山口県防府市の災害リスク
この記事では、防府市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。防府市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。
この記事でわかること
- 防府市の地震発生確率と地盤の特徴
- 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
- 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
- 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
- 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
- 避難施設・防災インフラの情報
- 今日からできる災害別の具体的な備え
防府市(山口県)の人口は約111,483人(2025年推計)。標高は平均22.6mで、最低0.0mから最高401.0mの範囲です。
防府市の災害リスクについて よくある疑問
Q. 防府市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?
防府市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が18.9%、市域の52.0%が洪水浸水想定区域、14.8%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が75箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。
Q. 「防府市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?
「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。防府市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。
Q. 防府市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?
自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。
- 洪水浸水想定区域と想定浸水深
- 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
- 土砂災害(特別)警戒区域
- 活断層からの距離
防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。
地震リスク
防府市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大18.9%です(2024年版全国地震動予測地図)。
震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。
表層地盤の平均S波速度(AVS30)は269.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。
防府市のAVS30は200〜300m/sの範囲で、やや軟弱な地盤を含むエリアです。地盤増幅率は1.42倍です。家具の固定や、重い物を高い場所に置かないといった基本的な地震対策を確認しておきましょう。
30年確率が6%以上であり、一定の警戒が必要な水準です。自宅の耐震性能を把握し、非常用持ち出し袋の準備を確認しておきましょう。
今日からできる地震対策
-
家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先
-
寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える
-
枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く
-
食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける
-
感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する
洪水リスク
防府市では、4,536個の125mメッシュのうち2,358メッシュ(52.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 想定最大浸水深 | 5.0m |
| 浸水想定メッシュ数 | 2,358 / 4,536 メッシュ(52.0%) |
| 最大浸水継続時間 | 336時間(約14日間) |
| 対象河川 | 佐波川、柳川、馬刀川(3河川) |
市域の半分以上が浸水想定区域にあり、想定最大浸水深は5.0mと2階建て家屋の屋根を超える水位です。自宅がこの範囲に含まれる場合、自宅内での垂直避難(2階へ上がる)では不十分な可能性があります。最寄りの高台や浸水想定区域外の避難場所を事前に確認し、大雨時には早めの水平避難を計画しておきましょう。
浸水継続時間が最大336時間(約14日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。
今日からできる洪水対策
-
ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「防府市 ハザードマップ」で検索
-
「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する
-
避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を
-
備蓄品の準備:飲料水・食料(14日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する
津波リスク
防府市では、4,536メッシュのうち671メッシュ(14.8%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は4.0mです。
想定最大浸水深は4.0mです。1m未満の津波でも流速によっては歩行不能になり、巻き込まれると命に関わります。沿岸部では津波注意報にも注意し、海岸から離れましょう。
今日からできる津波対策
-
避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する
-
「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく
-
津波避難ビルの把握:「防府市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく
-
第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう
高潮リスク
防府市では、4,536メッシュのうち2,072メッシュ(45.7%)が高潮浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。
広範囲に高潮の影響が想定されています。台風接近時には、高潮警報・高潮特別警報に注意し、沿岸部や低地からは早めに避難しましょう。
土砂災害リスク
防府市には75箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。4,536メッシュのうち4,517メッシュ(99.6%)がこれらの区域に含まれています。
過去の記録では、防府市で76件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ25件、土石流51件、地すべり0件)。
市域の大部分が土砂災害警戒区域にかかっています。山際や谷の出口付近にお住まいの方は、自宅が警戒区域に含まれるかどうか、都道府県の土砂災害警戒区域マップで確認してください。
今日からできる土砂災害対策
-
警戒区域の確認:「山口県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する
-
前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる
-
避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する
-
就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる
活断層
防府市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。
| 断層名 | 防府市からの距離 | 想定M |
|---|---|---|
| 周防灘断層帯(周防灘断層帯主部区間) | 2.1km | M7.0 |
| 周防灘断層帯(秋穂沖断層区間) | 7.7km | M6.6 |
| 小郡断層 | 9.3km | M6.8 |
最寄りの活断層(周防灘断層帯(周防灘断層帯主部区間))との距離が2.1kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。
地域の特徴
気候
| 項目 | データ |
|---|---|
| 年間降水量 | 1,793mm |
| 1月平均気温 | 4.8℃ |
| 8月平均気温 | 27.0℃ |
土地利用
建物用地が40.3%、森林が25.8%、農地が25.8%を占めています。
人口集中地区(DID)
人口集中地区の人口は74,241人、人口密度は2,996人/km²です。
避難施設・防災インフラ
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 避難施設 | 109箇所 |
| 消防署 | 4箇所 |
| 学校 | 61校 |
| 福祉施設 | 223施設 |
| 警察署 | 13箇所 |
最寄りの避難施設は「防府市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。
防府市の自然災害伝承碑
防府市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が7基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。
| 碑名 | 建立年 | 災害名 | 災害種別 |
|---|---|---|---|
| 記念碑 | 1919年 | 洪水(1918年7月11日) | 洪水 |
| 昭和26年7月 佐波川大洪水最高水位碑 | 1988年 | 昭和26年7月豪雨(1951年7月7日~17日) | 洪水 |
| 寂静碑(慰霊碑) | 2010年 | 平成21年7月中国・九州北部豪雨(2009年7月21日) | 土砂災害 |
| 平成21年7月21日豪雨災害慰霊碑 | 2010年 | 平成21年7月中国・九州北部豪雨(2009年7月21日) | 土砂災害 |
| 豪雨災害を忘れないために | 2010年 | 平成21年7月中国・九州北部豪雨(2009年7月21日) | 土砂災害 |
| 土石流災害追憶の碑 | 2014年 | 平成21年7月中国・九州北部豪雨(2009年7月21日) | 土砂災害 |
| 防府市豪雨災害慰霊之碑 | 2014年 | 平成21年7月中国・九州北部豪雨(2009年7月21日) | 土砂災害 |
伝承内容
記念碑(1919年建立)
大正7年(1918)7月11日、台風による豪雨で佐波川が増水、氾濫して、流域で大水害となった。特に当碑のある佐波川右岸の旧右田村は被害甚大で、峪、田の口、上河原、大崎などで土手が決壊して右田地域一帯は泥海と化し、新橋は流失、約700戸の家屋が浸水したという。防府市域の浸水面積は約1,000ヘクタールであった。
- 所在地: 山口県防府市大字佐野
- 災害: 洪水(1918年7月11日)
- 災害種別: 洪水
- 地図: 34.05241, 131.52364
昭和26年7月 佐波川大洪水最高水位碑(1988年建立)
昭和26年(1951)7月、梅雨末期特有の集中豪雨により佐波川では堤防17ヶ所が決壊し、死者11人、家屋破損1,083戸、家屋浸水3,397戸、冠水面積1,388ヘクタールの大洪水となり、防府市街地を除くほとんどの低地部に氾濫が及んだ。この碑には最高水位が示されている。
- 所在地: 山口県防府市大字和字
- 災害: 昭和26年7月豪雨(1951年7月7日~17日)
- 災害種別: 洪水
- 地図: 34.13014, 131.61217
寂静碑(慰霊碑)(2010年建立)
平成21年(2009)7月21日、梅雨前線の活動が非常に活発となり、防府市では275mmの日降水量を観測する記録的な豪雨となった。この豪雨により、防府市真尾の老人ホームに土石流が直撃し12名(災害関連死を含む)が犠牲となった。慰霊碑は現在施設のある防府市上右田に移設されている。
- 所在地: 山口県防府市大字上右田
- 災害: 平成21年7月中国・九州北部豪雨(2009年7月21日)
- 災害種別: 土砂災害
- 地図: 34.09466, 131.57986
平成21年7月21日豪雨災害慰霊碑(2010年建立)
平成21年(2009)7月21日、梅雨前線の活動が非常に活発となり、防府市では275mmの日降水量を観測する記録的な豪雨となった。この豪雨による土石流により、下右田・勝坂地区の集落が被災し、4人の命が失われた。犠牲者の遺志を後世へ伝えようと、慰霊碑が建立された。
- 所在地: 山口県防府市大字下右田
- 災害: 平成21年7月中国・九州北部豪雨(2009年7月21日)
- 災害種別: 土砂災害
- 地図: 34.08735, 131.54721
豪雨災害を忘れないために(2010年建立)
平成21年(2009)7月21日、梅雨前線の活動が非常に活発となり、防府市では275mmの日降水量を観測する記録的な豪雨となった。この豪雨による土石流により、奈美地区の集落が被災し、1名の命が失われた。犠牲者の遺志を後世へ伝えようと、慰霊碑が建立された。
- 所在地: 山口県防府市大字奈美
- 災害: 平成21年7月中国・九州北部豪雨(2009年7月21日)
- 災害種別: 土砂災害
- 地図: 34.12505, 131.60348
土石流災害追憶の碑(2014年建立)
平成21年(2009)7月21日、梅雨前線の活動が非常に活発となり、未明から降り続いた雨は夜明けとともに雨脚を増し、防府市では275mmの日降水量を観測する記録的な豪雨となった。この豪雨により土砂災害が発生し、上田南川では7名が犠牲となった。災害の記憶を風化させず、大雨が降るたびに土石流の恐怖を思い起こし後世に語り継ぐためにこの碑が建立された。
- 所在地: 山口県防府市大字真尾
- 災害: 平成21年7月中国・九州北部豪雨(2009年7月21日)
- 災害種別: 土砂災害
- 地図: 34.10012, 131.60563
防府市豪雨災害慰霊之碑(2014年建立)
平成21年(2009)7月19日から26日にかけ、西日本で梅雨前線の活動が活発になり、中国地方および九州北部を中心に記録的な大雨となった。7月21日、劔神社一帯は猛烈な豪雨となり、防府市高井地区、下右田地区は剣川を流下してきた土石流にのみ込まれ、4名の尊い命が失われ、家屋や水田に多くの被害が発生した。
- 所在地: 山口県防府市高井(劔神社)
- 災害: 平成21年7月中国・九州北部豪雨(2009年7月21日)
- 災害種別: 土砂災害
- 地図: 34.07558, 131.55381
出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)
よくある質問
防府市で大地震が起きる確率は?
今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、防府市内の最大値で18.9%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。
防府市は洪水の危険がある?
防府市の4,536メッシュのうち2,358メッシュ(52.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。
防府市に津波は来る?
防府市の671メッシュ(14.8%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は4.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。
防府市の土砂災害警戒区域は?
防府市には75箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、山口県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。
防府市の避難場所はどこ?
防府市には109箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「防府市 避難場所」で検索して確認できます。
まとめ:防府市の防災で押さえておきたいこと
-
地震:30年以内に震度6弱以上の確率が18.9%。家具の固定と耐震性の確認を
-
洪水:2,358メッシュ(52.0%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認
-
津波:想定最大4.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認
-
土砂災害:75箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を
防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。防府市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。
データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。