川棚町のハザードマップは、2026年2月版の総合防災資料から、洪水・土砂災害、高潮、津波の図を分けて開くと確認しやすくなります。洪水図には石木川・猪乗川の想定が追加されています。川棚川の図だけで支流や海からの災害まで確認済みとせず、自宅、道中、避難先をそれぞれの図で読み合わせましょう。

公式の入口は川棚町洪水・土砂災害ハザードマップです。ページ名は洪水・土砂災害ですが、掲載されている2026年版には高潮・津波のPDFと、備えや指定避難所の条件を説明する情報ページもあります。

地区別PDFと拡大版を選ぶ

最初に情報ページのp.8の索引図で、住所と経路がどの地図に載るかを確認します。洪水・土砂災害は6面に分かれ、川棚川沿いには拡大版3面があります。拡大版は別の災害を表示する図ではなく、施設や道を詳しく読むために使います。

開くPDF 対象の選び方 読み合わせるポイント
洪水・土砂災害①~⑥ ①上組・中山・五反田、②木場・猪乗川内・川原、③新谷・惣津・西小串・東小串、④白石・下組・平島・中組・数石・石木・岩立、⑤川原・岩屋、⑥大崎・三越・東小串付近 浸水深に加え、土砂災害の区域と家屋倒壊等氾濫想定区域を読む
洪水・土砂災害の拡大版①~③ 情報ページの索引図で、経路に重なる枠を選ぶ 建物周辺、橋の前後、施設の条件と隣の図へのつながりを詳しく確認
高潮①・② 湾沿いの西側・東側の位置を各PDFの索引で選ぶ 海や河口付近の浸水深と、その災害での避難所利用条件
津波①・② 高潮と同じ場所でも津波のPDFを別に開く 基準水位、影響開始時間、避難先の記号を確認

洪水①と拡大版①では、川棚川と猪乗川周辺を読むことができます。洪水④と拡大版②は、石木川と川棚川の合流部周辺や石木・岩立方面を確認するときに読み合わせられます。これらの図でも、地名や施設名だけで住宅の安全を判断することはできません。

経路が別の面へ続く場合は、図の端のページ案内から隣のPDFを開きます。例えば、出発点が洪水①に載っていても、南側の候補地へ移動するなら、途中を洪水④などで確認する必要があります。自宅の色だけを見て確認を終えないようにしましょう。

川棚川と支流の雨量は時間単位をそろえて読む

情報ページp.2では、川棚川と猪乗川・石木川で洪水想定の雨量と指定時点が別に示されています。同じ「想定最大」の図でも、一方は24時間、もう一方は1時間の雨量です。数字の大きさだけで河川の危険を比較することはできません。

資料の対象 記載された条件・値 読み方
川棚川の洪水 24時間当たり970mm、県指定2021年3月26日 支流の1時間雨量と直接比較しない
猪乗川・石木川の洪水 1時間当たり204mm、県指定2023年12月22日 2026年版では支流の想定も追加されている
高潮図① 最大水位T.P.+5.7m、最大浸水深2.7m 基準面からの水位と地面からの深さを分ける
津波図①・② 最高津波水位T.P.+3.0m、最大基準水位2.2m、影響開始時間8分、最大津波到達時間22分 高さの基準と時間の種類がそれぞれ違う

雨量は図の作成条件であって、実際にその雨量になるまで浸水しないという意味ではありません。想定される範囲、周辺の水路や地形、災害情報も合わせて確認する必要があります。

浸水の深さと家屋倒壊等の区域を重ねて確認

洪水図の浸水深は、0.5m未満、0.5~3m未満、3~5m未満、5m以上の区分です。それとは別に、紫の斜線で氾濫流、赤の枠模様で河岸侵食の家屋倒壊等氾濫想定区域が描かれています。

浸水深の色が比較的浅い区分でも、この模様が重なっていれば深さだけで屋内にとどまる判断はできません。まず深さの凡例を読み、その上に家屋倒壊等の模様があるかを確かめます。土砂災害も、警戒区域と特別警戒区域を別の凡例で確認します。

情報ページは浸水想定区域の外への避難を基本としています。「2階以上」の説明を、どの住宅でも2階に上がれば安全という保証に置き換えないことが必要です。平時に、候補地まで危険な区域を通らず移動できるか、家族の移動条件で間に合うかを確かめておきましょう。

色がない場所についても、ハザードマップで色がない場所の読み方で説明するように、表示する災害と想定の範囲を確認します。総合防災資料に複数の災害が入っていても、一枚の図で全部を示しているわけではありません。

高潮の地図年月と高さの意味を確認

2026年版の情報ページp.4には、高潮の県指定時点を2023年5月とする記載があります。一方、高潮図①には大村湾沿岸の想定区域を2025年2月とする記載があります。年月の説明が資料内で一致していないため、同じ時点の表示と決めつけず、地図本体と県の原資料を読み合わせます。

長崎県の高潮浸水想定区域図の案内では、大村湾沿岸の指定・公表日は2025年2月28日です。掲載された県原図にも2025年2月作成と記されています。新旧の差から個々の場所の浸水範囲が変わったとは推定せず、住所の確認には該当する図を開いてください。

高潮図①の最大水位T.P.+5.7mは東京湾平均海面を基準にした高さです。最大浸水深2.7mは地盤面から水面までの深さで、同じ意味ではありません。全域が2.7mで浸水するという数字でもないため、住所や経路の色を凡例で読みます。

津波の22分を避難まで待てる時間と考えない

情報ページp.5は津波到達について最短22分と説明していますが、津波図①・②の数値欄では、影響開始時間8分と最大津波到達時間22分を区別しています。最大の津波が到達する時間と、津波の影響が始まる時間は別です。 地震後22分までその場にいてよいとは読みません。

津波図は大村・諫早北西付近断層帯の地震等に基づく想定を説明しています。最高津波水位T.P.+3.0mと最大基準水位2.2mも別の指標です。基準水位は建物に当たってせり上がることを考慮した、地盤面からの高さとして説明されています。高潮の浸水深の凡例を、そのまま津波の色に当てはめないようにします。

情報ページは身の安全を確保した後の津波避難を案内しています。平時に候補地と移動経路を確かめ、災害時には地図の時間まで待つために使わないことが大切です。津波図②には、繰り返し来襲することや津波注意報・警報が解除されるまで注意することも記されています。

避難先は災害別の欄と地図の記号を読む

情報ページp.7の一覧には、水害、土砂、高潮、地震、津波の欄があります。例えば、石木小学校・川棚小学校・総合文化センターの水害欄は「2階以上」の条件付き表示です。施設名が載っていることだけで、どの災害でも建物全体を利用できるとは考えません。

地図には指定避難所、福祉避難所、自主避難所、利用不可の記号があり、土砂災害や床下浸水の危険性を示す注意記号もあります。一覧の記号と、利用する災害の図に載る記号の両方を確認します。情報ページの注記では、三角印の指定避難所は危険性を判断し状況により開設するとされています。

地図と一覧で判断が一致しない場合や、入口・利用階が分からない場合は、町の避難場所・収容人員等の案内から担当課へ確認してください。施設名、想定する災害、使える階と現在の開設状況を分けて聞くと、確認する内容が明確になります。

ため池については防災重点ため池ハザードマップが別に公開されています。中山や上組などの関係地区から、対象の池の図を選びます。河川洪水の図でため池決壊の条件も確認できたとは扱わないようにします。

川棚町の災害リスク情報も資料を探す入口として使えます。2026年版の索引から住所と経路のPDFを選び、災害ごとの凡例、避難先の条件、実際の移動経路を一緒に確認しておきましょう。