知多市のハザードマップは、市の「防災マップ」だけで確認を終えず、2026年6月15日に見直された県の津波浸水想定、別に公表された内水図、最新の避難所案内を合わせて使います。市は現在の防災マップに載る津波情報が県の見直し前のものだと明記しています。また、指定避難所の一覧に載っていても、工事により利用できない施設があります。

最初に自宅を各災害の図で探し、浸水の深さや土砂災害の区域を確認してください。その後、候補の避難先について災害の種類、利用する建物・場所、工事等の制限、実際の開設情報を照合します。地図の色がないことや施設の指定だけで、住所・経路の安全や現在の受入れを判断することはできません。

知多市の公式ハザードマップは、調べたい災害に合わせて開く

市の知多市防災マップの案内に、冊子、地震編、風水害編のPDFがあります。冊子は避難行動の考え方、地図は自宅・避難先周辺の位置を確認するために使います。2025年2月の全戸配布後に、施設の指定取消し・追加や防災気象情報の変更が反映されています。手元の紙と電子版の掲載内容が同じとは限りません。

確認したいこと 開く公式資料 図の条件と、合わせて確認すること
川の洪水・高潮・土砂災害 市の防災マップ「風水害編」 洪水は河川別の図と家屋倒壊等氾濫想定区域、高潮は別の浸水深凡例、土砂は警戒区域・特別警戒区域を見る。内水は別図で確認する
排水しきれない雨による内水 市の「雨水出水浸水想定区域図」浸水深・浸水継続時間 下水道計画区域(雨水)が対象。時間最大147mmを条件とする内水の計算で、洪水・津波・高潮は含まない
見直し後の津波浸水範囲・水深 県の「愛知県津波浸水想定の公表について」 2026年6月15日見直し。市の現行防災マップの津波情報は見直し前。県の全県図から該当する詳細図を選ぶ
揺れ・液状化 市の防災マップ「地震編」下部の分布図 過去地震最大モデルと理論上最大モデルを別に読む。図の県の出典と、最新の県の津波見直しを混同しない
避難先の役割・利用制限 市の「避難所について」 指定避難所と指定緊急避難場所、災害別・場所別の対応、工事による利用停止を確認。指定と現在の開設は別
過去の浸水記録 市の「洪水ハザードマップ・浸水実績図」 東海豪雨の実績図は2000年9月の記録。想定最大規模の洪水図や内水図の代用にはしない

洪水図の雨量は、避難を始める基準ではない

風水害編PDFの右側に、河川別の洪水図と計算条件があります。阿久比川の条件は24時間821mm、信濃川・横須賀新川は12時間708mmです。日長川・鍛治屋川、矢田川・前山川の図は24時間836mmです。掲載された公表年月日は2024年11月12日で、図ごとに対象河川と降雨の時間を確かめます。

これらは想定最大規模の洪水を計算するための条件で、雨量がその値に達するまで避難しなくてよいという意味ではありません。地図では自宅だけでなく、避難先とそこまでの経路も確認します。橋、低い道路、川沿いなどを通る場合は、現在の水位や市の情報も見て、別の候補を用意してください。

家屋倒壊等氾濫想定区域には、洪水の強い流れによる「洪水氾濫」と、川岸が削られる「河岸侵食」の表示があります。浸水深だけを見て、上階に移ればよいと判断しないでください。市の冊子の在宅避難の判断も、浸水より高い階への移動、家屋倒壊等氾濫想定区域に該当しないこと、水が引くまで生活できる備えを合わせて確認する内容です。

内水は「浸水深」と「0.5m以上が続く時間」を別に読む

市の雨水出水浸水想定区域の案内から、浸水深のPDFと浸水継続時間のPDFを開けます。

両図とも対象は下水道計画区域内で、赤い線が想定対象区域を示します。計算条件は1時間最大降雨量147mmです。排水先の河川の水位を想定する最高水位に設定して雨水の排水状況を計算していますが、河川の破堤・越水による洪水、津波、高潮による氾濫を重ねた図ではありません。対象外の場所や色がない場所も、浸水しないと保証されるわけではありません。

浸水深の凡例は、0.05〜0.30m未満、0.30〜0.50m未満、0.50〜1.00m未満、1.00〜3.00m未満、3.00〜5.00m未満の5区分です。色だけを覚えず、その図の凡例で深さを読みます。自宅に色がない場合も、通る道路や家族の移動先を別に探してください。

継続時間図の凡例は、浸水深0.5m以上が継続する時間です。12時間未満、12時間〜24時間未満、24時間〜72時間未満の3区分があります。雨がやむまでの時間、道路が使えるようになる時間、水が完全に引く期限を示すものではありません。

例えば、自宅の床の高さが浸水深より高くても、周辺で0.5m以上の浸水が長く続く想定なら、外へ出られない場合の水・食料・薬・トイレや支援の受け方も考える必要があります。屋内にとどまる判断は、洪水・土砂災害等も確認したうえで行います。

津波は県の2026年見直し後の図へ進む

市の防災マップの案内は、2026年6月15日に県が津波浸水想定を見直したことと、現在の市の防災マップに載る津波情報は見直し前であることを明記しています。冊子や市の地震編にある津波の数値・避難対象地域を、そのまま県の見直し後の想定だと読まないでください。

県の愛知県津波浸水想定の公表ページには、全県図、解説書、詳細図があります。知多市を含む詳細図は図面番号4・5・6・9です。まず全県図で調べたい場所を探し、その場所に対応する詳細図を選びます。複数の図に市名が載っているため、市名だけで1枚を選ばず、自宅や避難経路の位置を確認してください。

県の案内では、マップあいちの「マップ一覧」から「くらし・安全」カテゴリの「水害情報マップ」でも確認できます。ここで案内しているのは公式ページの入口と操作案内で、個別住所の浸水深を判定したものではありません。

地震時は古い冊子の到達時間を待ち時間に使わず、市の「揺れたら避難」という行動を確認しておきます。津波の危険がある場所では、揺れが収まって移動できるようになったら、できるだけ早く安全な高い場所へ避難します。事前に県の新しい浸水想定、市の避難先情報と地形を照合し、複数の候補を決めておきましょう。

地震の分布図は、モデルと指標をそろえて比べる

市の地震編PDFの下部には、過去地震最大モデルと理論上最大モデルの震度分布・液状化危険度があります。評価単位は約250mメッシュで、出典は県の東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査結果です。市が現在提供するこの図を、県の2026年津波見直しと同じ版の地震予測だと扱わないでください。

液状化の凡例には危険度のほか「計算対象層なし」「計算対象外」があります。計算結果の区分と計算の対象ではない区分を区別し、灰色や白色だから自宅が安全とは判断しません。図は地域の備えを考える資料で、自宅1棟の被害確率や地盤調査の結果を表していません。

施設一覧の名前だけで決めず、利用停止と災害別の指定を確認

市の避難所についてには、2026年9月2日更新の案内と、指定避難所・指定緊急避難場所の一覧があります。指定避難所は被災後の生活のための施設、指定緊急避難場所は災害の危険から逃れるための場所です。緊急避難場所の一覧は災害の種類別で、同じ学校でも体育館等とグラウンドの行が分かれています。

さらに、指定の一覧と一時的な利用制限を合わせて読む必要があります。次の5件は、紙の地図だけで候補を決める前に照合したい変更です。

施設名 公式案内で確認できる指定・制限 避難先を考えるときの確認
中部中学校 工事に伴い、2026年7月1日から12月末頃まで避難所として使用できない その期間は避難所の候補にせず、別の施設の災害別対応と開設情報を確認する。終了日は「頃」で、再利用の状況は市の案内を確認する
東部中学校 工事に伴い、2026年7月1日から12月末頃まで避難所として使用できない 一覧に名前が載っていても、工事期間の利用を前提にしない。移動経路を含めて別の候補を用意する
県立知多翔洋高等学校 市の防災マップ案内に、2026年4月1日から指定避難所へ新たに指定したと記載 新たな指定と現在の開設を区別する。学校名の指定を、すべての建物・災害で同じ使い方ができる保証にしない
旧寺本台グラウンド 土地の売却等に伴い、2025年7月1日に指定緊急避難場所の指定を取消し 配布された紙に載っていても、指定緊急避難場所として候補にしない。電子版と市の最新案内を確認する
旧梅が丘グラウンド 土地の売却等に伴い、2025年7月1日に指定緊急避難場所の指定を取消し 指定が取り消された場所へ向かう計画を見直し、災害の種類に対応する別の避難先を確認する

市は地区別に避難所を割り当てていません。自宅に最も近い施設を自動的な指定先と考えず、そのときの災害に対応し、移動の安全も確かめられる候補を選びます。危険区域にかかる施設の「△」は、条件により使用するという表示で、無条件の受入れではありません。現在の開設状況は市の最新の発表を確認してください。

市の案内では、避難所利用者登録票をあらかじめ記入し、非常用持出袋に入れておく方法も示されています。家族の連絡方法、薬や補助具、持ち出すものを一緒に準備すると、急いで移動するときの確認を減らせます。

避難のタイミングと、困ったときの問い合わせ先

市の新しい防災気象情報の案内で、気象情報と避難行動を確認できます。警戒レベル3では避難に時間がかかる人と支援する人が避難を始め、警戒レベル4では危険な場所から全員避難します。気象情報と市の避難情報は必ず同時・同じレベルになるとは限りません。市の避難情報がまだ出ていなくても、キキクルや河川の水位、現在の危険を確認して行動します。台風の場合は暴風が始まる前に避難を完了する考え方が示されています。

平時に問い合わせるときは、町名、見ている図の名称、施設名、判断に迷う箇所を伝えると確認しやすくなります。

  • 避難先の指定、工事中の利用制限、地震・津波等の避難の相談は、防災危機管理課の0562-36-2638へ。
  • 内水図の対象区域や排水の計算条件は、下水道課の0562-55-9591、または土木課の0562-36-2670へ。
  • 洪水図と過去の浸水実績図については、土木課の0562-36-2670へ。実績図では市の案内の区画から該当するPDFを選びますが、過去に記録がない場所も安全とは限りません。

地図が読みづらい場合は、市の防災マップ案内にベトナム語・ポルトガル語・スペイン語・タガログ語の資料と「耳で聴くハザードマップ」の入口があります。必要な言語・方法を選び、見直し後の津波情報や施設の利用制限がどの資料に反映されているかも市へ確認してください。災害時には市ホームページ、防災行政無線、ちたまる安全安心メルマガ、メディアスFM等から最新の情報を確かめます。

よくある確認

市の地震編にある津波の数字を、今の想定として使ってよいですか。

市は掲載中の津波情報が県の2026年6月15日見直し前のものだと明記しています。県の公表ページの全県図と詳細図へ進み、古い到達時間を避難開始までの余裕だと考えないでください。

洪水図に色がなければ、内水の図は見なくてもよいですか。

内水図は別の排水条件を計算したものです。赤い対象区域線と浸水深・継続時間を確認し、洪水・高潮・土砂災害等も別に照合します。

避難所一覧に載っている学校なら、そのまま行けますか。

指定だけで現在の開設や利用を保証しません。工事による制限、災害別・場所別の指定、移動経路と市の開設発表を確認します。

地震図の液状化が灰色なら、危険はないのですか。

「計算対象層なし」「計算対象外」と危険度の区分を分けて読みます。個別の地盤の安全を判定した結果ではありません。