大治町のハザードマップは、河川ごとの洪水図、別冊の内水図、高潮図、地震の図を分けて読むことから始めます。避難先も学校名だけでは決められません。町の指定緊急避難場所の一覧には、河川別に「2階以上」「○」「×」があり、同じ学校でも校舎・体育館・グラウンドで条件が異なります。

自宅を各図で探し、想定される深さ、家屋倒壊等氾濫想定区域、浸水継続時間を確認した後、候補の避難先の建物・階と移動経路を照合します。掲載された雨量や到達時間は避難を待つ目安ではなく、地図の白地や施設の指定も現在の安全・開設の保証にはなりません。

公式ハザードマップの入口と、資料ごとの時点を確認する

町の防災ガイド&ハザードマップの案内から、河川別の図と内水・高潮・地震のPDFを開けます。冊子の掲載内容の基準日は2019年12月1日と明記され、2021年5月の避難情報の差し込み資料、2021年3月作成の内水図、2023年3月改定の高潮図も別に掲載されています。案内ページに並んでいるからといって、全資料が同じ時点の想定ではありません。

次の表は、町が現在提供するPDFに書かれた条件を読むための整理です。河川図の指定年月日や雨量は、掲載図の条件であり、現在のすべての県・国資料がこの版であると断定するものではありません。

確認する図 掲載PDFの主な条件・時点 自宅・避難先を確認するときの注意
庄内川・計画規模 愛知県区間24時間376mm、岐阜県区間24時間305mm。指定2016年12月15日 想定最大規模と同じ条件ではない。計画規模の図だけで確認を終えない
庄内川・想定最大規模 愛知県区間24時間578mm、岐阜県区間24時間637mm。指定2016年12月15日 図Aの浸水深、図Bの氾濫流、図Cの継続時間を別に見る
新川・想定最大規模 新川流域24時間751mm。指定2018年3月23日 浸水深に加え、河岸侵食の区域と継続時間を確認する
福田川・想定最大規模 福田川流域24時間836mm。指定2019年8月30日 掲載図の説明では水深に内水を含む。ほかの河川図と計算の対象を一律に扱わない
五条川・想定最大規模 新川流域24時間736mm。指定2018年3月23日 河川名と流域名を確認し、ほかの川の雨量条件を流用しない
木曽川・想定最大規模 木曽川流域2日間527mm。指定2016年12月22日 24時間雨量と時間をそろえず比較しない。地点別シミュレーションの到達時間は待機時間ではない
内水ハザードマップ 2021年3月作成。24時間総雨量836mmと町の水路・排水機場等を条件とする 河川の決壊・氾濫、排水機場の運転調整等を考慮していない
高潮浸水想定 町の資料は2023年3月改定、県の指定は2021年6月11日 最大浸水深と継続時間を確認。洪水・内水と同じ現象の図ではない
地震の揺れ・地域危険度・液状化 2014年5月の県調査をもとにした理論上最大想定モデル・陸側ケース 指標と元データ年をそろえて読む。地域危険度は2015年1月時点の建物情報も使用する
県の津波浸水想定 県は2026年6月15日に見直し後の想定を公表 町の冊子の古い数値を新想定として使わず、県の現行公表資料を確認する

洪水図は、浸水深・家屋倒壊の危険・継続時間を読む

まず町の案内から対象の河川を選び、「計画規模」と「想定最大規模」を区別します。庄内川、新川、福田川、五条川の両規模の図と、木曽川の想定最大規模の図が掲載されています。庄内川の想定最大規模PDFの図Aでは、広域図と浸水深の凡例を確認できます。図Bは家屋倒壊等氾濫想定区域、図Cは浸水継続時間です。

庄内川の図Bは強い流れによる「氾濫流」、新川のPDFと福田川のPDFの図Bは「河岸侵食」を示しています。水の深さだけを見て「2階へ上がれば大丈夫」と考えず、家屋の倒壊・流出につながる区域も確認してください。境界は計算条件による目安で、区域のすぐ外なら危険がないという意味ではありません。

洪水図の雨量は、想定を計算するための流域雨量です。自宅で観測した雨量が表の値に達するまで待つ基準ではありません。また、別々の河川図を重ねた色を、その時刻にすべての川が同時に氾濫する予報として読むこともできません。

「0.5m以上が続く時間」は、完全排水や道路復旧の期限ではない

庄内川等の図Cの凡例は、浸水深0.5m以上が継続する時間です。庄内川の掲載図では、12時間未満、12時間〜1日未満、1日〜3日未満、3日〜1週間未満、1週間〜2週間未満、2週間以上という区分があります。新川等は凡例の区分数が異なるため、同じ色を別の図へ読み替えず、その図の凡例を確認します。

例えば上階にとどまることを考える場合は、深さが床の高さより低いかだけでなく、家屋倒壊の区域か、外へ出られない間の水・食料・薬・トイレや支援をどうするかも検討します。継続時間は水が完全に引く時刻や道路・電気の復旧予定を示していません。

木曽川のPDFの地点別シミュレーションには、想定した破堤点と氾濫水の到達時間があります。実際の破堤位置や浸水の広がりは同じとは限らず、内水が先に起きる場合もあると説明されています。「図の到達時間まで移動できる」と予定を組まないでください。

別冊の内水図を開き、排水の条件と除外された現象を読む

町の内水ハザードマップPDFは、大雨の際に水路や河川等へ排水できずに生じる浸水を示したものです。町の水路・排水機場等の整備状況と、24時間総雨量836mmを条件に計算しています。

この図は、想定を超える大雨、河川の決壊・氾濫、排水機場の運転調整を考慮していません。実際には図より広い範囲・深い水になる場合があります。白地だから浸水しない、ポンプが常に同じ条件で排水してくれるとは判断できません。

浸水深の凡例は、0.3m未満、0.3〜0.5m未満、0.5〜1.0m未満、1.0〜3.0m未満、3.0〜5.0m未満、5.0〜10.0m未満の6区分です。自宅だけでなく、避難先へ向かう道路や低い場所も確認し、洪水図・高潮図と合わせて複数の候補を考えます。

一方、福田川の洪水図の説明は、想定する水深に内水を含むと記載しています。これは町の別冊内水図が不要という意味でも、すべての洪水図に同じ内水条件が入っているという意味でもありません。図の説明を個別に読み、必要な図を省略しないことが大切です。

避難先は「どの川・どの建物・何階」を確認する

町の避難所一覧は、命を守るための「指定緊急避難場所」と、被災後に生活する「指定避難所」を分けています。指定緊急避難場所は、洪水を庄内川・新川・五条川・福田川に分け、さらに高潮・内水・地震・津波・大規模火災の欄で条件を示しています。

表の「○」は避難可能、「×」は避難不可、「2階以上」はその階の条件です。次の4施設は、施設名だけでは見落としやすい違いを町の一覧から整理した例です。

施設名 町の指定緊急避難場所一覧での条件の例 避難計画で確認すること
砂子東部防災ふれあいセンター 庄内川の洪水は×、新川は2階以上、五条川・福田川は○ 同じ建物でも対象河川で条件が異なる。どの洪水の危険があるかを確認する
総合福祉センター 施設は庄内川・新川・福田川で2階以上、五条川は○。駐車場は4河川の洪水で× 施設と駐車場を同じ避難場所だと扱わない。施設名に福祉とあっても、直接の特別な受入れを保証するものではない
大治小学校 校舎は4河川の洪水で2階以上。体育館は五条川のみ○で、庄内川・新川・福田川は× 洪水時に学校の体育館へ行くと決めつけず、河川と使用する場所・階を確認する
大治中学校 校舎は4河川の洪水で2階以上、体育館は4河川とも×。武道場は庄内川・五条川・福田川が○で、新川は2階以上 校舎・体育館・武道場を一括にせず、一覧の該当する行を読む

例えば学校の体育館を普段の集合場所として覚えていても、洪水時の指定は別に確かめる必要があります。町の一覧はグラウンドを地震等で○とする行もあり、洪水での条件と同じではありません。指定されていることと、現在開設され利用できることも別です。町は避難場所・避難所が変更・増設されている可能性があるため、災害時は町ホームページ等で確認するよう案内しています。

掲載された収容可能人員は、その時点の残りの受入枠ではありません。自宅・施設・移動経路の危険を確認し、安全が確かめられる親戚・知人宅等も含めて候補を用意します。経路が既に浸水しているときに、平時に選んだ遠い施設まで無理に移動する計画にしないでください。

高潮・津波・地震は、指標と資料の版を分ける

町の高潮PDFは、室戸台風級の台風が潮位偏差を大きくするコースを通る想定と、防護施設の破壊等に伴う浸水を重ねた図です。最大浸水深とは別に継続時間があり、この図も0.5m以上の浸水について説明しています。洪水の図で色がないから高潮でも同じとは判断しません。

県は2026年6月15日に津波浸水想定を見直しています。県の現行公表ページでは、大治町を含む詳細図として図面番号1・3が案内されています。全県図で場所を確かめてから該当する詳細図を開いてください。ここで示しているのは現行資料の入口で、個別住所の新想定の水深を判定したものではありません。

町の冊子には「地震による浸水想定」もあり、地震による液状化で河川堤防が沈下し、川沿いへ浸水する危険を説明しています。海岸から離れていることだけで地震時の浸水を除外せず、町の資料と県の新しい想定を照合し、事前に避難先を決めておきます。冊子の古い到達時間を、新想定の数値や避難まで待てる時間へ読み替えないでください。

地震の3図は、揺れ・建物比率・液状化を表す

町の揺れやすさ、地域危険度、液状化危険度は異なる指標です。2014年5月の県調査をもとにした理論上最大想定モデル・陸側ケースの図で、揺れと液状化は250mメッシュ、地域危険度は地区ごとの全壊建物比率を示します。地域危険度では2015年1月時点の建物情報も使われています。

地区の全壊建物比率を自宅1棟が全壊する確率として読むことはできません。色から個別地盤や建物の安全を決めず、建物の耐震対策、家具の固定、家族の連絡方法や持ち出す物を確認するために使います。町が提供するこれらの図の元データ年と、県の2026年津波見直しを同じ版と扱わないでください。

避難のタイミングと、資料を読むときの問い合わせ

町の防災情報は、2026年5月29日からの新しい防災気象情報を案内しています。避難に時間を要する人は警戒レベル3で早めに避難し、警戒レベル4では危険な場所から全員避難します。冊子の2021年の差し込み資料でも、警戒レベル5の緊急安全確保を待たないことが示されています。古い冊子にある避難情報の名称だけで判断せず、町の現在の発表を確かめます。

平時の防災資料・施設指定・避難の相談は、防災危機管理課の052-444-2711へ。町名だけでなく、地区、河川名、計画規模か想定最大規模か、図の名称、施設の建物・階を伝えると確認しやすくなります。別冊内水図の浸水想定区域については、町の案内に従って下水道課へ問い合わせてください。

町はマップあいちの「くらし・安全」から「水害情報マップ」を選び、河川・図を選択して、調べたい地点を拡大・クリックする方法も案内しています。これは公式の操作案内で、ここで個別住所を操作・判定した結果ではありません。

冊子には英語・中国語(簡体語)・韓国語・タガログ語・トルコ語の基礎知識のページがあります。必要な言語の資料を選び、最新の避難情報や修正資料と合わせて確認します。町ホームページ、防災行政無線、テレビ・ラジオ等の情報を受け取る方法も家族で決めておきましょう。

2026年9月8日の大雨で被害を受けた場合

町の被害を受けた方への案内では、該当する支援制度を確認するため、まず役場1階の税務課窓口へ相談するよう案内しています。本人確認書類と被害状況が分かる写真を用意し、制度の内容は各担当課へ確認します。写真がない場合には後日調査員が確認する場合もあると記載されています。この案内は被害後の相談先で、現在の避難所開設情報や各制度の給付を保証するものではありません。

よくある確認

どの川の洪水図を見ればよいですか。

町の案内にある庄内川・新川・福田川・五条川・木曽川の図で、自宅と避難先の位置を確認します。近い川の1枚だけで終えず、図の規模・対象・凡例を確認してください。

洪水図を見たら、内水図は不要ですか。

福田川図には内水を含む条件がありますが、他の河川図が同じ条件とは限りません。別冊内水図と、その図が考慮していない河川氾濫・排水機場の運転調整を確認します。

学校なら体育館へ避難すればよいですか。

町の一覧は河川と校舎・体育館等の行が分かれています。指定された場所・階と、現在の開設を確認してください。

継続時間を過ぎれば帰宅できますか。

0.5m以上の浸水が続く想定であり、完全排水や道路復旧の期限ではありません。町の情報と実際の状況で確認します。