静岡県沼津市の災害リスク

この記事では、沼津市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。沼津市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 沼津市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

沼津市(静岡県)の人口は約180,836人(2025年推計)。標高は平均29.9mで、最低0.0mから最高645.8mの範囲です。


沼津市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 沼津市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

沼津市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が84.73%、市域の43.3%が洪水浸水想定区域、18.1%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が247箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「沼津市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。沼津市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 沼津市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

沼津市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大84.73%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は212.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

沼津市のAVS30は200〜300m/sの範囲で、やや軟弱な地盤を含むエリアです。地盤増幅率は1.77倍です。家具の固定や、重い物を高い場所に置かないといった基本的な地震対策を確認しておきましょう。

30年確率が26%以上と非常に高い値です。これは「30年間に震度6弱以上の揺れを経験する可能性が約4分の1以上」という意味です。耐震診断をまだ受けていない場合は、自治体の耐震診断補助制度の利用を検討してください。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

沼津市では、3,856個の125mメッシュのうち1,669メッシュ(43.3%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 10.0m
浸水想定メッシュ数 1,669 / 3,856 メッシュ(43.3%)
最大浸水継続時間 72時間(約3日間)
対象河川 井田大川、古宇川、大川、新中川、沢海川、沼川、狩野川、立保川、西浦小河内川、西浦河内川、赤淵川、陰野川、高橋川、黄瀬川(14河川)

想定最大浸水深が10.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

浸水継続時間が最大72時間(約3日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「沼津市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(3日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

沼津市では、3,856メッシュのうち697メッシュ(18.1%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。

想定最大浸水深が5.0mで、2階建て建物を超える津波が想定されています。沿岸部にいるときに強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに高台へ避難しましょう。「津波てんでんこ」(各自がすぐに逃げる)の考え方が重要です。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「沼津市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


土砂災害リスク

沼津市には247箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。3,856メッシュのうち817メッシュ(21.2%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、沼津市で7件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ7件、土石流0件、地すべり0件)。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「静岡県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

沼津市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 沼津市からの距離 想定M
達磨山断層帯 1.0km M6.6
丹那断層帯南端群 6.2km M6.7
北伊豆断層帯 15.5km M6.8

最寄りの活断層(達磨山断層帯)との距離が1.0kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 1,853mm
1月平均気温 6.0℃
8月平均気温 26.8℃
最深積雪 2cm

土地利用

建物用地が52.9%、森林が18.0%、農地が21.6%を占めています。

人口集中地区(DID)

人口集中地区の人口は162,233人、人口密度は4,876人/km²です。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 234箇所
消防署 10箇所
学校 89校
福祉施設 1027施設
警察署 19箇所

最寄りの避難施設は「沼津市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


沼津市の自然災害伝承碑

沼津市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が7基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
妙法 横難死亡供養 霊塔 1763年 「未の荒」大雨・土砂崩れ(1751年6月26日(旧暦)) 土砂災害
震災追弔の碑 1903年 安政東海地震(1854年12月23日) 地震
洪水紀念表 1908年 洪水(寛政3年8月、安政6年7月25日、1890年8月23日、1907年8月24日) 洪水
昭和十三年戌寅年大洪水記念之碑 1942年 昭和13年水害(1938年6月29日) 洪水
昭和十三年十六年大水害復旧記念碑 1946年 昭和13年水害(1938年6月29日) 昭和16年水害(1941年7月21日) 洪水
災害復興記念碑 1964年 昭和36年梅雨前線豪雨(1961年6月28日) 洪水
七夕豪雨慰霊の碑 1976年 七夕豪雨・土砂崩れ(1974年7月8日) 土砂災害

伝承内容

妙法 横難死亡供養 霊塔(1763年建立)

寛延4年6月26日(1751)、伊豆地方を襲った豪雨(「未の荒」)により、伊豆国長浜村(現沼津市内浦長浜)住本寺の裏山が崩れ、堂宇をはじめ住家が流され、住職と共に村人32名が犠牲となった。

  • 所在地: 静岡県沼津市内浦長浜字北丁94
  • 災害: 「未の荒」大雨・土砂崩れ(1751年6月26日(旧暦))
  • 災害種別: 土砂災害
  • 地図: 35.01776, 138.89485

震災追弔の碑(1903年建立)

嘉永7年11月4日(1854年12月23日)に発生した安政東海地震により、駿河国大岡村(現沼津市大岡南小林)の約2ヘクタールほどの土地が一瞬のうちに約12~15m陥没して、住家12戸が埋没、9名が亡くなった。

  • 所在地: 静岡県沼津市大岡3224-4
  • 災害: 安政東海地震(1854年12月23日)
  • 災害種別: 地震
  • 地図: 35.12832, 138.88707

洪水紀念表(1908年建立)

狩野川左岸に位置する駿河国大平村(現沼津市大平)において、寛政3年(1791)8月、安政6年(1859)7月25日、明治23年(1890)8月23日、明治40年(1907)8月24日に大水害が起きた。碑は元は狩野川の水際にあったもので、左右には目盛りが刻まれている。

  • 所在地: 静岡県沼津市大平字外新城
  • 災害: 洪水(寛政3年8月、安政6年7月25日、1890年8月23日、1907年8月24日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 35.07467, 138.91617

昭和十三年戌寅年大洪水記念之碑(1942年建立)

昭和13年(1938)6月29日、台風による大雨によって戸田村戸田地区(現沼津市戸田)の大川の堤防が決壊し大洪水が発生した。戸田地区の多数の家屋が浸水し、水田約65ヘクタールが冠水した。

  • 所在地: 静岡県沼津市戸田字御園尾1585
  • 災害: 昭和13年水害(1938年6月29日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 34.97095, 138.79144

昭和十三年十六年大水害復旧記念碑(1946年建立)

昭和13年(1938)、16年(1941)の水害からの復旧記念碑。昭和16年(1941)7月12日に、戸田村戸田地区(現沼津市戸田)の大川が氾濫し、全壊5棟、橋流出などの大被害をもたらした。

  • 所在地: 静岡県沼津市戸田字御園尾1585
  • 災害: 昭和13年水害(1938年6月29日) 昭和16年水害(1941年7月21日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 34.97098, 138.79144

災害復興記念碑(1964年建立)

昭和36年(1961)6月28日の集中豪雨による水害からの復旧記念碑。昭和36年(1961)6月28日、梅雨前線による集中豪雨で戸田村戸田地区(現沼津市戸田)の大川が氾濫し、124ヘクタールが浸水。当時の村約半分の世帯が浸水した。

  • 所在地: 静岡県沼津市戸田字御園尾
  • 災害: 昭和36年梅雨前線豪雨(1961年6月28日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 34.97101, 138.79144

七夕豪雨慰霊の碑(1976年建立)

昭和49年(1974)7月8日未明、通称七夕豪雨により沼津市獅子浜地区の住宅の裏山(上の山)で土砂崩れが発生し、住宅3棟が全壊、4名が亡くなった。

  • 所在地: 静岡県沼津市獅子浜字上の山307-19
  • 災害: 七夕豪雨・土砂崩れ(1974年7月8日)
  • 災害種別: 土砂災害
  • 地図: 35.05409, 138.88558

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

沼津市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、沼津市内の最大値で84.73%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

沼津市は洪水の危険がある?

沼津市の3,856メッシュのうち1,669メッシュ(43.3%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

沼津市に津波は来る?

沼津市の697メッシュ(18.1%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

沼津市の土砂災害警戒区域は?

沼津市には247箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、静岡県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

沼津市の避難場所はどこ?

沼津市には234箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「沼津市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:沼津市の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が84.73%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:1,669メッシュ(43.3%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大5.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

  • 土砂災害:247箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。沼津市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。