徳島県那賀町の災害リスク
この記事では、那賀町の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。那賀町内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。
この記事でわかること
- 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
- 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
- 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
- 避難施設・防災インフラの情報
- 今日からできる災害別の具体的な備え
那賀町(徳島県)の人口は約6,304人(2025年推計)。標高は平均252.2mで、最低39.9mから最高1364.5mの範囲です。
2040年には現在の50%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。
那賀町の災害リスクについて よくある疑問
Q. 那賀町は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?
那賀町の主な災害リスクは、市域の9.2%が洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域が294箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。
Q. 「那賀町は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?
「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。那賀町の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。
Q. 那賀町に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?
自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。
- 洪水浸水想定区域と想定浸水深
- 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
- 土砂災害(特別)警戒区域
- 活断層からの距離
防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。
地震リスク
那賀町には全国地震動予測地図の対象データがありません。
洪水リスク
那賀町では、2,296個の125mメッシュのうち211メッシュ(9.2%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は20.0mです。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 想定最大浸水深 | 20.0m |
| 浸水想定メッシュ数 | 211 / 2,296 メッシュ(9.2%) |
| 最大浸水継続時間 | 72時間(約3日間) |
| 対象河川 | 那賀川(1河川) |
想定最大浸水深が20.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。
浸水継続時間が最大72時間(約3日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。
今日からできる洪水対策
-
ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「那賀町 ハザードマップ」で検索
-
「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する
-
避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を
-
備蓄品の準備:飲料水・食料(3日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する
津波リスク
那賀町には津波浸水想定区域のデータがありません。
土砂災害リスク
那賀町には294箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。2,296メッシュのうち881メッシュ(38.4%)がこれらの区域に含まれています。
今日からできる土砂災害対策
-
警戒区域の確認:「徳島県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する
-
前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる
-
避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する
-
就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる
活断層
那賀町の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。
| 断層名 | 那賀町からの距離 | 想定M |
|---|---|---|
| 綱附森断層 | 7.4km | M6.4 |
| 鮎喰川断層帯 | 14.4km | M7.2 |
| 上浦-西月ノ宮断層 | 20.8km | M6.4 |
最寄りの活断層(綱附森断層)から7.4kmの位置にあります。この断層が活動した場合、那賀町でも強い揺れが想定されます。
地域の特徴
気候
| 項目 | データ |
|---|---|
| 年間降水量 | 3,200mm |
| 1月平均気温 | 3.4℃ |
| 8月平均気温 | 25.0℃ |
年間降水量が3,200mmと全国平均(約1,700mm)を大きく上回る多雨地域です。集中豪雨による浸水や土砂災害のリスクが高まりやすく、梅雨・台風シーズンには河川水位や気象情報をこまめに確認しましょう。
土地利用
建物用地が4.7%、森林が82.0%、農地が12.1%を占めています。
避難施設・防災インフラ
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 避難施設 | 134箇所 |
| 消防署 | 1箇所 |
| 学校 | 11校 |
| 福祉施設 | 69施設 |
| 警察署 | 5箇所 |
最寄りの避難施設は「那賀町 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。
那賀町の自然災害伝承碑
那賀町には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が5基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。
| 碑名 | 建立年 | 災害名 | 災害種別 |
|---|---|---|---|
| 庚申塔 | 1858年 | 安政南海地震(1854年12月24日) | 地震 |
| 紀念碑 | 1904年 | 明治25年高磯山崩壊(1892年7月25日) | 土砂災害 |
| 殉職者慰霊碑 | 1964年 | 昭和39年台風20号(1964年9月25日) | その他 |
| 慰霊 | 1977年 | 昭和51年台風17号(1976年9月13日) | 土砂災害 |
| 慰霊之碑 | 1991年 | 明治25年高磯山崩壊(1892年7月25日) | 土砂災害 |
伝承内容
庚申塔(1858年建立)
庚申塔は宝暦9年(1759)に建立されたが、嘉永7年11月5日(1854年12月24日)の大地震により損壊したため、安政5年(1858)春に再興されたことが記されている。海岸から15km以上離れた内陸部においても、塔が損壊するほどの激しい揺れがあったことがわかる。
- 所在地: 徳島県那賀郡那賀町谷内(妙法寺)
- 災害: 安政南海地震(1854年12月24日)
- 災害種別: 地震
- 地図: 33.83297, 134.46888
紀念碑(1904年建立)
明治25年(1892)7月25日、旧大戸村の高磯山が崩壊し、土砂が那賀川を堰き止めた。湛水域は約8km上流の旧上那賀町白石付近にまで及んだ。水位は当地つづら峠まで達し、救助船が行き来した。碑の台石は当時の水位を示している。
- 所在地: 徳島県那賀郡那賀町平谷
- 災害: 明治25年高磯山崩壊(1892年7月25日)
- 災害種別: 土砂災害
- 地図: 33.80071, 134.33063
殉職者慰霊碑(1964年建立)
昭和39年(1964)9月24~25日に襲来した台風20号により、徳島県下は暴風雨となり、旧木頭村では降水量427mmを記録した。北川高野瀬地区では、林業会社の現場事務所が竜巻と推測される強風に吹き飛ばされ、社員4名の命が奪われた。
- 所在地: 徳島県那賀郡那賀町木頭北川
- 災害: 昭和39年台風20号(1964年9月25日)
- 災害種別: その他
- 地図: 33.81313, 134.05955
慰霊(1977年建立)
昭和51年(1976)台風17号により、旧木頭村では9月8日から6日間大雨が続き、総雨量2,782mmを記録した。台風の去った9月13日午後1時30分頃、突如西ノ谷山が崩壊し、膨大な土石流が平集落の大半を埋め、6名の命が奪われた。
- 所在地: 徳島県那賀郡那賀町木頭北川
- 災害: 昭和51年台風17号(1976年9月13日)
- 災害種別: 土砂災害
- 地図: 33.77752, 134.08433
慰霊之碑(1991年建立)
台風に伴う集中豪雨の影響で、明治25年(1892)7月25日午前11~12時に高磯山が崩壊し、荒谷・春森の人家十数戸と住民60名余りが埋没した。崩落した岩塊は那賀川をせき止め、150戸余りの人家が浮上流失した。7月27日午後4時頃にはこの天然ダムが決壊し、旧鷲敷町を始め流域の約250戸が流失するなど大惨事となった。
- 所在地: 徳島県那賀郡那賀町大戸
- 災害: 明治25年高磯山崩壊(1892年7月25日)
- 災害種別: 土砂災害
- 地図: 33.79702, 134.33520
出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)
よくある質問
那賀町は洪水の危険がある?
那賀町の2,296メッシュのうち211メッシュ(9.2%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は20.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。
那賀町の土砂災害警戒区域は?
那賀町には294箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、徳島県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。
那賀町の避難場所はどこ?
那賀町には134箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「那賀町 避難場所」で検索して確認できます。
まとめ:那賀町の防災で押さえておきたいこと
- 土砂災害:294箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を
防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。那賀町内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。
データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。