知立市では、洪水・内水・高潮を別の図で確認します。川の氾濫を示す洪水図で色がなくても、排水路・下水道から水があふれる内水の危険までないとはいえません。避難先も、体育館、校庭、福祉避難所で役割と開設条件が異なります。

市が提供する洪水図は2022年3月改訂、内水図は2025年7月作成です。高潮図は2021年6月に県が公表した想定を基に、市が2025年4月から公表しています。地震図は震度・液状化・建物被害を2つのモデルで示す別資料です。まず必要な図を選び、自宅周辺と避難経路を照らし合わせます。洪水図の案内・内水図の案内・高潮図の案内

何を知りたいかで公式ハザードマップを選ぶ

確かめたいこと 開く公式資料 読み取る内容
河川が氾濫した場合の深さ・避難先 洪水マップ・地図面・情報面 河川ごとの想定を重ねた浸水深と、備え・避難情報の説明。地図面は外水氾濫の想定。
下水道・水路からあふれる水 内水マップ・地図面・情報面 2025年7月の内水想定、計算対象の範囲、深さ別の避難の目安。洪水図とは前提が違う。
内水で浸水が続く時間 雨水出水浸水想定区域図・浸水継続時間 赤枠の対象範囲と、継続時間の2区分。深さだけでは分からない制約を読む。
高潮による浸水 高潮ハザードマップ 室戸台風級の台風と堤防等の決壊を想定した浸水域。洪水図の代わりにはしない。
地震の揺れ・液状化・建物被害 地震被害ハザードマップ 理論上最大想定モデルと過去地震最大モデルの3指標、計6図。出典年と凡例を読む。
生活する避難所と、屋外の避難場所の区別 知立市の避難場所 指定避難所、広域避難場所、一時避難場所、福祉避難所の用途と条件。掲載は現在の開設を意味しない。
家族の備え・地域の詳しい情報 防災ガイドブック・小学校区別防災カルテ ガイドブックは地震・風水害・自主防災に分かれる。カルテは7学区の入口から該当地域を選ぶ。個々の資料の作成年も確かめる。

洪水図は「最大の重ね合わせ」と雨量の時間幅を読む

地図面の説明には、逢妻川・逢妻男川、猿渡川・吹戸川・割目川、矢作川などの河川が増水し、水があふれたり堤防が壊れたりしたときの浸水を示すとあります。洪水浸水想定区域図などを重ね、最大となる範囲と深さを表示しています。すべての浸水が同時に起こるという予報ではありません。 洪水マップ・地図面の注意事項

計算の前提になる流域総雨量は、逢妻川流域は24時間765mm、猿渡川流域は24時間822mm、矢作川流域は48時間683mmです。流域全体の雨量であり、時間幅もそろっていません。この数字を自宅の雨量に置き換えたり、「この雨量まで待てる」と避難判断に使ったりしないでください。

浸水深の凡例は、0.3mまで、0.3~0.5m、0.5~1.0m、1.0~3.0m、3.0~5.0m、5.0~10.0mの6区分です。家の絵では、0.3mは子どもの避難行動が困難になる深さ、0.5mは屋外の避難行動が困難になる深さの目安として示されています。その深さになるまで道路を歩いてよい、という通行可能な基準ではありません。 流れや見えない側溝などの危険もあるため、浸水前に移動できる経路を考えます。

地図は計算結果であり、実際の雨の降り方によっては着色のない場所も浸水したり、深さが変わったりします。自宅に加え、普段通る道、地下道、避難先までの区間を確認してください。洪水マップ・地図面

内水図の147mm・紫枠・継続時間は、それぞれ別の情報

内水は、排水路・下水道の能力を超える雨が降った場合や、川の水位が上がって雨水を川へ流せない場合などに、宅地や道路へ水があふれる現象です。市は2025年7月の雨水出水浸水想定区域を基に、内水ハザードマップを提供しています。市の内水解説

地図面の計算条件は、2024年度の排水施設の整備状況と、時間最大雨量147mmの想定最大規模降雨です。河川の破堤・越水による洪水は計算に含めていません。 下水道施設をモデル化しているため、未整備の地域などでは、側溝・水路といった下水道施設以外の排水施設の影響で、想定が異なる場合もあると記載されています。内水マップ・地図面の説明

地図右側の凡例で、紫の枠は「検討対象範囲(下水道計画区域)」を示します。枠の外や、色のない場所を浸水しない区域と決めつけないでください。147mmも計算条件で、雨量がそこまで増えるのを待つ目安ではありません。

内水図の深さは0.3mまで、0.3~0.5m、0.5~1.0m、1.0~3.0mの4区分です。洪水図にはさらに深い区分があるため、図を切り替えたら凡例を読み直します。情報面は、予想深さと建物の高さ・居住階を合わせて避難の目安を考えるよう案内し、1階が浸水するおそれがある区域では早期の立退き避難が必要と示しています。建物の絵だけで、自宅の階が安全と判断しないでください。内水マップ・情報面

浸水が続く時間は、別の浸水継続時間図で読みます。凡例は12時間未満/12時間以上の2区分です。この図は赤枠で囲まれた範囲を対象とし、時間最大雨量147mm、想定を超える雨や河川の破堤・越水による氾濫を考慮していない条件が記載されています。実際の継続時間が異なる場合もあり、完全に水が引く時刻や道路の通行再開を保証する時計には使えません。

避難経路は、図の浸水深に加え、内水情報面で注意されているアンダーパスや地下道を確認します。浸水後の歩行方法を避難計画の前提にせず、暗くなる前や道路が浸かる前に移動できるよう、市の避難情報を受け取る準備をしておきます。

体育館・校庭・福祉避難所は、同じ役割ではない

市の避難場所案内は、指定避難所を一定期間滞在する施設、広域避難場所を火災の延焼など大きな被害が予想されるときに屋外で避難する場所、一時避難場所を中継地点・一時集合や救援活動の拠点として区別しています。市の避難場所案内

施設名 市の一覧での用途・条件 選ぶ際の注意
知立小学校体育館 指定避難所の一覧No.1。 「体育館」の指定を、校舎の全棟・全階の利用や常時開設と読み替えない。
知立小学校校庭 広域避難場所の一覧No.1。 同じ学校でも体育館とは用途が異なる。屋外の場所を避難生活施設と取り違えない。
おんじぃのへや知立店 福祉避難所の一覧No.5に「※」。 福祉避難所は二次避難所。浸水想定区域内のため、水害時に開設できない場合がある。
かとれあワークス 福祉避難所の一覧No.8に「※」。 同じく水害時の開設に条件がある。一般の避難所で生活に支障がある人のための施設で、直接の受入れを保証しない。

施設名と区分は市の避難場所案内によります。福祉避難所は災害直後に開設される施設ではなく、必要に応じて開設される二次避難所です。配慮が必要な家族がいる場合は、先に一般の指定避難所の候補と、支援を求める方法を市へ確認しておきます。

一覧に載ることと現在の開設は別です。市の案内ページには2016年の更新日が表示されており、施設の営業・受入れ状況をその日付や掲載名だけで判断できません。地図面は、避難所の開設状況を市役所や市ホームページで確認するよう案内しています。避難する際は、今の災害と開設情報に合わせて確認してください。洪水マップ・地図面

高潮図と地震図も、出典と想定を分けて読む

高潮図は、室戸台風級の台風が上陸し、堤防等が決壊する最も危険な事態を想定しています。市の図が2025年に公表されたことと、基になった県の高潮想定が2021年に公表されたことは別です。洪水図の着色だけで高潮を判定せず、高潮図で自宅・経路の位置を確かめます。市の高潮解説

地震図は、震度分布が図1・2、液状化危険度が図3・4、建物全壊・焼失率が図5・6です。奇数の図は理論上最大想定モデル、偶数の図は過去地震最大モデルを使っています。比べる際は、同じ指標の図どうしで、どちらのモデルかを合わせて読んでください。地震被害ハザードマップ

6図の出典は2014年5月30日発表の県の被害予測調査です。案内ページの更新日が新しくても、図の元データがその年の新しい想定になったとは限りません。現在の発生確率や最新の県の想定を、この図の数字で置き換えないでください。

液状化の凡例には、危険度の4段階に加えて、灰色の「計算結果なし」と白色の「計算対象外」があります。どちらも「液状化しないことを確認した土地」という意味ではありません。震度も液状化も地域のメッシュ図であり、自宅一軒の地盤・耐震性の診断には代用できません。

建物全壊・焼失率も、モデルの条件で推計した地域の建物被害を示す指標です。自宅がその割合で倒壊する確率ではありません。図の下にあるライフラインの被害予測は、市が2015年度に実施した過去地震最大モデルの調査による別の想定です。「95%復旧するのに」という欄の期間を、自分の家の水道・電気がその日に必ず戻る期限と扱わないでください。図自体も、想定どおり復旧するとは限らないと明記しています。地震図の凡例・ライフライン説明

読みづらい図・開設情報・不明な条件の確認先

住所に近い地点を探す際は、洪水図の案内にある「知立市地図閲覧サービス」から、住所や目標物で対象を検索できます。紙の図の色と境界が分かりづらい場合も、使っている図が洪水か内水かを区別して調べます。

防災ガイドブックの案内には、英語・中国語・ポルトガル語・ベトナム語・タガログ語の避難所マップや、音声で情報を聞く「耳で聴くハザードマップ」の利用案内があります。洪水・内水図には英語・ポルトガル語の版もあります。図が読みづらいことを理由に確認を省かず、必要な言語や音声の入口を選んでください。

現在の避難情報は、市ホームページや、市の資料が案内する「知立市すぐメール」「知立市公式LINE」などから受け取れるようにしておきます。古い情報面の気象情報名・水位表だけで発災時の判断を固定せず、その時点の市の発表を確認します。この記事は現在の開設や河川水位を実況するものではありません。洪水情報面・内水情報面

洪水図の条件は土木課整備係の0566-95-0163、内水の計算範囲・継続時間は下水道課下水工務係の0566-95-0134、避難所の用途や配慮が必要な家族の避難については安心安全課防災係の0566-95-0160が問い合わせ先です。町名、図の名称、凡例や枠のどこが分からないか、検討する施設名と対象災害を伝えて尋ねてください。洪水の窓口・内水の窓口・避難場所の窓口

地域の災害情報を併せて整理する場合は、防災DBの知立市の災害リスク情報も参照できます。避難先の使用条件と最新の開設情報は、市の公式案内で確認してください。