山口県山口市の災害リスク

この記事では、山口市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。山口市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 山口市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

山口市(山口県)の人口は約189,460人(2025年推計)。標高は平均103.6mで、最低0.0mから最高535.4mの範囲です。

2040年には現在の70%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。


山口市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 山口市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

山口市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が5.97%、市域の29.0%が洪水浸水想定区域、6.1%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が1箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「山口市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。山口市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 山口市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

山口市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大5.97%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は744.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

山口市のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は0.61倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

山口市では、13,044個の125mメッシュのうち3,782メッシュ(29.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 10.0m
浸水想定メッシュ数 3,782 / 13,044 メッシュ(29.0%)
最大浸水継続時間 168時間(約7日間)
対象河川 井関川、今津川、佐波川、南若川、島地川、椹野川、生雲川、蔵目喜川、阿武川(9河川)

想定最大浸水深が10.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

浸水継続時間が最大168時間(約7日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「山口市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(7日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

山口市では、13,044メッシュのうち795メッシュ(6.1%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は3.0mです。

想定最大浸水深は3.0mです。1m未満の津波でも流速によっては歩行不能になり、巻き込まれると命に関わります。沿岸部では津波注意報にも注意し、海岸から離れましょう。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「山口市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


高潮リスク

山口市では、13,044メッシュのうち2,060メッシュ(15.8%)が高潮浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。

沿岸部の一部に高潮の影響が想定されています。台風接近時に高潮警報が発表された場合は、沿岸部や河口付近の低地から離れましょう。


土砂災害リスク

山口市には1箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。13,044メッシュのうち5,061メッシュ(38.8%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、山口市で22件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ8件、土石流14件、地すべり0件)。

また、竜巻等の突風が2件記録されています(国土数値情報・竜巻等突風データ)。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「山口県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

山口市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 山口市からの距離 想定M
地福断層 0.1km M6.7
宇部東部断層-下郷断層 0.2km M6.6
小郡断層 0.6km M6.8

最寄りの活断層(地福断層)との距離が0.1kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 1,920mm
1月平均気温 3.7℃
8月平均気温 26.2℃
最深積雪 24cm

土地利用

建物用地が21.8%、森林が45.2%、農地が28.8%を占めています。

人口集中地区(DID)

人口集中地区の人口は98,987人、人口密度は4,280人/km²です。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 189箇所
消防署 8箇所
学校 113校
福祉施設 426施設
警察署 31箇所

最寄りの避難施設は「山口市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


山口市の自然災害伝承碑

山口市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が7基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
水害記念碑 1926年 大正14年9月1日の豪雨(1925年9月1日) 洪水
大風水害受難之碑 1990年 周防灘台風(1942年8月27、28日) 洪水・高潮
新地開作大風水害受難之碑 1993年 周防灘台風(1942年8月27、28日) 高潮
紀念碑 洪水(1918年7月11日) 洪水
水害紀念碑 洪水(1918年7月11日) 洪水
北の江開作決壊修復記念碑 周防灘台風(1942年8月27、28日) 高潮
高潮来襲記念碑 周防灘台風(1942年8月27、28日) 高潮

伝承内容

水害記念碑(1926年建立)

大正14年(1925)9月1日の豪雨で、鯖河内の杉名田、向河内、巧河内で出水(約45cm)し、一面が川となり、13軒の家屋が浸水した。他に徳地島地では行方不明1名の被害も発生した。

  • 所在地: 山口県山口市徳地鯖河内(市立串小学校敷地内)
  • 災害: 大正14年9月1日の豪雨(1925年9月1日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 34.19538, 131.73580

大風水害受難之碑(1990年建立)

昭和17年(1942)8月27日に来襲した周防灘台風により午後11時頃に高潮が押し寄せ、堤防等8か所が決壊し、山口市名田島では死者32人、家屋の全壊流失68戸など甚大な被害が発生した。碑には当時の水位(床上1.5m)が刻まれている。関連外部サイトへのリンク集

  • 所在地: 山口県山口市名田島(市立名田島小学校敷地内)
  • 災害: 周防灘台風(1942年8月27、28日)
  • 災害種別: 洪水・高潮
  • 地図: 34.07606, 131.41575

新地開作大風水害受難之碑(1993年建立)

昭和17年(1942)8月27日に来襲した周防灘台風による高潮で新地開作の堤防が崩壊し、山口市佐山新地・渚地区で死者44人、家屋の全半壊、流失など甚大な被害が発生した。碑には被災時の水位が刻まれている。

  • 所在地: 山口県山口市佐山渚
  • 災害: 周防灘台風(1942年8月27、28日)
  • 災害種別: 高潮
  • 地図: 34.03541, 131.37249

紀念碑

大正7年(1918)7月11日、台風襲来により佐波川各所で洪水が発生し、伊賀地地区も堤防決壊で大洪水に見舞われた。佐波川水系全体の被害は流潰家屋91戸、家屋浸水 3,451戸、浸水面積 1,000ヘクタールにも達した。災害を受けた翌年度堤防復旧工事が施工され、その記憶を後世に残そうと建立された石碑である。

  • 所在地: 山口県山口市徳地伊賀地
  • 災害: 洪水(1918年7月11日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 34.17599, 131.63861

水害紀念碑

庄方地区は度々佐波川の洪水に襲われ、多大な被害を被ってきている。大正7年(1918)7月11日の洪水では、旧佐波郡区内で家屋倒壊・流失94戸、田畑荒廃約400ヘクタール、溺死者9名、浸水家屋3,500戸に及ぶとの記録がある。

  • 所在地: 山口県山口市徳地堀(庄方神社敷地内)
  • 災害: 洪水(1918年7月11日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 34.18444, 131.64917

北の江開作決壊修復記念碑

昭和17年(1942)8月27日に来襲した周防灘台風により、周防灘沿岸一帯は甚大な被害を受けた。北の江開作は唐樋の樋門の北側と今津川に面した箇所が決壊し、一面の海となり、12月に潮止めが行われるまで、大潮満潮のたびに海水はJR山陽本線まで達した。

  • 所在地: 山口県山口市江崎
  • 災害: 周防灘台風(1942年8月27、28日)
  • 災害種別: 高潮
  • 地図: 34.03952, 131.38359

高潮来襲記念碑

昭和17年(1942)8月27日に来襲した周防灘台風により高潮が発生し、山口市秋穂では死者2人、家屋の流失倒壊418戸、堤防決壊24カ所、塩田76ヘクタールあまり全滅など甚大な被害が発生した。関連外部サイトへのリンク集

  • 所在地: 山口県山口市秋穂東海岸通
  • 災害: 周防灘台風(1942年8月27、28日)
  • 災害種別: 高潮
  • 地図: 34.00907, 131.43063

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

山口市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、山口市内の最大値で5.97%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

山口市は洪水の危険がある?

山口市の13,044メッシュのうち3,782メッシュ(29.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

山口市に津波は来る?

山口市の795メッシュ(6.1%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は3.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

山口市の土砂災害警戒区域は?

山口市には1箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、山口県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

山口市の避難場所はどこ?

山口市には189箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「山口市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:山口市の防災で押さえておきたいこと

  • 洪水:3,782メッシュ(29.0%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大3.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。山口市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。