佐賀県鹿島市の災害リスク

この記事では、鹿島市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。鹿島市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 鹿島市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

鹿島市(佐賀県)の人口は約25,894人(2025年推計)。標高は平均75.9mで、最低0.0mから最高530.8mの範囲です。

2040年には現在の70%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。


鹿島市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 鹿島市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

鹿島市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が3.14%、市域の36.5%が洪水浸水想定区域、21.3%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が52箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「鹿島市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。鹿島市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 鹿島市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

鹿島市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大3.14%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は312.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

鹿島市のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は1.26倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

鹿島市では、2,172個の125mメッシュのうち792メッシュ(36.5%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 5.0m
浸水想定メッシュ数 792 / 2,172 メッシュ(36.5%)
最大浸水継続時間 168時間(約7日間)
対象河川 中川、塩田川、石木津川、鹿島川(4河川)

想定最大浸水深が5.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

浸水継続時間が最大168時間(約7日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「鹿島市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(7日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

鹿島市では、2,172メッシュのうち462メッシュ(21.3%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は2.0mです。

想定最大浸水深は2.0mです。1m未満の津波でも流速によっては歩行不能になり、巻き込まれると命に関わります。沿岸部では津波注意報にも注意し、海岸から離れましょう。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「鹿島市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


高潮リスク

鹿島市では、2,172メッシュのうち766メッシュ(35.3%)が高潮浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。

広範囲に高潮の影響が想定されています。台風接近時には、高潮警報・高潮特別警報に注意し、沿岸部や低地からは早めに避難しましょう。


土砂災害リスク

鹿島市には52箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。2,172メッシュのうち93メッシュ(4.3%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、鹿島市で6件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ6件、土石流0件、地すべり0件)。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「佐賀県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

鹿島市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 鹿島市からの距離 想定M
多良岳南西麓断層帯 10.6km M6.8
佐賀平野北縁断層帯 11.6km M6.9
雲仙断層群北部 30.0km M6.8

最寄りの活断層(多良岳南西麓断層帯)から10.6kmの位置にあります。この断層が活動した場合、鹿島市でも強い揺れが想定されます。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 2,057mm
1月平均気温 5.1℃
8月平均気温 26.9℃

年間降水量が2,057mmと全国平均(約1,700mm)を大きく上回る多雨地域です。集中豪雨による浸水や土砂災害のリスクが高まりやすく、梅雨・台風シーズンには河川水位や気象情報をこまめに確認しましょう。

土地利用

建物用地が21.8%、森林が26.3%、農地が49.0%を占めています。

人口集中地区(DID)

人口集中地区の人口は9,582人、人口密度は3,270人/km²です。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 41箇所
消防署 1箇所
学校 15校
福祉施設 87施設
警察署 6箇所

最寄りの避難施設は「鹿島市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


鹿島市の自然災害伝承碑

鹿島市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が13基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
和田津海大神 1917年 台風・高潮(1914年8月25日) 高潮
開通記念 1950年 ジュディス台風(1949年8月17日) 洪水
災害復𦾔記念碑 1950年 ジュディス台風(1949年8月17日) 洪水
龍神 1957年 昭和31年台風12号(1956年9月9日) 洪水
龍王社 1957年 昭和31年台風9号(1956年9月9日) 洪水
七八災害復興之碑 1966年 梅雨前線による大雨(1962年7月8日) 洪水・土砂災害
耕地整理記念碑 1969年 昭和37年梅雨前線による大雨(1962年7月8日) 洪水
災害復興之碑 1969年 梅雨前線による大雨(1962年7月8日) 洪水・土砂災害
向水道之碑 1981年 洪水(1976年8月)昭和51年台風17号(1976年9月12~13日) 洪水
花木庭水路中川水系改修記念碑 1983年 昭和51年台風17号(1976年9月12~13日) 洪水
鹿城川改修記念碑 1985年 昭和37年梅雨前線による大雨(1962年7月8日) 洪水
八大龍王神社の祠 高潮(1914年8月25日) 高潮
埋築記念 高潮(1914年8月25日) 高潮

伝承内容

和田津海大神(1917年建立)

大正3年(1914)8月25日午前10時、暴風、暴雨により、潮が堤防を越え、田、家屋が約4.5mの深さまで浸かった。また、天保14年(1843)にも堤防が決壊して潮が逆流した被害があったことも記されている。

  • 所在地: 佐賀県鹿島市大字重ノ木
  • 災害: 台風・高潮(1914年8月25日)
  • 災害種別: 高潮
  • 地図: 33.10858, 130.11032

開通記念(1950年建立)

昭和24年(1949)8月17日、ジュディス台風に伴う大雨により、この地区を流れる浜川も洪水を引き起こし、各所で道路・橋梁が寸断された。この碑は洪水によって流された上古枝橋の再建を記念して建立れた。

  • 所在地: 佐賀県鹿島市古枝
  • 災害: ジュディス台風(1949年8月17日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 33.06844, 130.10641

災害復𦾔記念碑(1950年建立)

昭和24年(1949)8月17日、ジュディス台風に伴う大雨により、この地区に建つ円徳寺の門前では約90cmも浸水した。床上浸水30戸、床下浸水100戸に及び、護岸の石垣は崩壊し、多くの田畑が流失した。

  • 所在地: 佐賀県鹿島市大字飯田
  • 災害: ジュディス台風(1949年8月17日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 33.05103, 130.15312

龍神(1957年建立)

昭和31年(1956)9月9日、有明海で台風12号による高潮が発生し、沿岸部の耕地を中心に大きな被害があった。特に北鹿島地区の新籠区では、富山籠の堤防が決壊したため被害が大きく、この碑も埋没したが、再建の際に災害の経緯が碑に刻まれた。

  • 所在地: 佐賀県鹿島市大字常広
  • 災害: 昭和31年台風12号(1956年9月9日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 33.10784, 130.12783

龍王社(1957年建立)

昭和31年(1956)9月9日、有明海で台風12号による高潮が発生し、沿岸部の耕地を中心に大きな被害があった。特に北鹿島地区の新籠区では、富山籠の堤防が決壊したため被害が大きく、この碑も埋没したが、再建の際に災害の経緯が碑に刻まれた。

  • 所在地: 佐賀県鹿島市大字常広(新籠天満宮)
  • 災害: 昭和31年台風9号(1956年9月9日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 33.11361, 130.11830

七八災害復興之碑(1966年建立)

昭和37年(1962)、7月8日に佐賀県西部を襲った集中豪雨は800mmを超える降水量を記録し山林等のがけ崩れ、橋や堤防の崩壊、道路の切断が相次いだ。河川域の住宅では、人、家財道具、米麦等すべてが流された。

  • 所在地: 佐賀県鹿島市大字三河内
  • 災害: 梅雨前線による大雨(1962年7月8日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 33.06158, 130.06047

耕地整理記念碑(1969年建立)

昭和37年(1962)7月8日、梅雨前線に伴う大雨により石木津川が氾濫し死者3名のほか、多くの田畑が土砂で埋没した。

  • 所在地: 佐賀県鹿島市大字山浦(川内公民館)
  • 災害: 昭和37年梅雨前線による大雨(1962年7月8日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 33.07529, 130.09476

災害復興之碑(1969年建立)

昭和37年(1962)7月8日佐賀県西部を襲った集中豪雨は800mmを超える降水量を記録し、山林・畑地の崩壊が相次ぎ、河川は氾濫・決壊し、住家の屋根まで水没した。

  • 所在地: 佐賀県鹿島市大字音成
  • 災害: 梅雨前線による大雨(1962年7月8日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 33.08147, 130.13197

向水道之碑(1981年建立)

昭和51年(1976)は8月の大雨に続いて9月に台風17号に襲われた。鹿島市では両災害により河川決壊327ヶ所、道路被害149ヶ所、橋流失9ヶ所、家屋等浸水5,611戸、家屋等崩壊24戸、負傷者6名のほか、鹿島川と中川が合流するこの地区では農地及び水利施設に甚大な被害があった。

  • 所在地: 佐賀県鹿島市大字常広
  • 災害: 洪水(1976年8月)昭和51年台風17号(1976年9月12~13日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 33.11605, 130.10722

花木庭水路中川水系改修記念碑(1983年建立)

昭和51年(1976)9月12日から13日にかけて台風17号が佐賀県を縦断した。特に多良岳山系では1時間あたりの雨量が100mm前後の大雨となり、花木庭水路が決壊し、特に高仙寺集落は大きな被害を受けた。

  • 所在地: 佐賀県鹿島市大字三河内
  • 災害: 昭和51年台風17号(1976年9月12~13日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 33.08218, 130.06790

鹿城川改修記念碑(1985年建立)

昭和37年(1962)7月8日、梅雨前線に伴う大雨により鹿城川の堤防が決壊し、三十数カ所の農地が土砂で埋没した。

  • 所在地: 佐賀県鹿島市大字高津原(蟻尾山公園)
  • 災害: 昭和37年梅雨前線による大雨(1962年7月8日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 33.09668, 130.08756

八大龍王神社の祠

大正3年(1914)8月25日に発生した高潮により、北鹿島地区では鹿島川・塩田川の堤防が全壊、有明海に面する堤防が半壊し、付近の農地を中心に甚大な被害が生じた。この祠は宝暦7年(1757)に建立され、高潮により流されたが、再建の際に災害の記録が刻まれた。

  • 所在地: 佐賀県鹿島市大字常広
  • 災害: 高潮(1914年8月25日)
  • 災害種別: 高潮
  • 地図: 33.11769, 130.10734

埋築記念

大正3年(1914)8月25日に発生した高潮により、この碑が建つ大宮田尾区でも付近の農地を中心に甚大な被害が生じた。高潮被害からの復興にあたり、この地区では沿岸部の埋め立てを行い、その完成を記念して建立された。碑には災害と復興の経緯が刻まれている。

  • 所在地: 佐賀県鹿島市大字音成(宮崎神社)
  • 災害: 高潮(1914年8月25日)
  • 災害種別: 高潮
  • 地図: 33.07755, 130.14280

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

鹿島市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、鹿島市内の最大値で3.14%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

鹿島市は洪水の危険がある?

鹿島市の2,172メッシュのうち792メッシュ(36.5%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

鹿島市に津波は来る?

鹿島市の462メッシュ(21.3%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は2.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

鹿島市の土砂災害警戒区域は?

鹿島市には52箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、佐賀県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

鹿島市の避難場所はどこ?

鹿島市には41箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「鹿島市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:鹿島市の防災で押さえておきたいこと

  • 洪水:792メッシュ(36.5%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大2.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

  • 土砂災害:52箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。鹿島市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。