伊勢市の津波ハザードマップは、沿岸部・宮川周辺・五十鈴川周辺の3つのPDFに分かれています。まず自宅や勤務先が載る図を開き、浸水深、津波到達時間の目安、津波から逃れる場所を確認しましょう。図の到達時間は、避難まで待てる時間を保証するものではありません。

この記事では、市が公開している令和7年度改訂版の防災マップを使い、どの資料の何を見るかを説明します。公式の津波マップ案内は令和8年(2026年)7月22日更新ですが、冊子の改訂年や案内ページの更新日と、津波の想定を作った年度は区別して読む必要があります。

自宅の場所に合わせて津波図を選ぶ

市の津波マップ案内にある、次の3区分から選んでください。ページ番号は冊子に印刷された番号です。分割PDFを開いたときに表示される「1ページ目」などの通し番号とは異なります。

確認したい範囲 公式ページで選ぶPDF
沿岸部・北部から今一色周辺 津波ハザードマップ 5~12ページ
宮川周辺 津波ハザードマップ 13~14ページ
五十鈴川周辺 津波ハザードマップ 15~16ページ

PDFへの入口は伊勢市防災マップ・津波です。自宅と勤務先、候補の避難先が別の図に分かれる場合は、両方を開きましょう。海岸沿いの図だけで確認を終えず、川沿いの場所は宮川・五十鈴川周辺の図も選べることを覚えておくと探しやすくなります。

防災マップ全体は津波のほか、洪水、高潮、内水、土砂災害を扱っています。紙で書き込みたい場合は、市の配布案内にある本庁・各総合支所・各支所で冊子を受け取れます。市全体の防災情報や住所検索への入口は伊勢市の防災情報にまとめています。

改訂年度だけでなく、図の説明枠にある想定条件を読む

沿岸部のPDFの最初の見開き、冊子5~6ページには「三重県津波浸水予測図(平成23年度版)」という説明枠があります。令和7年度改訂の冊子に載っていることと、津波の計算が令和7年度に行われたことは同じではありません。

この説明枠では、満潮時に東海・東南海・南海地震が連動して起こり、防潮堤などの施設がない場合を想定しています。地図を比べるときは、年度とともに、潮位や防潮堤の扱いも確認してください。別の資料と着色範囲が違っていても、条件を確かめる前に矛盾と決めることはできません。

5~6ページの浸水深は、津波で浸水したときの地面から水面までの深さの最大値です。土地の標高や、海上での津波の高さとは違います。右上の凡例には0.5m・3m・5mの目盛りと家屋の図があるので、自宅の位置の色をその凡例と照合します。市全体の最大値を、自宅の深さとして使わないでください。

この読み方は、実際の災害で必ず図の範囲や深さに収まるという意味ではありません。色のない場所から避難先を選ぶ際の注意は、ハザードマップで色がない場所の確認方法でも説明しています。

「約40分未満・約60分未満」を荷造りの猶予にしない

同じ5~6ページの凡例には、津波到達時間の目安として約40分未満・約60分未満の線が示されています。浸水深の面の色と、到達時間を示す線は別の情報です。

「40分と書いてあるから、30分は家にいてよい」とは判断できません。 到達時間は図の想定に基づく目安であり、自分が避難を終えられる時間でも、その地点で安全に待てる時間でもありません。

市の大津波警報時の行動説明・169~170ページは、震源が陸地に近い場合、警報が津波の来襲に間に合わないこともあると注意しています。沿岸部や川沿いでは、揺れを感じたら避難することが大切です。大津波警報・津波警報が発表された場合も、直ちに高台や避難ビルなどへ避難し、警報が解除されるまで安全な場所を離れないよう案内されています。

同資料には、避難指示の対象となる地域の一覧もあります。ただし、津波警報の場合は下線のある地名のみという注記があり、大津波警報の対象と同じ読み方はできません。遠地地震などでは対象範囲を変える場合があることも記載されています。平常時に自分の町の表記を読み、災害時には実際に発表された市の避難情報を確認してください。

避難所の星印と、施設の役割を確かめる

津波図の避難所記号には、星や三角が付いています。これは伊勢市が設定した安全度ランクで、開設中かどうかや収容人数を示すものではありません。

避難所の考え方・153~154ページでは、星3つを「十分に安全」、星2つを「一定の安全性が確保」、星1つを「一部の安全性が確認されていない」、三角を「一部に安全性を満たしていない」と区分しています。対象の災害や身体の状況、時間を考えて避難先を選ぶための目安です。

さらに、5~6ページの凡例には、各階の安全度は155~158ページを見るという案内があります。建物に星が付いているから全階を同じように使える、と受け取らず、避難所一覧の公式入口から該当施設と利用する階を照合しましょう。

市の防災マップでは、避難施設の役割も次のように分けています。

市の資料で使われる名称 役割と確認すること
指定避難所 市が開設し職員を派遣する施設。災害時の開設情報と、対象の災害に対する安全度を確認する
津波緊急避難所(場所) 津波から一時的に逃れるための施設・場所。避難生活を送る場所として指定されているわけではない
避難生活施設 自宅へ戻れない人などが避難生活を送るため、体育館等を開設するもの

これは153~154ページの分類を整理した表です。津波から逃れる場所と、その後に生活する場所を分けて考えると、「近くに津波避難の印があるから、そのまま泊まれる」という思い違いを防げます。地図上の指定だけで、現在開設されていることまでは分かりません。

自宅・避難先・経路を、地図に書き込む

市の防災マップの使い方・1~2ページは、場所の確認、経路の検討、書き込み、避難のタイミング、情報収集の順で備えるよう案内しています。家族で確認するときは、次のように進めてください。

  1. 自宅と候補の避難先に印を付ける。津波図の深さと、施設の種類・安全度を確認する。
  2. その間の道をたどり、川や地形、避難に使う建物の階を確認する。津波以外の災害への備えは、洪水・高潮・内水・土砂の図でも別々に検討する。
  3. 地図に候補の経路を書き込み、家族で共有する。津波から一時的に逃れる先と、その後の避難生活の場所を混同しない。
  4. 市の最新の避難情報を受け取る方法を確かめる。170ページには防災行政無線のサイレン・放送と、防災総合システムの登録案内がある。

図の選び方や施設の条件が分からない場合は、公式ページに記載された伊勢市危機管理課(0596-21-5523)へ確認できます。「津波図の5~6ページにある施設の、どの階を確認したいか」のように、資料名・冊子ページ・施設名をそろえると質問が具体的になります。