6%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認
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津波:想定最大10.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認
防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。名取市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。
データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。
写真提供:(一財)消防防災科学センター「災害写真データベース」(※本記事の写真は名取市で撮影されたものではありません)