扶桑町のハザードマップは、町の防災マップ公開ページから確認できます。自宅の住所を探すときは、河川からの洪水、過去の内水による浸水、地震の揺れ・液状化を別々に見て、避難先は災害別の指定を確認してください。
特に注意したいのは、冊子の「過去の浸水実績 内水はん濫」が将来の浸水予測図ではない点です。また、防災マップは2023年1月作成ですが、同じ公開ページには2024年11月の県の河川図も追加されています。ページの更新日だけで全図面を同じ版と判断せず、図ごとの条件を比べましょう。
公式ハザードマップは何を調べたいかで選ぶ
町の防災マップは風水害編・地震編に分かれ、必要なPDFを個別に開けます。公開ページの更新日は2025年3月3日、冊子の作成年月は2023年1月です。避難施設は冊子だけで決めず、指定緊急避難場所・指定避難所の一覧と照合します。
| 確認したいこと | 開く公式資料 | 読むときの条件・違い |
|---|---|---|
| 木曽川・新郷瀬川からの洪水 | 冊子の外水はん濫図 | 最大規模の降雨に伴う浸水区域と水深。図の出典は2020年4月の資料 |
| 追加された河川を含む洪水 | 郷瀬川流域の県図、新川流域の県図 | 2024年11月12日の指定・公表に関する図。想定最大規模、計画規模、継続時間、家屋倒壊等の図を分ける |
| 町内で過去に浸水した場所 | 内水はん濫の実績図 | 過去の複数の浸水実績を重ねた図。将来の最大規模の予測ではない |
| 地震の揺れと地盤の影響 | 震度分布、液状化危険度 | 理論上最大想定モデル・陸側ケース。両図の出典は県の2014年3月の報告書 |
| ため池の破堤による浸水 | 入鹿池浸水想定区域図の説明 | 満水時の破堤・短時間の全量流出を仮定。河川洪水の図とは計算条件が違う |
| 災害に合う避難先 | 施設一覧PDF | 地震、洪水、内水氾濫、大規模火災の指定と、滞在先の種別を列ごとに確認 |
住所の位置を見つけたら、家だけでなく学校・職場・避難先までの道も各図で確認します。道路の低い部分や河川沿いを通る場合は、目的地の指定だけで経路まで安全と考えず、平時に別の道も調べておきましょう。
洪水の図は深さ・規模・時間を別々に読む
冊子の外水図と2024年の県図を見比べる
冊子の外水図には木曽川と新郷瀬川の浸水想定があり、水深の目安として0.5m、3.0m、5.0mが示されています。建物の実際の高さや構造は一様ではないため、図の住宅イラストだけで自宅の階が安全と決めないでください。
2024年の郷瀬川流域PDFは、想定最大規模の水深、浸水継続時間、計画規模の水深、家屋倒壊等氾濫想定区域の河岸侵食・氾濫流という5つの図です。想定最大規模は流域の24時間総雨量790mm、計画規模は312mmを前提としており、同じ条件の色違いではありません。
新川流域PDFは、想定最大規模、浸水継続時間、計画規模、河岸侵食の4つの図です。想定最大規模の説明欄には、新川751mm、五条川下流736mm、五条川上流・大山川815mm、青木川805mm、支川836mmという24時間総雨量が記載されています。計画規模の図では、新川376mm、五条川下流329mm、支川277mmと記され、一部の水位周知区間について計画規模を別途指定・公表する旨もあります。流域図の雨量を、扶桑町の全住所に共通する単一の雨量として置き換えないようにします。
これらの県図は、対象河川以外の河川・水路等の決壊、前提を超える降雨、高潮、内水による氾濫等を考慮していません。色がない地点でも、別の条件や内水で浸水する可能性があることを説明しています。
継続時間は帰宅や復旧の期限ではない
両流域の継続時間図は、浸水深0.5m以上が継続する時間を示します。郷瀬川流域は12・24・72時間未満、新川流域はそれに168時間未満を加えた凡例です。図ごとの凡例を読んでください。
これは水が完全になくなる時刻、停電や断水の復旧日、道路が通れる時刻を示したものではありません。住まいの周囲が浸水し得る場合は、早めの移動と、移動できなくなった場合の備えを家族で考えます。
家屋倒壊等氾濫想定区域も水深とは別の指標です。郷瀬川流域では河岸侵食と氾濫流の図が別にあり、新川流域のPDFには河岸侵食の図があります。建物が流失・倒壊する危険がある区域を、自宅の上階へ上がるだけで安全な場所と扱わないでください。原図も、個々の建物の構造・強度によって区域境界は厳密ではなく目安としています。
内水の実績図に色がない場所は安全なのか
冊子の内水図は、1974年、1976年、1991年、2000年、2013年の複数の浸水実績を合わせた図です。図中には、町に寄せられた情報や職員の報告等に基づくため実際と異なる場合があり、すべての実績を正確に反映しているとは限らないと明記されています。
過去の浸水実績図であり、浸水を予測した図ではありません。 色のない場所を将来の内水リスクがない地点と判断せず、雨の降り方や排水の状況も確認します。河川からあふれる外水と、側溝・下水道等の排水が追いつかない内水を別に見ることが大切です。
平時には家の周りの雨水ますや側溝を点検し、落ち葉・ごみや排水を妨げる物がないか確認します。危険な雨の最中に見回りへ出ることは避け、浸水に備えた持出品や家財の置き場所を前もって整理してください。
入鹿池の図は河川洪水と同じ条件ではない
町の入鹿池の説明ページは、満水時に堤体が破堤し、全量が短時間に流出する条件のシミュレーションと説明しています。計算は50m間隔のメッシュで、微地形の影響を反映せず、区域内や隣接する河川は決壊していない前提です。
最大浸水深は区域全体で同時に発生するものではありません。水位・気象条件・決壊の過程・土地利用によって実際と異なるため、到達時間の表示を「そこまで待てる時間」と考えないでください。町は大規模地震に対する耐震性が確認されていることも説明し、万が一への備えとして図を公表しています。図の公表を、破堤が差し迫っているという意味で受け取る必要はありません。
避難施設は災害別の○と施設の役割を確認する
町の施設一覧は、身を守る「指定緊急避難場所」と、一定期間生活する「避難所」を別の列で示しています。以下は公開中の一覧の具体例です。○はその列での指定、空欄はその列に○がないことを表し、今開いているという意味ではありません。
| 施設名 | 指定緊急避難場所の災害別指定 | 滞在先等の役割・確認点 |
|---|---|---|
| 柏森小学校 | 地震・洪水・内水氾濫・大規模な火事に○ | 指定避難所・広域避難場所にも○ |
| 山名小学校 | 地震・内水氾濫・大規模な火事に○、洪水は空欄 | 指定避難所でも、洪水の緊急避難先として同じ判断にしない |
| 扶桑町総合グラウンド | 地震・大規模な火事に○、洪水・内水氾濫は空欄 | 広域避難場所に○。生活する指定避難所の列は空欄 |
| 誠信高等学校体育館・武道場 | 4種類の緊急避難場所の列は空欄 | 補助避難所に○、「水害のみ」の注記あり |
| 扶桑町児童センター | 4種類の緊急避難場所の列は空欄 | 福祉避難所に○、「妊産婦・乳幼児」の注記あり |
学校という名前だけで洪水の緊急避難先に選ばず、災害の列を確認してください。一覧の2ページ目には通常時の収容可能人員と感染症対策の収容可能人員が別に示されていますが、どちらもその時点の空き人数や当日の受入状況ではありません。
町は補助避難所を、指定避難所への収容が困難な場合に順次開設すると説明しています。福祉避難所も災害直後にすぐ開設する施設ではなく、一般避難所での避難者の状況により町が判断する二次的避難所です。対象となる家族がいる場合は、平時に町へ避難方法と必要な支援を相談し、施設へ直接行けば受け入れられると決めないでください。
揺れの図と液状化の図で何を確認するか
冊子の震度分布と液状化危険度は、どちらも南海トラフ巨大地震の「理論上最大想定モデル 陸側ケース」です。震度は揺れの強さ、液状化危険度は地盤に関する危険度で、同じ指標ではありません。
両図が示す出典は、愛知県の2014年3月の被害予測調査報告書です。2023年の冊子や2025年の公開ページ更新を、地震想定そのものの改定年と混同しないでください。ここでは町が掲載する冊子の前提を案内しており、県の新しい被害想定との数値比較や個々の住宅の耐震性評価は行っていません。
住所周辺の揺れと液状化をそれぞれ見たうえで、家具の固定、寝る場所や出口をふさぐ物の整理を進めます。危険度の区分を、その住宅が倒壊する確率や地震の発生確率に読み替えないようにしましょう。
避難の時期・備蓄・問い合わせ先
町の冊子は、警戒レベル3の高齢者等避難で避難に時間がかかる人が危険な場所から避難し、レベル4の避難指示で危険な場所から全員避難する行動を案内しています。レベル5の発令を待つものではありません。
気象情報の名称は冊子作成後に変わりました。町の2026年2月のお知らせは運用開始の予告ですが、気象庁の現行案内では2026年5月29日から新たな防災気象情報の運用を開始したと確認できます。気象庁は、自治体の避難指示等がなくてもレベル4・3に相当する情報が出た場合には、キキクルや河川水位等を使って自ら判断するよう案内しています。町の避難情報、現在の気象情報、身近な状況を合わせて確認してください。
平時に決めておくことは次の3点です。
- 災害別に自宅・避難先・経路を確認し、家族の移動や支援に必要な時間を考える。
- 町のひまわりあんしん情報メール、防災行政無線、テレビ・ラジオなど、情報を得る手段を複数用意する。
- 町の防災の日の案内に沿い、食糧7日分、飲料水1人1日3リットル、常備薬等を準備し、家族の安否確認方法を決める。
在宅避難は自宅で安全を確保できる場合の選択肢です。図の色だけで安全を決めず、建物・浸水条件・家族の状態を確認します。経路を歩いて確かめる場合も、災害のない平時に行ってください。
図の見方や避難方法で判断できない点は、町の生活安全部防災安全課防災安全グループ、0587-92-4110へ相談できます。「どの図を見たか」「地区」「災害の種類」「家族に必要な支援」を整理すると具体的に確認しやすくなります。災害時の開設・受入状況は、その時点の町の案内を確認してください。