山口県岩国市の災害リスク

この記事では、岩国市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。岩国市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 岩国市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

岩国市(山口県)の人口は約121,402人(2025年推計)。標高は平均121.3mで、最低0.0mから最高971.2mの範囲です。

2040年には現在の60%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。


岩国市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 岩国市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

岩国市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が1.52%、市域の24.3%が洪水浸水想定区域、8.5%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が2箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「岩国市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。岩国市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 岩国市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

岩国市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大1.52%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は776.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

岩国市のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は0.57倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

岩国市では、9,652個の125mメッシュのうち2,345メッシュ(24.3%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は20.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 20.0m
浸水想定メッシュ数 2,345 / 9,652 メッシュ(24.3%)
最大浸水継続時間 336時間(約14日間)
対象河川 宇佐川、小瀬川、島田川、平田川、本郷川、東川、生見川、由宇川、錦川、門前川(10河川)

想定最大浸水深が20.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

浸水継続時間が最大336時間(約14日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「岩国市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(14日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

岩国市では、9,652メッシュのうち820メッシュ(8.5%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は3.0mです。

想定最大浸水深は3.0mです。1m未満の津波でも流速によっては歩行不能になり、巻き込まれると命に関わります。沿岸部では津波注意報にも注意し、海岸から離れましょう。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「岩国市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


高潮リスク

岩国市では、9,652メッシュのうち1,129メッシュ(11.7%)が高潮浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。

沿岸部の一部に高潮の影響が想定されています。台風接近時に高潮警報が発表された場合は、沿岸部や河口付近の低地から離れましょう。


土砂災害リスク

岩国市には2箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。9,652メッシュのうち9,613メッシュ(99.6%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、岩国市で27件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ26件、土石流0件、地すべり0件)。

また、竜巻等の突風が2件記録されています(国土数値情報・竜巻等突風データ)。

市域の大部分が土砂災害警戒区域にかかっています。山際や谷の出口付近にお住まいの方は、自宅が警戒区域に含まれるかどうか、都道府県の土砂災害警戒区域マップで確認してください。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「山口県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

岩国市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 岩国市からの距離 想定M
岩国-五日市断層帯(己斐断層区間と岩国断層区間が同時に活動) 8.8km M7.3
岩国-五日市断層帯(五日市断層区間と岩国断層区間が同時に活動) 8.8km M7.2
岩国-五日市断層帯(岩国断層区間) 8.8km M7.0

最寄りの活断層(岩国-五日市断層帯(己斐断層区間と岩国断層区間が同時に活動))から8.8kmの位置にあります。この断層が活動した場合、岩国市でも強い揺れが想定されます。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 1,900mm
1月平均気温 3.3℃
8月平均気温 26.0℃
最深積雪 69cm

土地利用

建物用地が17.6%、森林が61.2%、農地が17.2%を占めています。

人口集中地区(DID)

人口集中地区の人口は62,196人、人口密度は2,329人/km²です。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 173箇所
消防署 11箇所
学校 107校
福祉施設 256施設
警察署 28箇所

最寄りの避難施設は「岩国市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


岩国市の自然災害伝承碑

岩国市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が3基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
ルース台風災害記念碑 1952年 ルース台風(1951年10月14~15日) 洪水・土砂災害
風水害記念碑 1974年 周防灘台風(1942年8月27日) 高潮
枕崎台風時の水位 2006年 枕崎台風(1945年9月17日) 洪水

伝承内容

ルース台風災害記念碑(1952年建立)

昭和26年(1951)10月14日夜半から襲来したルース台風による豪雨で、旧桑根村内では至るところで山崩れや土石流が発生し、その濁流により河川の支流本流が氾濫した。道路・橋梁・学校等をはじめ、沿岸の耕地は破壊され、流失家屋115戸、死者78名の惨事となった。碑の側面には浸水時の最高水位が記されている。

  • 所在地: 山口県岩国市美川町南桑(美川小学校)
  • 災害: ルース台風(1951年10月14~15日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 34.20947, 132.02424

風水害記念碑(1974年建立)

昭和17年(1942)8月27日、岩国地方を襲った周防灘台風(台風16号)は、文化6年(1809)の開作以来、当時初めての大災害をもたらしました。三つある堤防の一部が悉く切れ、尾津大明神と現龍門寺の石段の上縁まで海水が押し寄せ、全213戸中、浸水家屋151戸、流失家屋35戸、死者23名を数えました。

  • 所在地: 山口県岩国市尾津町五丁目
  • 災害: 周防灘台風(1942年8月27日)
  • 災害種別: 高潮
  • 地図: 34.12833, 132.21116

枕崎台風時の水位(2006年建立)

昭和20年(1945)9月17日、当地を襲った枕崎台風による大雨で、由宇川やその支流、室岡川などが氾濫し、由宇町で死者・行方不明者42人、家屋の流失・全壊・半壊151戸、床上浸水545戸等大きな被害が及んだ。当時のこの地での浸水水位が表示されている。

  • 所在地: 山口県岩国市由宇町南二丁目
  • 災害: 枕崎台風(1945年9月17日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 34.04381, 132.21218

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

岩国市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、岩国市内の最大値で1.52%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

岩国市は洪水の危険がある?

岩国市の9,652メッシュのうち2,345メッシュ(24.3%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は20.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

岩国市に津波は来る?

岩国市の820メッシュ(8.5%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は3.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

岩国市の土砂災害警戒区域は?

岩国市には2箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、山口県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

岩国市の避難場所はどこ?

岩国市には173箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「岩国市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:岩国市の防災で押さえておきたいこと

  • 洪水:2,345メッシュ(24.3%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大3.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。岩国市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。