宮若市のハザードマップは、市が案内する地図情報システム「みやっぷ」と、冊子のPDF版で確認できます。住所付近を拡大して調べるならみやっぷ、凡例や避難の考え方も一緒に読みたいならPDFが便利です。ため池の決壊による浸水は、池の名前ごとに用意された別のPDFも確認します。

最初に、自宅だけでなく避難先の候補とそこまでの道を探してください。冊子の地図と、最新の避難所一覧・当日の開設情報を組み合わせることで、「地図には載っていたのに利用できない」という行き違いを防ぎやすくなります。

公式地図は「みやっぷ」「防災マップPDF」「ため池PDF」を使い分ける

宮若市の防災マップ案内は、みやっぷとPDF版への入口です。2026年5月15日更新の同ページから、目的に合う資料を開けます。

確認したいこと 使う資料 読むところ
自宅・勤務先付近を拡大したい みやっぷの防災マップ 地番検索、表示するレイヤ、凡例、地点の詳細
洪水・土砂の区域と避難の考え方を調べたい 宮若市防災マップPDF 冊子21ページの見方、22ページの区割り、23〜58ページの地図
ため池が決壊した場合の影響を調べたい 池名別のため池ハザードマップ 対象池、浸水の深さ、到達時間、重ねて示された別の災害

ため池の一覧は市の「ため池ハザードマップを作成しました」にあります。市内の防災重点農業用ため池のうち64か所について作成した案内です。「防災重点」という名称は、その池の構造が直ちに危険だという意味ではありません。市は、決壊した場合の浸水区域と家屋・公共施設などとの関係を基に選定すると説明しています。

みやっぷでは、地番・表示する災害・凡例を順に確認する

みやっぷの公式案内から地図を開き、「防災マップ」を選びます。市はパソコンやスマートフォンから利用できると案内しています。利用マニュアルに沿った基本の確認順は次のとおりです。

  1. 場所を探す:地番検索で大字を選ぶか入力し、地番を入力して該当する場所へ移動します。地番が分からない場合は、地図の目標物検索なども使って周辺を探します。
  2. 災害の表示を確かめる:レイヤ表示で、調べたい情報が表示対象になっているかを確認します。表示を重ねて読みにくい場合は、必要な項目を切り替えて見比べます。
  3. 凡例を読む:色や線が、浸水の深さ、土砂災害の区域など何を意味するかを確かめます。異なる情報の色を同じ意味で読まないようにします。
  4. 地点と経路を調べる:地図上の地点をクリックして詳細を確認し、自宅から避難先までの道にも同じ災害の表示がないか追います。

マニュアルには、レイヤの透明度変更、距離・面積計測、印刷の機能も説明されています。印刷は処理を開始した後に「印刷結果」タブで結果を確認する手順です。家族と共有する場合は、場所の目印だけでなく、表示した災害名と凡例も読める状態で残しましょう。

PDFは21・22ページから読むと、必要な図面を探しやすい

現在、市の案内ページに掲載されている宮若市防災マップPDFの表紙は「令和5年3月」、つまり2023年3月版です。案内ページの更新日と、冊子の作成日は同じではありません。

以下は冊子に印字されたページ番号です。PDF閲覧ソフトが数える枚数では、表紙の分だけずれる場合があります。

  • 21ページ「ハザードマップの見方」:浸水深、家屋倒壊等氾濫想定区域、土砂災害警戒区域の説明と凡例を確認します。
  • 22ページ「全体図・区割り図」:自宅の地名や目印を探し、どの範囲の拡大図を見るかを確かめます。23〜58ページの地図へ進み、自宅と避難先が別の図にまたがる場合は隣接する図も開きます。
  • 7・8ページ「震度分布図」「液状化分布図」:地震と地盤の情報を別々に確認します。洪水の浸水深を示す色とは読み方が異なるため、それぞれの凡例と出典を読みます。
  • 14・15ページ:避難所の候補を探し、「避難行動判定フロー」で自宅のリスクと取る行動を整理します。施設情報は、後述の最新一覧とも照合してください。

冊子21ページの出典欄には、県管理河川の洪水図は2022年11月1日公表分、土砂災害の指定箇所は2022年6月30日公表分との記載があります。個別の土地の指定境界や、その後の変更を確かめたい場合は、冊子の色だけで確定せず、市の防災安全係へ場所と資料名を伝えて確認してください。

洪水は深さに加え「水の力」と降雨の条件を読む

冊子21ページでは、浸水の深さと「家屋倒壊等氾濫想定区域」を分けて説明しています。後者は、激しい水の流れや河岸の侵食によって、家屋が倒れたり流されたりするおそれのある区域です。水が何階まで来るかだけで、自宅にとどまれるとは判断できません。

冊子15ページのフローでは、浸水の危険がある場合に自宅で安全を確保できる条件として、家屋倒壊などのおそれが高い区域の外側であること、浸水深より高い場所にいること、水が引くまで過ごせる水・食料などの備えがあることを挙げています。「2階があるから大丈夫」と一つの条件だけで決めず、この3点を一緒に確かめます。

犬鳴川の「592mm」と「604mm」は条件が違う

冊子22ページの降雨基準には、同じ犬鳴川でも国管理と県管理の欄があります。雨量の数字だけを比べると誤読しやすいため、対象流域と時間を並べて確認します。

冊子の区分・河川 降雨の対象 想定に使う雨量・時間
国管理:犬鳴川・八木山川 遠賀川水系「日の出橋」上流域 12時間で592mm
県管理:犬鳴川 犬鳴川流域 6時間で604mm
県管理:八木山川 八木山川流域 6時間で580mm

これは、掲載された洪水図を作る際の条件の比較です。その雨量に達するまで避難を待つ基準ではありません。 対象の範囲も時間も違うので、単に数字が大きい方が自宅にとって危険だと順位を付けることもできません。防災マップPDF・冊子22ページ

同ページは、前提を超える雨、支川の決壊、内水などの影響を含めていないこと、図の区域外でも浸水する場合があることも説明しています。冊子15ページにも、色がなくても低い土地や崖の近くなどでは避難が必要な場合があると記されています。白い場所を読む際は、ハザードマップで色がない場所の注意点も確認してください。

ため池の「10分後」は、雨が降り始めてからの猶予ではない

例として、清水第一溜池のハザードマップを見ます。2025年3月作成のこの図は、ため池が満水の状態で決壊し、水が瞬時に流出した場合を想定しています。

図を読むときは、まず対象の池名を確認し、次に自宅や道が入る「ため池浸水想定区域」の深さと、「浸水到達時間」の線を別々に読みます。凡例には1分後・5分後・10分後などの時間が示されていますが、雨の降り始めから10分待てるという意味ではありません。 決壊を前提とした計算上の到達時間として扱います。

この図には河川の洪水や土砂災害の区域も併記されています。ただし、図の注記は、河川の洪水とため池の決壊が同時に発生した場合を考慮したものではないと説明しています。重なった表示を、複数の災害を同時に計算した結果とは読まないでください。

矢印で示される避難方向も「目安」です。平時に周辺の道や別の災害の区域を確認する材料にし、災害時にそのまま安全に通れることを保証する表示とは扱わないようにします。

避難所は最新一覧を照合し、開設状況も確認する

市の避難所一覧は、2026年8月12日更新です。候補を選ぶときは、冊子の施設名と所在地をこの一覧で照合します。

具体例として、冊子14ページには「旧宮田東小学校」がありますが、確認した最新のWeb一覧には掲載されていません。冊子に載る施設名だけで行き先を決めず、現在の候補と当日の開設情報を確認する必要があります。

市は、避難所の開設は災害対策本部が決定すると説明し、避難を希望する場合は防災安全係(0949-32-0511)への連絡を案内しています。「掲載されている」「近くにある」というだけでは、その時に利用できるとは限りません。

また、命を守るため緊急的に逃れる「指定緊急避難場所」と、一定期間過ごす「指定避難所」は用途が異なります。ペットと同行避難を希望する場合も、同じ窓口への事前相談が必要です。市は、災害の状況によってはペット同行避難に対応する避難所が開設されない場合があると注意しています。

古い冊子を保存する場合は、今の避難情報の確認先も添える

冊子17〜18ページのマイタイムラインは、天気や川の情報を調べる、持ち物を準備する、移動を始めるという行動の整理に使えます。ただし、例に書かれた「何時間前」を、次の災害でも必ず残される時間とは考えないでください。

防災気象情報の名称にも変更があります。市の2026年5月の案内では、「土砂災害警戒情報」から「レベル4土砂災害危険警報」への変更などを説明しています。国や県の警戒レベル相当情報と、市が発令する避難情報は、発表の時刻や対象地域が必ず一致するわけではありません。

平時に地図で候補を決めたうえで、雨の際は市の避難情報、河川の水位、危険度の変化を確認します。川の様子を直接見に行くことは避け、浸水する前の行動につなげてください。冊子3ページも、早めの避難と、川や水路に近づかないことを伝えています。

家族には、確認した地図の種類・作成時期、自宅の位置、避難先の候補、連絡方法を一緒に共有しておきましょう。地域の防災情報と住所からの確認は、宮若市の防災情報から進めます。

個別住所の安全性や、現在の冠水・避難所の開設状況を保証するものではありません。