長久手市で自宅と避難経路を調べるときは、市の防災マップの表面・裏面に加え、近くのため池の個別図を確認してください。 香流川の洪水とため池の決壊は想定が異なり、地震時の避難先をそのまま大雨の避難先にできない施設もあります。

市が公開している防災マップは2026年3月の全戸配布版です。裏面で自宅・避難先・経路を探し、表面で避難のタイミングを確認すると、資料の内容を家族の行動につなげられます。市の防災マップ案内

公式ハザードマップと資料の使い分け

市の総合図に複数の災害が載っているため、「5種類の災害=5枚の独立した図」とは限りません。最初に総合図を開き、判断に必要な箇所を個別図で確かめましょう。

公式資料 何を見るか 想定・読み違えやすい点
防災マップ おもて面(PDF) 地震発生後の行動、震度・液状化、水害時の避難判断 2026年3月版。震度と液状化は「過去地震最大モデル」で、出典は平成26年3月の愛知県調査
防災マップ うら面(PDF) 香流川沿いの洪水深、土砂災害区域、ため池、避難所と公園 洪水想定と平成12年の東海豪雨浸水実績は別の凡例。ため池は歩行困難・不可能となる区域を表示
洪水浸水想定区域図(計画規模、PDF) 計画規模の雨で浸水する場所と深さ 香流川流域は24時間277mm、年超過確率1/30。想定最大規模の図とは条件が異なる
洪水浸水想定区域図(想定最大規模、PDF) より大きい雨を想定した浸水区域と深さ 香流川流域は24時間836mm。内水などはこの計算に含まれない
家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流、PDF)・同(河岸侵食、PDF) 強い流れ・岸の侵食による家屋倒壊の想定 水深の色だけで判断せず、川沿いの建物が別図の区域に入るか見る
浸水継続時間(PDF) 水深0.5m以上の浸水が続く時間 「深さ」の凡例ではない。避難先で生活を続けられるかを考える材料
ため池ハザードマップ一覧 池ごとの決壊時の深さ・到達時間 満水の池が決壊する想定。尾張旭市の新池と瀬戸市の山の田池にも長久手市内の浸水想定あり

洪水5図のPDF内の題名は、いずれも「庄内川水系 矢田川・香流川流域 洪水浸水想定区域図」です。市の案内ページでは「一級河川庄内川水系香流川…」として紹介されていますが、図面は名古屋市・瀬戸市・尾張旭市も含みます。長久手市に関係する香流川の部分と、流域別の雨量を読む必要があります。洪水図の市公式案内

災害リスクの数値詳細:香流川・ため池・土砂・地震

香流川の洪水:深さに加え、川岸と経路を確かめる

市の裏面には、香流川に沿う市北西部から岩作付近の洪水浸水想定が描かれています。自宅の点だけでなく、避難先までに川沿いや橋、低い道路を通るかも見てください。地図上のアンダーパス記号も経路確認の手掛かりになります。ただし、掲載された記号だけで道路の冠水可能性を全て判断できるわけではありません。

裏面の洪水深は、0.3m未満、0.3〜0.5m未満、0.5〜1.0m未満、1.0〜3.0m未満、3.0〜5.0m未満に分かれています。市域の集計値や図全体の凡例の上限を、自宅の浸水深と読み替えないでください。 住所の位置で色を読み、境界付近は市に確認します。うら面・洪水浸水想定区域図の凡例

計画規模の図では香流川の年超過確率を1/30、24時間雨量を277mmとしています。想定最大規模の図の香流川は24時間836mmです。同じ図にある矢田川の397mm・735mmを香流川の値として引用しないようにしましょう。これらは図を計算した条件であり、避難を始める雨量の基準ではありません。計画規模・右下説明文と基本事項、想定最大規模・右下基本事項

想定最大規模のPDFには、水位周知区間の指定年月日として令和元年8月30日、区間外などについて令和7年3月21日が記載されています。一方、計画規模の図の公表日は令和7年3月21日です。日付の違いは対象区間・図の条件も一緒に読み、古い日付だけを理由に別図の条件を混ぜないでください。

川に近い建物は、浸水深図に続いて「家屋倒壊等氾濫想定区域(河岸侵食)」を確認してください。香流川沿いにも区域が描かれています。上階へ移ればよいと決めつけず、家屋倒壊の想定がある場所は早めに区域外の避難先を考える必要があります。氾濫流の図も別に確認し、川沿いの危険を水深だけで扱わないようにします。河岸侵食図、氾濫流図

浸水継続時間図の色は、水深0.5m以上の状態が続く時間です。深さ図と色の意味が違うため、必ずこの図の凡例で読みます。食料や飲料水、薬、携帯トイレを持って待てるか、支援が必要な人が孤立しないかを考える材料にしてください。浸水継続時間図・凡例

内水・高潮・津波:掲載がない理由を確認する

市は、内水のハザードマップは未策定、高潮・津波は現在市内に被害想定がないため防災マップに記載していないと説明しています。内水が載っていないことは、道路や住宅周辺が大雨で冠水しないという意味ではありません。 河川の洪水図も、対象河川以外の河川・水路からの氾濫、計算条件を超える雨、高潮・内水を考慮していないと明記しています。市防災マップのFAQ、想定最大規模図・説明文(3)

ため池:立石池の図は浸水深と到達時間を別々に読む

市のため池図は、満水位の池が決壊した場合の最大浸水深を示します。総合図の裏面にあるため池の表示は、そのうち歩行が困難・不可能となる区域です。総合図のため池表示と個別図の最大浸水深は、表示する内容が同じではありません。ため池図の説明、うら面・ため池の凡例

例えば、立石池ハザードマップ(PDF)には、池から下流の岩作・香流川沿いに広がる浸水想定と、桃色の「洪水到達時間」線が載っています。線には決壊1分、2分、5分、10分、20分、30分の表示があります。これは想定上の到達時間で、決壊後にその分数だけ待てるという保証ではありません。

自宅と避難経路について、浸水深の色と到達時間線の両方を確かめてください。池に異常が見られるなど災害のおそれを知った場合、市は速やかな避難を求めています。異常を確かめるため池や川へ近づかず、危険区域を通らない避難先を事前に選んでおきましょう。

市の一覧には一ノ井池、岩廻間上下池、鯉ヶ廻間上下池、北浦池、中根中池・長鶴池などの個別図があります。近くの池を一覧から選びます。市境付近では、尾張旭市の新池・瀬戸市の山の田池も長久手市に一部浸水想定が及ぶと市が注意しています。住所が市内だからといって市外の池を除外しないでください。市のため池図一覧

土砂災害:斜面の側では、上階避難だけに頼らない

市の裏面には土砂災害警戒区域と特別警戒区域が別の模様で載っています。東部などの斜面に近い場所では、自宅に加え経路と避難先が区域に入らないかを確認します。区域の境界を町名全体の危険度へ読み替えず、住所の位置で確かめてください。うら面・土砂災害の凡例

表面の水害欄では、土砂災害警戒情報や避難指示が出る場合などに早めの避難を促しています。避難所への移動が困難なときは、頑丈な建物の2階以上で斜面や崖から離れた場所へ避難するという緊急の行動を示しています。これは事前に区域外へ避難する計画の代わりではありません。おもて面・水害への備え

地震・液状化:配布年と計算の基礎は異なる

表面の「震度予測図」「液状化危険度予測図」は、南海トラフの過去地震最大モデルです。宝永、安政東海、安政南海、昭和東南海、昭和南海の5地震を重ね合わせたモデルと説明されています。出典は「平成23年度〜平成25年度 愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査報告書(平成26年3月)」で、地域の表示は約250mメッシュです。おもて面・南海トラフ地震の図

マップの発行年と被害予測の調査年は異なります。この図は、全ての地震で自宅が同じ揺れになるという予測や、30年以内の発生確率を示す図ではありません。液状化図には、地盤改良等の対策効果を見込んでいないとの注記もあります。「計算対象層なし」または「計算対象外」を、危険がゼロの表示と読み替えないでください。

裏面には、公園西駅周辺地区の推定活断層の表示もあります。資料は平成27年度の市区画整理課調査範囲です。ここも個々の敷地や建物の安全を断定する資料としては使わず、位置と資料範囲を確認します。うら面・公園西駅周辺地区の推定活断層の凡例

指定避難所:災害別に避難先を選ぶ

市の裏面には、学校などの避難所、公園の一時避難場所、福祉避難所が分けて載っています。災害時に全ての避難所が開くわけではなく、開設情報は市ホームページや安心メール+で知らせると明記されています。地図に施設名があることと、いま受け入れが始まっていることは別です。

状況・施設 市の図にある条件 家族で決めておくこと
洪水・土砂災害の危険な場所にいる 避難に時間のかかる人は警戒レベル3の高齢者等避難、その他の人は警戒レベル4の避難指示で避難。危険を察知したら早めに行動 安全な親戚・知人宅か、開設された避難所へ。危険区域を通らない経路と介助者を決める
北小学校・長久手北児童館・色金保育園 風水害の場合、2階が使用可能(裏面の注1) 地震時の施設利用と同じと思わず、受入階と開設情報を確認する
北小校区共生ステーション 風水害の場合は使用不可。近隣の長久手北児童館2階が使用可能(注2) 大雨用の行き先を事前に変える。現地に着いてから判断しない
愛知淑徳大学 他の避難所だけでは受入困難になった場合のみ開設(注3) 常に開く避難先として固定しない
地震後、自宅で生活できる 身の安全を守り、倒壊・破損・近隣火災・土砂災害を確認。被害がなく自宅で生活できれば在宅の選択肢 家具を固定し、水・食料・携帯トイレを用意する
地震後、自宅で生活できない 安全な親戚・知人宅や避難所へ。一時避難場所の公園は周辺被害・火災の様子を見る場所 公園への一時避難と、その後の生活の避難先を分ける
福祉の家(福祉避難所) 一般避難所での生活が困難で、特別な配慮が必要な人と介助する家族が対象 利用・移動支援を安心安全課へ事前に相談する

出典:市防災マップ おもて面・地震/水害の避難判断、うら面・避難所一覧の注1〜3と福祉避難所説明。

警戒レベル5は災害が発生・切迫した状況です。そこまで待たず、危険な場所から警戒レベル4までに避難する計画を立てます。既に外への移動が危険なら、建物内のより安全な場所など命を守る行動を取ります。表面には「いつ・誰が・何を」を書くマイタイムライン欄もあります。介助が必要な家族は誰と、どの情報で出発するかまで記入してください。

市の防災行政無線が聞き取れなかったときは、表面にある音声放送テレホンサービス(0120-63-7770、または0561-63-0300)で確認できます。音声放送が行われた場合のサービスで、サイレンのみの場合は対象ではありません。おもて面・防災行政無線サイレン欄

市全体の情報は長久手市の地域情報でも確認できます。市域の傾向を見る資料と、自宅・経路の位置を読む公式図を使い分けてください。

  1. 裏面の地図で自宅と昼間の滞在先を探し、洪水、土砂、ため池をそれぞれの凡例で読む。
  2. 香流川沿いは河岸侵食・氾濫流・浸水継続時間の個別図、池の下流はため池の個別図も確認する。
  3. 風水害時に使える避難先と、そこまでの経路を決める。地震用の公園と生活する避難所は区別する。
  4. 表面のマイタイムラインへ出発の条件・担当・持出品を書き、夜間や介助が必要な場合も話し合う。

住所が区域の境界付近で読み取れない場合は、市の安心安全課(0561-56-0611)へ「住所、見ている図の名称、どの区域の境界か」を伝えて確認してください。ため池の図の条件は、みどりの推進課農政係(0561-56-0620)が市の窓口です。防災マップ案内・問合せ先、ため池図案内・問合せ先

紙の防災マップの配布先として、市の公式FAQは、市役所本庁舎1階の市民課待合コーナーと北庁舎2階の安心安全課窓口を配布場所として案内しています。家族がそれぞれ使えるよう、公式PDFを保存するか紙で手元に用意すると、通信が使えない場面の備えにもなります。市の配布場所案内