稲沢市で冠水した場所を調べるには、まず市の浸水実績図から、知りたい水害の年月日と地区を選びます。今後の大雨への備えには、内水の浸水想定や道路冠水想定箇所も重ねて確認してください。それぞれの地図で分かることは異なります。
この記事で案内する実績図・想定図は、現在冠水している道路を示すものではありません。 当日の雨や川の状況は、市の水位・雨量情報の案内から確認できます。冠水した道路には進入せず、迂回してください。愛知県「道路冠水対策」
「過去の場所」「今後の想定」「今の状況」で資料を選ぶ
このページ上部の地図で周辺を把握したら、調べたい目的に応じて次の公式資料を開きます。
| 知りたいこと | 開く資料 | 確認するもの |
|---|---|---|
| 過去の水害で冠水した範囲 | 市の浸水実績図 | 水害の日付、対象地区、記録の限界 |
| 雨水が排水しきれず浸水する想定 | 雨水出水(内水)浸水想定区域図 | 雨量の条件、深さ、対象区域 |
| 通勤・避難経路の冠水しやすい箇所 | 県の道路冠水想定箇所マップ | アンダーパス等の位置、箇所番号と管理者 |
| 河川の氾濫による浸水 | 市の洪水ハザードマップ | 自宅の地区、浸水深、避難先と経路 |
| 当日の川の水位・雨量 | 市の河川水位等監視システム | 観測局の場所、観測時刻、得られる情報の種類 |
過去に浸水した記録と、条件を定めて計算した結果を同じ意味の地図として扱わないことが、読み取りの出発点です。
浸水実績図は、日付と地区をそろえて開く
市の浸水実績図のページには、次の水害の資料が掲載されています。
- 平成12年9月11日・12日の東海豪雨:旧稲沢市の明治・千代田・大里西・大里東・下津・小正・稲沢地区が対象のPDF。
- 平成20年8月末豪雨:上記7地区に祖父江・平和を加えた9地区について、8月29日と30日のPDFが別々に掲載。
- 平成29年10月の台風21号:同台風の浸水実績図のPDF。
例えば下津地区の平成20年の記録を調べるなら、「下津地区」の8月29日と30日の2枚を開きます。地区名だけでなく日付も確認することで、異なる日の範囲を同じ記録として読まずに済みます。地図を保存する場合も、ファイル名やメモに年月日を残しておくと照合しやすくなります。
ただし、市はこの実績図について、全ての浸水箇所を反映しておらず、個々の土地の浸水の有無や深さを表すものではないと説明しています。色がない土地を「一度も浸水していない」と判定したり、周囲に色があることから特定の住宅の被害を断定したりすることはできません。
購入・転居などで特定の場所の履歴を確認したい場合は、図で探した年月日・地区名・地名を整理し、市に確認してください。掲載されている水害の資料から、現在までの全ての被害履歴が分かるわけではありません。
内水の「実績降雨」は、被害実績そのものではない
雨水出水(内水)浸水想定区域図のページには、147mmと49.5mmという異なる雨量条件の図があります。どちらもピーク時の1時間の雨量です。
| 読む項目 | 雨水出水浸水想定区域図 | 内水浸水想定区域図 |
|---|---|---|
| 雨の条件 | ピーク時の1時間に147mm | ピーク時の1時間に49.5mm |
| 条件の意味 | 想定し得る最大規模の降雨 | 平成28年9月20日の実績降雨を使った想定 |
| 市が掲載する図 | 浸水深の図、浸水継続時間の図 | 内水浸水想定区域図 |
| 水防法上の扱い | 水防法に基づく雨水出水浸水想定区域 | 市は水防法に基づくものではないと明記 |
ここでいう「実績降雨」は、過去に降った雨を計算条件に使うという意味です。49.5mmの図の着色を、平成28年9月20日に実際に冠水した範囲そのものと受け取らないでください。過去の場所を調べる実績図と、過去の雨を条件にした想定図では、答える問いが違います。
同じ地点で2枚の色が異なっていても、まず雨量条件を確かめます。色の濃さだけを比べるのではなく、それぞれの凡例で浸水深を読み、どちらの条件の値かを書き分けてください。
147mmの図にある「浸水継続時間」は、0.5m以上の浸水が続く範囲と時間を示します。避難するまで待てる時間や、道路を再び安全に通れる時刻を表すものではありません。深さと時間を別々に読み、避難先の候補や生活への備えを考える材料にします。
公表区域は、雨水を排水する下水道施設が整備済み、または早期に対策を検討すべき区域が対象です。市は対象外でも内水による浸水があり得ると説明しています。また、この計算には河川の破堤・越水、津波、高潮などによる氾濫を含めていません。内水図を見た後は、洪水図でも同じ住所を確かめましょう。市の想定条件と注意事項
無着色の範囲をどう考えるかは、ハザードマップに色がない場所の確認方法でも説明しています。
道路は、冠水想定箇所と迂回する道を確認する
市の道路冠水想定箇所マップの案内は、愛知県の資料へつながっています。県の「道路冠水対策」で「尾張西部・東部」のPDFを開き、通る予定の道を探してください。箇所の詳しい情報は、同ページの「道路冠水想定箇所一覧表」で照合できます。
県は、周囲より低いアンダーパスなどに短時間の大雨が集中すると、排水能力を超えて冠水するおそれがあると説明しています。掲載箇所以外でも冠水する場合があるため、印のない道なら通れるとは判断できません。普段のうちに、低い箇所を通らず移動できる別の道も調べておきましょう。
実際に冠水している場所では、水深や水中の状態が分かりません。冠水箇所へ進入せず迂回し、現地の情報板や通行規制にも従ってください。箇所一覧には道路管理者の連絡先があり、冠水を発見した場合の連絡先を調べられます。
洪水図は東部・中部・西部の地区区分で選ぶ
内水や道路の確認に続けて、洪水ハザードマップの公式ページで河川の氾濫も照合します。PDFの対象地区は次のとおりです。
- 東部版:稲沢・小正・下津・大里西・大里東地区
- 中部版:明治・千代田地区
- 西部版:祖父江・平和地区
各版には地図面と情報面があります。地図面で自宅、候補の避難先、途中の道を探し、情報面で備えや情報の入手方法を確認してください。市はWeb版の入口と操作方法も掲載しています。
洪水図の深さは、複数の氾濫シミュレーションを重ねて最大の深さを選んだ想定です。過去の被害の深さや、次の雨で必ず起こる結果を表示したものではありません。自宅だけを調べて終わらず、避難先までの経路にも想定が重なっていないかを追ってください。市の洪水マップの作成方法・活用法
当日の川の情報は、観測場所と時刻を見て読む
市の水位・雨量情報の案内から、河川水位等監視システムへ進めます。市が案内する観測局は、大助川、伊勢木川第1・第2、稲葉川、観音川、須ヶ脇川の6か所です。
このうち伊勢木川第1観測局には雨量計がないと明記されています。観測局の名前と場所、取得できる情報、表示された時刻を確かめて読んでください。国・県管理の河川については、同じ市の案内ページから各管理者の水位情報へ進めます。
これらは川や観測地点の情報です。全ての道路の冠水状況や通行可否を示すものではありません。市が発信する避難情報なども併せて確認し、想定図や一つの観測値だけで移動を決めないようにしましょう。
資料の不明点は、図の名称、雨量条件または水害の日付、地区・地名を添えると問い合わせやすくなります。内水・洪水の想定は治水課0587-32-1389、浸水実績は防災安全課0587-32-1275、道路マップの見方は県道路維持課052-954-6539が案内先です。
住所から周辺の情報を調べ直す場合は、稲沢市の防災情報・住所検索も利用できます。調べた内容を「いつの実績か」「何mmの想定か」「いつの観測か」と分けてメモしておくと、家族とも条件をそろえて話し合えます。