つくば市で自宅や避難先を調べるときは、洪水・土砂の地図、ため池の地図、地震の地図を分けて確認します。河川の浸水深だけでは、家が流されたり地盤が削られたりする危険、ため池の決壊、避難先がその災害で使えるかまでは判断できません。

市が案内する洪水・土砂ハザードマップの最新発行は2026年5月です。北条大池・上境池のため池マップは2024年3月発行で、資料ごとに想定も違います。まず以下の公式資料で自宅と候補避難先に印を付け、その間の道も調べてください。市のハザードマップ・防災ガイド

公式資料/洪水・土砂の読み方/ため池/災害別の避難条件/地震/よくある疑問

つくば市の公式ハザードマップ:何を調べる資料か

公式資料 分かること・想定 自宅で確認する箇所
洪水・土砂ハザードマップ(地図) 想定最大規模の河川洪水、土砂災害区域、避難施設。2026年5月発行 浸水深の色、氾濫流・河岸浸食の模様、土砂災害の区域、避難施設名の災害別表示
防災ガイド(記事) 警戒レベル、避難の方法、情報収集、地震・竜巻への備え 「避難情報」「災害時の情報収集」と洪水・土砂の避難方法
北条大池のため池マップ 大池・小池が満水で決壊し全量流出する想定。2024年3月発行 PDF2ページ目の浸水深、5分後・10分後の到達線、使用できない避難所の枠
上境池のため池マップ 上池・下池が満水で決壊し全量流出する想定。2024年3月発行 PDF2ページ目の浸水深、1分後の到達線、上境地区公民館の注記
揺れやすさマップ 3つの想定地震を重ね、50mメッシュごとに最大の震度を表示 自宅周辺の震度、地質・地形、想定地震欄
地域の危険度マップ 想定される揺れと建物情報から全壊率を推計 全壊率の凡例、建物分布の時点、建築年・構造・階数の条件

紙の洪水・土砂マップは本庁舎2階の危機管理課と、大穂・豊里・谷田部・桜・筑波・茎崎の各窓口センターで入手できます。市の案内ページには英語版と音声版への入口もあります。市の地図データサイトつくミルでは、「洪水・土砂ハザードマップ」のデジタル地図を直接開けます。利用条件を確認して利用してください。住所からの確認手順はこの記事の末尾にまとめています。地図の内容と避難行動は、地図面と記事面を併せて読みます。市公式案内

災害リスクの数値詳細:川と斜面の地図を読む

洪水:浸水深より先に家屋倒壊の区域も確認する

地図では市の西側を流れる小貝川沿い、北部から東側の桜川沿い、南部の谷田川・牛久沼周辺などに浸水想定が描かれています。地域名だけで安全側と決めず、地図を拡大して自宅、職場、学校、避難先、移動経路を個別に確認してください。

右上の「浸水深の目安」は、0.5m未満、0.5〜3m未満、3〜5m未満、5〜10m未満に分かれています。これは地面から水面までの深さで、図の建物は目安です。「最大5m」と市全体を一つの数値で捉えるより、自宅の色の区分を読むことが必要です。

さらに「早期の立退き避難が必要な区域」を見ます。「氾濫流」は木造家屋が倒壊するような流れ、「河岸浸食」は川の流れで地面が削られ家屋が倒壊するおそれのある区域です。これらは深さとは別の模様で表示され、上階へ移れば解決する危険とは限りません。地図は3〜5m未満、5〜10m未満の深い浸水についても、最上階まで浸水するおそれから早期立退きを案内しています。地図PDF1ページ・右上の凡例

右下の「洪水浸水想定基準」は、流域全体の総雨量です。小貝川は72時間778mm、桜川・男女の川・逆川・上備前川・大川・観音川の欄は48時間746mm、谷田川(牛久沼)は24時間646mmと記載されています。期間も対象流域も違うので大小を単純比較できません。自宅の雨量がこの数値に達するまで待つ、という避難基準には使わないでください。地図PDF1ページ・右下の基準表

土砂災害:筑波山周辺では浸水の色だけを見ない

筑波山周辺には、洪水の塗り分けと別に土砂災害の区域が描かれています。左下の凡例で「がけ崩れ」「土石流」「地すべり」と、警戒区域・特別警戒区域を照合します。特別警戒区域は建物の損壊により生命・身体に著しい危害が生じるおそれのある区域です。黄色・赤色という呼び方だけに頼らず、現物の枠・模様を確認してください。地図PDF1ページ・左下凡例

避難先へ向かう道が沢や斜面の下を通らないかも点検します。市の防災ガイドでは、土石流・がけ崩れの方向に対して横方向への避難を示しています。屋外への移動が危険になった場合の次善策として、2階以上の山と反対側の部屋や堅固な建物の上階も挙げていますが、早い段階で危険区域の外へ出る準備を優先してください。記事PDF1ページ・土砂災害の避難方法

北条大池・上境池は、川の洪水とは別の地図で調べる

ため池マップの対象は北条大池の大池・小池と、上境池の上池・下池です。2つの地区図はいずれも、満水のため池が地震等で決壊し、貯留水の全量が流出するケースです。大雨のときだけに限定せず、ため池下流に住む人は地震への備えとしても確認します。貯水量、堤体の被害、降雨などが変われば、図と違う浸水になる可能性があります。市のため池案内

北条地区の図には5分後・10分後、上境地区の図には1分後の浸水到達線があります。いずれも想定上の目安です。「決壊を知ってから、その分数だけ待てる」という意味ではありません。 発見・情報伝達や移動にかかる時間を含む安全な猶予を保証していないため、平時に避難先と複数の経路を決めておきます。北条大池の地図では枠で囲まれた避難所は決壊時に使えず、上境池の地図では上境地区公民館を一時的な避難所として使う旨が記されています。通常の避難所一覧だけで選ばず、この災害固有の注記を確認してください。北条地区PDF2ページ、上境地区PDF2ページ

指定避難所と避難の時期は、災害ごとに確認する

市の洪水・土砂地図の避難所一覧は、洪水と土砂について利用可否を分けています。浸水想定区域内の施設でも、上階の利用など条件付きの場合があります。緑の施設記号があることだけを利用可能の根拠にせず、施設名の注記と一覧の災害別欄を読むことが必要です。地図に載っていることと、今その施設が開設されていることも別です。

場面・災害 平時に決めること 危険が高まったときの行動
洪水 深さ、氾濫流・河岸浸食、経路の浸水、施設の洪水欄を照合 川から離れ、浸水しない方向へ早めに移動。外へ出ることが危険な段階の上階への退避は次善策で、家屋倒壊の危険を解消しない
土砂災害 自宅と経路の斜面・沢、区域区分、施設の土砂欄を照合 危険区域の外へ早めに移動。屋外移動が危険な場合は山から離れた上階などで身を守る
ため池決壊 該当地区の深さ・到達線、使用不可施設、複数経路を照合 浸水域では立退き避難が基本。池を見に行かず、決壊後の到達時間を待機時間に使わない
地震 家具の固定、出口、建物の耐震性、家族の連絡方法を確認 揺れている間は身を守り、揺れが収まってから家族・火元と落下物などを確認。洪水の警戒レベルを待たない

表は市の地図PDF、記事PDF、ため池マップを、確認する順序に沿って整理したものです。

洪水・土砂では、危険な場所にいる避難に時間がかかる人と支援者は警戒レベル3「高齢者等避難」で避難し、警戒レベル4「避難指示」までに危険な場所から全員避難します。警戒レベル5を待たないでください。情報は順番どおりに出るとは限らず、危険を感じた場合は発令前でも安全な場所へ移る判断が必要です。市は避難所を開設するときに情報を発信します。防災ガイドの「災害時の情報収集」にある市公式サイト、災害・防災メール、災害情報配信サービスなどを事前に確認・登録してください。記事PDF1ページ・避難情報と情報収集

地震:揺れの強さと建物の被害予測を分ける

市の揺れやすさマップは、茨城県南部の地震(Mw7.3)、相模トラフ沿いのM8クラスの地震、どこでも起こりうる直下の地震(Mw6.8)を想定しています。3つの震度分布を重ね、50mメッシュごとに最大の震度を示す資料です。市の地質・地形の説明では、筑波山と周辺の硬い地盤、小貝川・牛久沼など水辺の低地の軟らかい地盤、水辺以外の平野部を分けています。ただし、大規模な造成による地形変更が反映されていない場所もあると注意されています。揺れやすさマップPDF1ページ

地域の危険度マップは、揺れに加えて建物の建築年・構造・階数から全壊率を推計し、50mメッシュで5段階に分けています。建物分布は2025年1月1日現在です。建物がないメッシュは着色されないため、白い場所を「揺れない土地」と読んではいけません。どちらも個々の住宅の耐震診断や、30年以内の地震発生確率とは異なります。住まいの建築年や構造が不明なら図面などを確認し、耐震診断について建築指導課へ相談してください。地域の危険度マップPDF1ページ、市の耐震改修促進計画・地震防災マップ

地図を確認するときによくある疑問

津波・高潮・内水の地図がないのは、安全という意味?

市の公式案内は洪水と土砂災害を「有り」、内水・高潮・津波を「無し」としています。これはマップの作成状況です。とくに内水マップがないことは、排水が追いつかず道路などが冠水する可能性を否定しません。洪水地図も想定を超える降雨や支川の氾濫などを全て表すものではなく、無着色でも浸水が起こり得ます。市の作成状況一覧、地図PDF1ページ・洪水浸水想定区域の説明

古い記事や手元の地図は、どう比較する?

洪水・土砂は市の案内にある2026年5月発行版を基準にし、ため池は2024年3月版を別に確認します。地震の資料は2026年3月に改定された耐震改修促進計画のページから入手できますが、地震の想定や建物情報の時点がすべて2026年とは限りません。資料の発行年、対象災害、想定雨量・地震、建物分布の時点を揃えてから比べます。異なる地図の色や市域の集計値だけで、危険が増えた・減ったとは判断できません。洪水・土砂の市案内、地震の市案内

過去に浸水したか、土砂災害があったかを調べるには?

市は、確認したい地点の住所を用意して危機管理課へ問い合わせるよう案内しています。「住所」「調べたい災害」「過去の履歴の有無」を伝えましょう。ハザードマップの色と、実際の被災履歴は別の情報です。市代表は029-883-1111で、危機管理課につないでもらえます。ため池の図や施設注記については土地改良課、地震防災マップについては建築指導課が案内先です。市公式案内・問い合わせ先

洪水・土砂以外にも備えた方がよい?

市の防災ガイドには、2012年5月の北条の竜巻被害も掲載されています。竜巻に対しては頑丈な建物の中へ入り、窓から離れる行動を案内しています。洪水や土砂の着色がない場所でも、突風や地震などへの備えは必要です。記事PDF1ページ・竜巻

地域全体の情報はつくば市の防災情報で確認できます。この記事では、公式地図の違いと避難判断の条件を中心に整理しています。

住所から位置を探す入口として、国土交通省・国土地理院の重ねるハザードマップも利用できます。次の順に確認してください。

  1. 上部の住所入力欄に住所を入れ、検索ボタンを押します。検索結果の住所名と周囲の道路・施設を確認します。番地まで入力しても丁目などの代表位置に移動する場合があるため、表示地点を個別の建物位置と同一と決めず、拡大して照合してください。
  2. 結果の説明を読んだら閉じ、「災害種別で選択」の「洪水・内水(想定最大規模)」を選びます。「表示中の情報」で「洪水浸水想定区域(想定最大規模)」等の表示内容を確認します。次に「土砂災害」を選び、急傾斜地の崩壊・土石流・地すべりの区域を同じ位置で確認します。
  3. 地図の「凡例を表示」で、表示している図の色と区分を照合します。国の地図と市PDFの色分けが同じとは限らないため、市の地図PDFの凡例・想定条件も併読してください。「危険性が想定されていない、もしくはデータ未整備」という検索結果は、安全の証明にはなりません。

市のデジタル図では「地番検索」「目標物検索」「地図を切り替える」「凡例を見る」という入口が用意されています。ため池決壊は地区別PDF、地震は揺れやすさ・危険度の資料を別に確認します。紙PDFでは道路、河川、学校などの目印で自宅を探し、地図の格子A〜E・1〜8を位置の控えに使います。候補避難先は地図の施設名と左側の一覧を照合し、洪水・土砂の利用可否や注記を確かめてください。家族で「自宅の危険」「移動する先」「移動を始める条件」を書き出し、近所の道が冠水した場合に使う別経路も決めておきましょう。この記事や平時の地図は、現在の避難指示・避難所開設情報の代わりにはなりません。