長崎県長崎市の災害リスク

この記事では、長崎市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。長崎市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 長崎市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

長崎市(長崎県)の人口は約381,884人(2025年推計)。標高は平均79.2mで、最低0.0mから最高461.2mの範囲です。

2040年には現在の70%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。


長崎市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 長崎市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

長崎市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が9.72%、市域の12.3%が洪水浸水想定区域、8.0%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が991箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「長崎市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。長崎市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 長崎市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

長崎市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大9.72%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は430.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

長崎市のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は1.04倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。

30年確率が6%以上であり、一定の警戒が必要な水準です。自宅の耐震性能を把握し、非常用持ち出し袋の準備を確認しておきましょう。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

長崎市では、10,652個の125mメッシュのうち1,310メッシュ(12.3%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 10.0m
浸水想定メッシュ数 1,310 / 10,652 メッシュ(12.3%)
最大浸水継続時間 24時間(約1日間)
対象河川 中島川、八郎川、浦上川、長崎県(4河川)

想定最大浸水深が10.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「長崎市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(3日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

長崎市では、10,652メッシュのうち852メッシュ(8.0%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は2.0mです。

想定最大浸水深は2.0mです。1m未満の津波でも流速によっては歩行不能になり、巻き込まれると命に関わります。沿岸部では津波注意報にも注意し、海岸から離れましょう。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「長崎市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


土砂災害リスク

長崎市には991箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。10,652メッシュのうち1,033メッシュ(9.7%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、長崎市で27件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ27件、土石流0件、地すべり0件)。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「長崎県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

長崎市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 長崎市からの距離 想定M
雲仙断層群 (南西部北部と南部が同時に活動) 4.6km M7.1
雲仙断層群南西部南部 4.6km M6.6
雲仙断層群北部 6.1km M6.8

最寄りの活断層(雲仙断層群 (南西部北部と南部が同時に活動))との距離が4.6kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 1,992mm
1月平均気温 6.7℃
8月平均気温 27.2℃

土地利用

建物用地が29.6%、森林が50.5%、農地が13.4%を占めています。

密集市街地

長崎市には17地区(1187.6km²)の密集市街地があります。建物104,992棟のうち木造が98,544棟です。密集市街地では火災の延焼リスクが高いため、消火器の設置場所を確認し、感震ブレーカーの設置を検討しましょう。

人口集中地区(DID)

人口集中地区の人口は290,853人、人口密度は6,756人/km²です。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 419箇所
消防署 24箇所
学校 240校
福祉施設 2556施設
警察署 48箇所

最寄りの避難施設は「長崎市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


長崎市の自然災害伝承碑

長崎市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が7基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
七・二三 長崎大水害碑 1983年 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日) 洪水・土砂災害
大水害慰霊塔 1984年 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日) 洪水・土砂災害
長崎大水害記念塔 1984年 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日) 洪水・土砂災害
水害復興と友好の記念碑 1989年 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日) 洪水・土砂災害
長崎大水害記念碑 1990年 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日) 洪水・土砂災害
昭五七・七・二三長崎大水害碑 1992年 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日) 洪水・土砂災害
長崎大水害慰霊碑 2017年 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日) 洪水・土砂災害

伝承内容

七・二三 長崎大水害碑(1983年建立)

午後5時頃より降り始めた雨は一日降水量448mmに達し、観測史上驚異的な降水量を記録した。日見地区では、36人の尊い人命と巨額の財産を一夜に奪ったこの大水害、昭和57年(1982)7月23日をけっして忘れてはならない。ここに犠牲者の御冥福を祈り、再びこのような災禍を繰り返さないよう祈念する。

  • 所在地: 長崎県長崎市界2-1-9
  • 災害: 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 32.75791, 129.94342

大水害慰霊塔(1984年建立)

昭和57年(1982)7月23日の猛烈な豪雨による上流の山崩れと流水により、この地に住む34名の尊い命が一瞬のうちに奪われる大惨事となった。ここに殉難者の霊を慰め、二度と災害を繰り返さぬよう後世に伝え残すためこの碑を建立する。

  • 所在地: 長崎県長崎市川平町857-17
  • 災害: 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 32.79622, 129.88854

長崎大水害記念塔(1984年建立)

昭和57年(1982)7月23日の集中豪雨で、この思案橋跡の地点での水位は1.57mに達し、人も車も物もすべてが濁流の底に消えていった。そのような中でも、市民は復興に立ち上がり、思案橋の街も明るさを取り戻した。塔飾りは、大水害復興の心意気を讃えるため、未来に向かって海に向かう御朱印船を配している。

  • 所在地: 長崎県長崎市浜町
  • 災害: 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 32.74292, 129.87997

水害復興と友好の記念碑(1989年建立)

昭和57年(1982)7月23日、長崎の街は想像を絶する集中豪雨により死者・行方不明者262人の大惨禍となり、中島川石橋群も6橋が流失し、3橋が半壊した。この碑は、中島川に石橋を架けるなどゆかりの深い中国に依頼し制作した記念碑で、像は中国の少年と日本の少女が力を合わせて、風雨を呼ぶ龍を従わせている姿を表している。

  • 所在地: 長崎県長崎市魚の町
  • 災害: 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 32.74748, 129.88031

長崎大水害記念碑(1990年建立)

緑の古里として知られた船石町は、昭和57年(1982)7月23日、集中豪雨により水の海と化して、死者3名、家屋流失7戸、全半壊12戸等、道路も全線不通となるなど多大の被害を蒙った。このような中、若き命を人命救助に投じた方々に哀悼の意を表し、全地域の被害者にお悔やみを申し上げる。

  • 所在地: 長崎県長崎市船石町581-8
  • 災害: 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 32.79840, 129.97044

昭五七・七・二三長崎大水害碑(1992年建立)

昭和57年(1982)7月23日、午後5時過ぎから集中豪雨が襲い、東長崎地区各地で鉄砲水、土石流が発生し、矢上地区では死者34名、家屋の全半壊163戸、床上浸水814戸農林・水産等も甚大な被害を受け、かつてない大惨事となった。大水害10周年にあたり、碑を建立し後世に伝えるものである。

  • 所在地: 長崎県長崎市矢上町464
  • 災害: 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 32.78006, 129.95230

長崎大水害慰霊碑(2017年建立)

昭和57年(1982)7月23日、午後5時過ぎ100mm前後の雷を伴う猛烈な集中豪雨が襲い、この鳴滝地区でも物凄い土石流が発生し、23名の死者と1名が行方不明になるなど、尊い命が一瞬に奪われた。亡くなられた方々の御霊を敬うとともに、二度とこのような災害を繰り返さぬよう後世に語り伝えるため碑を建立する。

  • 所在地: 長崎県長崎市鳴滝2-16-7
  • 災害: 昭和57年7月豪雨(長崎大水害)(1982年7月23日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 32.75840, 129.89344

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

長崎市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、長崎市内の最大値で9.72%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

長崎市は洪水の危険がある?

長崎市の10,652メッシュのうち1,310メッシュ(12.3%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

長崎市に津波は来る?

長崎市の852メッシュ(8.0%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は2.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

長崎市の土砂災害警戒区域は?

長崎市には991箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、長崎県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

長崎市の避難場所はどこ?

長崎市には419箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「長崎市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:長崎市の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が9.72%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:1,310メッシュ(12.3%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大2.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

  • 土砂災害:991箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。長崎市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。