生野ダムの基本情報と防災上の役割

生野ダム
撮影: photo: Qurren (talk) Taken with Canon IXY 10S / CC BY-SA 3.0

生野ダムは兵庫県朝来市に位置する重力式コンクリートダムで、1972年(高度経済成長期)に完成しました。堤高56m、総貯水量約1,800万m³(東京ドーム約14杯分)を誇ります。洪水調節・流水の正常な機能の維持・上水道・工業用水を目的とする多目的ダムです。

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この記事でわかること

  • 生野ダムの基本情報(位置・規模・型式)
  • 生野ダムの貯水量・流域面積
  • 生野ダムの目的と役割(多目的ダム)
  • 生野ダムの建設の歴史
  • 生野ダムの防災上の役割と災害リスク

生野ダムの基本情報

項目 内容
ダム名 生野ダム
所在地 朝来市生野町竹原野
水系 市川水系
河川 市川
型式 重力式コンクリートダム
目的 洪水調節・流水の正常な機能の維持・上水道・工業用水
管理者 兵庫県
堤高 56m
堤頂長 220m
堤体積 150千m³
総貯水量 約1,800万m³
有効貯水量 約1,700万m³
流域面積 約49km²
竣工年 1972年
築年数 54年

生野ダムの貯水量を実感する

生野ダムの総貯水量は約1,800万m³です。これは東京ドーム約14杯分に相当します。25mプールに換算すると約48,000杯分の水量です。

このうち有効貯水量(実際に利用できる水量)は約1,700万m³(総貯水量の約94%)です。

洪水調節容量(洪水時に一時的に貯められる量)は推定約100万m³です。大雨時にこの容量分の水を一時的にダムに貯めることで、下流の水位上昇を抑えます。

流域面積(ダムに水が集まる範囲)は約49km²です。
流域1km²あたり約36.7万m³の水を貯められる計算です。

生野ダムの型式:重力式コンクリートダム

コンクリートの自重で水圧に耐える最も一般的な型式で、日本のダムの多くがこの型式です。

生野ダムの目的と役割

生野ダムは多目的ダムとして、洪水調節・流水の正常な機能の維持・上水道・工業用水の4つの目的を担っています。

  • 洪水調節: 大雨時にダムに水を一時的に貯めて、下流への放流量を調整することで洪水被害を軽減します。
  • 流水の正常な機能の維持: 渇水時にダムから放流することで、河川の水量を確保し、生態系や水利用を維持します。
  • 上水道: ダムに貯めた水を浄水処理して、周辺地域の飲料水・生活用水として供給します。
  • 工業用水: ダムに貯めた水を工場等の産業用水として供給します。

生野ダムの歴史

生野ダムは1963年に着工し、9年の工期を経て1972年に完成しました。

施工は熊谷組が担当しました。

現在は兵庫県が管理を行っています。

生野ダムの防災上の役割と災害リスク

洪水調節機能

生野ダムは洪水調節機能を持つ多目的ダムです。大雨や台風による洪水時に、ダムに水を一時的に貯めることで下流の市川の水位上昇を抑制し、浸水被害を軽減する重要な役割を果たしています。

洪水調節容量は推定約100万m³で、この容量を超える洪水が発生した場合は、流入量をそのまま放流する「異常洪水時防災操作(緊急放流)」が実施される可能性があります。

緊急放流(異常洪水時防災操作)とは

ダムの洪水調節容量が限界に近づいた場合、ダムに流入する水をそのまま下流に放流する操作です。緊急放流が実施されると、下流の水位が急激に上昇するため、非常に危険です。

  • 緊急放流の実施が予想される場合、ダム管理者から自治体に通知されます
  • 自治体から避難指示が出たら、速やかに避難してください
  • 近年では2018年の西日本豪雨、2019年の台風19号で複数のダムが緊急放流を実施しました

築54年のダムの安全性

生野ダムは竣工から54年が経過しています。コンクリートダムの耐用年数は一般に100年以上とされていますが、堆砂(ダム湖に土砂が溜まる現象)による貯水容量の減少や、コンクリートの劣化が課題となる場合があります。

国土交通省では定期的なダム点検(3〜5年ごと)を実施しており、安全性の確保に努めています。

生野ダム下流域にお住まいの方へ

ダムがあっても、計画規模を超える大雨(想定外の豪雨)が発生した場合は下流で浸水が発生する可能性があります。以下の備えを確認しておきましょう。

  1. 洪水ハザードマップの確認: お住まいの自治体が公開している洪水ハザードマップで浸水想定区域・浸水深を確認する
  2. 避難場所・経路の確認: 洪水時の避難場所と安全な経路を家族で共有する
  3. 気象情報の注視: 大雨警報・洪水警報が発表されたら、川や用水路に近づかない

  4. 緊急放流情報の確認: ダム管理者や自治体からの緊急放流に関する情報に注意する

ダムは洪水を「なくす」施設ではなく、「軽減する」施設です。ダムの下流だからといって安全とは限りません。

生野ダムに関するよくある質問

生野ダムの貯水量はどのくらいですか?

生野ダムの総貯水量は約1,800万m³(東京ドーム約14杯分)です。

生野ダムは何のために造られましたか?

生野ダムは洪水調節・流水の正常な機能の維持・上水道・工業用水を目的とする多目的ダムとして建設されました。

生野ダムが満水になったらどうなりますか?

ダムの洪水調節容量が限界に近づいた場合、異常洪水時防災操作(いわゆる「緊急放流」)が行われることがあります。これは流入量をそのまま下流に放流する操作で、下流の水位が急上昇する可能性があります。自治体からの避難指示に速やかに従ってください。

生野ダムは老朽化していませんか?

竣工から54年が経過していますが、コンクリートダムの耐用年数は一般に100年以上とされています。国土交通省による定期点検が実施されており、必要に応じて補修・補強が行われています。

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まとめ

  • 生野ダムは兵庫県に位置する重力式コンクリートダムです
  • 堤高56m、総貯水量約1,800万m³の大規模ダムです
  • 多目的ダムとして下流域の洪水被害軽減に貢献しています
  • ダムの下流でも計画を超える大雨時は浸水リスクがあります。ハザードマップで事前確認を
  • お住まいの地域の災害リスクは防災DBで無料診断できます

データ出典

  • 国土交通省 ダム便覧(MLIT DPF経由) https://www.mlit-data.jp/
  • 国土数値情報 ダムデータ https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-W01.html
  • Wikimedia Commons(画像、個別ライセンスは各画像に表記)
  • Wikidata(CC0)

本記事は上記のオープンデータを基に、防災DB編集部が作成しました。データは定期的に更新されますが、最新の情報は各機関の公式サイトをご確認ください。

最終更新: 2026年04月