奈良県五條市の災害リスク

この記事では、五條市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。五條市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 五條市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

五條市(奈良県)の人口は約24,698人(2025年推計)。標高は平均237.1mで、最低85.1mから最高780.2mの範囲です。

2040年には現在の50%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。


五條市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 五條市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

五條市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が43.37%、市域の28.2%が洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域が2箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「五條市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。五條市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 五條市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

五條市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大43.37%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は432.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

五條市のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は0.95倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。

30年確率が26%以上と非常に高い値です。これは「30年間に震度6弱以上の揺れを経験する可能性が約4分の1以上」という意味です。耐震診断をまだ受けていない場合は、自治体の耐震診断補助制度の利用を検討してください。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

五條市では、3,484個の125mメッシュのうち982メッシュ(28.2%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は20.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 20.0m
浸水想定メッシュ数 982 / 3,484 メッシュ(28.2%)
最大浸水継続時間 72時間(約3日間)
対象河川 トンボ川、丹生川、八幡川、内川、北川、古田川、大谷川、宇智川、宗川、寿命川、東の川、東浄川、東谷川、永谷川、熊野川、紀の川、紅葉川、落合川、西川、貴志川(20河川)

想定最大浸水深が20.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

浸水継続時間が最大72時間(約3日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「五條市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(3日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

五條市には津波浸水想定区域のデータがありません。


土砂災害リスク

五條市には2箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。3,484メッシュのうち55メッシュ(1.6%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、五條市で4件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ2件、土石流0件、地すべり2件)。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「奈良県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

五條市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 五條市からの距離 想定M
中央構造線断層帯(金剛山地東縁区間~石鎚山脈北縁西部区間が同時に活動) 0.3km M7.8
中央構造線断層帯(金剛山地東縁区間~伊予灘区間が同時に活動) 0.3km M7.8
中央構造線断層帯(五条谷区間~石鎚山脈北縁西部区間が同時に活動) 0.3km M7.7

最寄りの活断層(中央構造線断層帯(金剛山地東縁区間~石鎚山脈北縁西部区間が同時に活動))との距離が0.3kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 1,578mm
1月平均気温 3.0℃
8月平均気温 25.7℃

土地利用

建物用地が14.4%、森林が47.5%、農地が33.9%を占めています。

人口集中地区(DID)

人口集中地区の人口は5,791人、人口密度は3,182人/km²です。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 111箇所
消防署 3箇所
学校 17校
福祉施設 10施設
警察署 12箇所

最寄りの避難施設は「五條市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


五條市の自然災害伝承碑

五條市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が7基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
慰霊碑 1936年 明治22年紀伊半島大水害(十津川大水害)(1889年8月19日) 土砂災害
禍害復旧之碑 1984年 昭和57年台風10号(1982年8月4日) 洪水・土砂災害
紀伊半島大水害慰霊碑 2016年 紀伊半島大水害(2011年9月4日) 洪水・土砂災害
紀伊半島大水害警戒碑 2016年 紀伊半島大水害(2011年9月4日) 洪水
紀伊半島大水害警戒碑 2016年 紀伊半島大水害(2011年9月4日) 洪水
明治22年水害碑 明治22年紀伊半島大水害(十津川大水害)(1889年8月19日) 洪水
柳谷部落遭難之碑 明治22年紀伊半島大水害(十津川大水害)(1889年8月19日) 土砂災害

伝承内容

慰霊碑(1936年建立)

明治22年(1889)8月19日の豪雨で発生した大水害では、旧大塔村内で死者35名、流出家屋87戸などの甚大な被害があった。大規模崩壊により、柳谷集落の6戸23人が犠牲となった(資料により戸数、人数は異なる。)。現在、集落は存在せず、石碑は浄称寺の門付近にある。

  • 所在地: 奈良県五條市大塔町辻堂
  • 災害: 明治22年紀伊半島大水害(十津川大水害)(1889年8月19日)
  • 災害種別: 土砂災害
  • 地図: 34.16698, 135.75766

禍害復旧之碑(1984年建立)

昭和57年(1982)の台風10号により、西吉野町屋那瀬の通称「くえ山」が2度にわたり大規模に崩落。丹生川をせき止め、和田、屋那瀬地区で住宅8棟全壊、13棟半壊、床上浸水34戸などの被害を出した。住民は早期避難により全員無事だった。碑文は「昭和57年8月4日未明 台風10号により この地に於いて山崩れがあり 幸い人身事故には至らず 各位のご尽力によりここに復旧をみた ふたたび災害の無きことを祈願し、この碑を建立する」とある。

  • 所在地: 奈良県五條市西吉野町屋那瀬
  • 災害: 昭和57年台風10号(1982年8月4日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 34.29320, 135.72558

紀伊半島大水害慰霊碑(2016年建立)

平成23年(2011)9月4日、台風23号による豪雨(紀伊半島大水害)により熊野川右岸の山腹が崩落。これにより対岸の宇井地区に土砂や河川の水が到達し、8名が死亡、3名が行方不明となった。この災害を後世に伝え、地域の発展を願って慰霊碑が建立された。

  • 所在地: 奈良県五條市大塔町宇井
  • 災害: 紀伊半島大水害(2011年9月4日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 34.15557, 135.74426

紀伊半島大水害警戒碑(2016年建立)

平成23年(2011)9月4日、台風23号による豪雨(紀伊半島大水害)により土砂災害が発生。8名が死亡、3名が行方不明となった。その際に増水した熊野川の水位を後世に伝えるため、石碑を建立した。

  • 所在地: 奈良県五條市大塔町宇井
  • 災害: 紀伊半島大水害(2011年9月4日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 34.15540, 135.74479

紀伊半島大水害警戒碑(2016年建立)

平成23年(2011)9月4日、台風23号による豪雨(紀伊半島大水害)により土砂災害が発生。8名が死亡、3名が行方不明となった。その際に増水した熊野川の水位を後世に伝えるため、石碑を建立した。

  • 所在地: 奈良県五條市大塔町辻堂
  • 災害: 紀伊半島大水害(2011年9月4日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 34.16737, 135.75734

明治22年水害碑

明治22年(1889)に発生した大水害では、旧大塔村内で死者35名、流出家屋87戸などの甚大な被害があった。その際の水位を記録したもの。碑文には「明治22年8月19日の洪水氾濫がこのところにおよび、すなわち立石をもって後のためにこれを警戒させん」とある。

  • 所在地: 奈良県五條市大塔町辻堂
  • 災害: 明治22年紀伊半島大水害(十津川大水害)(1889年8月19日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 34.17044, 135.75670

柳谷部落遭難之碑

明治22年(1889)8月19日の豪雨で発生した大水害では、旧大塔村内で死者35名、流出家屋87戸などの甚大な被害があった。大規模崩壊により、柳谷集落の6戸23人が犠牲となった(資料により戸数、人数は異なる。)。現在、集落は存在せず、石碑は大塔神社付近にある。

  • 所在地: 奈良県五條市大塔町辻堂
  • 災害: 明治22年紀伊半島大水害(十津川大水害)(1889年8月19日)
  • 災害種別: 土砂災害
  • 地図: 34.16816, 135.75860

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

五條市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、五條市内の最大値で43.37%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

五條市は洪水の危険がある?

五條市の3,484メッシュのうち982メッシュ(28.2%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は20.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

五條市の土砂災害警戒区域は?

五條市には2箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、奈良県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

五條市の避難場所はどこ?

五條市には111箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「五條市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:五條市の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が43.37%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:982メッシュ(28.2%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。五條市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。