吹田市のハザードマップは、市の公式ページで洪水・内水・高潮を選んで確認できます。河川から離れている場所でも下水道の排水が追いつかず浸水する場合があり、海に面していなくても高潮が河川へ逆流する想定があります。一枚の図だけで水害の危険を判断せず、同じ住所と避難経路を災害別の図で読み合わせることが大切です。
洪水・内水図は2025年12月、高潮図は2022年3月の版です。施設の場所を探す防災マップも別にありますが、載っている施設が現在使えるとは限りません。地図の版、想定の条件、施設の使用停止や開設情報を分けて確認しましょう。
公式ページで「洪水・内水・高潮」を選び直す
吹田市のハザードマップ一覧から、各図の案内へ進めます。各ページの日本語版PDFは、住所周辺の浸水深、土砂災害区域、施設などを確認するための図です。
| 調べたい現象 | 選ぶ図・版 | 想定の条件と限界 |
|---|---|---|
| 川の堤防が壊れる・水があふれる | 洪水ハザードマップ・2025年12月 | 想定最大規模の雨による河川の氾濫。河川ごとに雨量条件が違う |
| 下水道などで雨を排水しきれない | 内水ハザードマップ・2025年12月 | 1時間147mm、公共下水道区域のシミュレーション。河川の氾濫は含めない |
| 台風で海水が河川へ逆流する | 高潮ハザードマップ・2022年3月 | 最大規模の台風を複数経路で想定。一部河川の降雨による洪水も考慮 |
| 避難所や施設の場所・経路 | 防災マップ・2025年12月 | 施設の分類と所在地を確認する図。水害の深さや現在の開設状況は別に確認 |
川からの洪水、下水道からの内水、海面上昇に伴う高潮は、発生の仕組みが異なります。例えば内水図が浅い色でも、洪水図で深い色になる場所では、内水の深さだけを自宅の水害対策に使いません。逆に洪水図の色がない場所でも、内水図や土砂災害区域の表示を調べます。
各PDFは大きな用紙向けの図です。全市図を小さく表示したまま家の位置を推測せず、町名、道路、学校や駅などを手がかりに拡大します。自宅のほか、職場、通学先、そこから避難先までの道も同じように探します。
洪水図の色は、複数の河川の想定を重ねた表示
洪水ハザードマップの説明欄には、淀川、神崎川、安威川、高川、糸田川、上の川、正雀川、山田川などの想定を用いていることが書かれています。凡例は「浸水想定区域 重ね合わせ」です。住所に付いた色を、特定の一河川だけの危険や毎回の大雨の予測と考えないでください。
雨量条件も一つではありません。例えば図の淀川の条件は、枚方上流域の24時間総雨量360mmです。安威川・正雀川・山田川の条件には、相川地点上流域の24時間総雨量776mmと1時間最大雨量189mmなどが記されています。24時間の総雨量と、1時間の最大雨量は別の値です。 これを内水図の1時間147mmと数値だけで比較して、どの災害が軽いかを決めることはできません。
深さの凡例は、0.3m未満、0.3~0.5m未満、0.5~1.0m未満、1.0~3.0m未満などに区分されています。3.0~5.0m未満と5.0~10.0m未満も別の色です。「赤っぽいから同じ程度」とまとめず、見ている図の凡例に対応させます。
さらに青い斜線の「家屋倒壊等氾濫想定区域」は、浸水深とは別の表示です。吹田市の図は、家屋の基礎を支える地盤が流出する河岸侵食のおそれがあると説明しています。深さが浅いから上階にいればよい、という判断はできません。 自宅の位置と経路が斜線の区域にかかるかも確かめます。
内水図は、河川氾濫や小さな管まで含む図ではない
内水ハザードマップは、吹田市公共下水道区域で内水による浸水が想定される区域を示します。既存の下水道施設と地表面モデルを使い、時間雨量147mmでシミュレーションしています。
図の注記には、堤防の決壊や河川からあふれた水による洪水は考慮しないとあります。また、内径600mm以上などの下水道管路施設をモデル化しており、それより小さい管のある地域では想定が異なる場合があります。色がないことを「下水道からあふれない」という保証にはできません。
内水図の深さの区分も洪水図とは違い、最も深い区分は3.0m以上です。同じような色でも、凡例の上限や区切りを読み直してください。図を切り替えるときには、現象だけでなく、深さの区分も変わることがあります。
洪水・内水図はいずれも土砂災害の表示があります。丘陵地や斜面沿いの道では、浸水の色がないかを見るだけでなく、黄色・赤色の土砂災害区域にかかるかも確認します。地図上で色がない場所の限界は、ハザードマップの白地を安全と断定できない理由でも説明しています。
海に面していない吹田市でも、高潮図を確認する
高潮ハザードマップは、海岸や河川から高潮による氾濫が発生した場合の浸水範囲と深さを示しています。市の一覧は、潮位が上昇して河川に海水が逆流し、河川水位が上がる想定を説明しています。
図の条件は、中心気圧910hPa、移動速度73km/hの台風を基本とし、浸水の範囲や深さが最大規模となるよう複数の進路を想定しています。ある一つの台風で、この地図のすべての範囲が同時に浸水するという実況図ではありません。
一部河川では高潮と同時に一定規模の雨による洪水が起こることを考慮する一方、地震によって堤防などに影響が生じることは考慮しない、と注記があります。洪水・内水・高潮の三枚を見ても、すべての災害の組み合わせを計算した図になるわけではありません。
深さだけでなく、斜線・施設マーク・使用停止を見る
図の記号は、それぞれ異なる確認のためのものです。水の深さの色と施設マークが同じ場所にあっても、その施設が水害時に使える階や入口まで示しているとは限りません。
| 見つけた表示・情報 | 確認すること | 避けたい読み違い |
|---|---|---|
| 洪水の深さの色 | 地盤からの浸水深の区分と、その図の凡例 | 家の階数だけで安全と決める |
| 家屋倒壊等氾濫想定区域の斜線 | 河岸侵食のおそれと自宅・経路の位置 | 浅い色なら建物内で大丈夫と考える |
| 黄色・赤色の土砂災害区域 | 警戒区域・特別警戒区域と斜面沿いの経路 | 洪水の色がないから全災害で安全と考える |
| 指定避難所・津波・洪水避難ビルのマーク | 施設の用途、災害時の使える場所・現在の利用可否 | 地図の掲載だけで常時開設や全階利用を期待する |
| 市の使用停止・指定解除の告知 | 予定期間と代わりに確認する候補 | 古い紙の施設一覧をそのまま使う |
防災マップには、男女共同参画センター(山田町2-1)が指定避難所の一覧に載っています。しかし同じ案内ページと指定避難所の案内には、改修工事のため2026年6月26日~2027年8月末(予定)の避難所利用停止が記されています。冊子や地図の掲載と、施設の現在の利用可否は別に確認する必要があります。
指定避難所は、危険がなくなるまでの滞在や、家に戻れない人の一時滞在を目的とする施設です。一方、市の津波・洪水避難ビルの案内は、緊急的・一時的な避難や退避のための施設として説明しています。避難ビルの指定や建物の階数だけで、どの水害でも同じ階が使えると考えません。
市の指定避難所案内から、おおさか防災ネットの避難所一覧へ進むと、小学校区ごとの施設と開設状況を確認する入口があります。地図で候補を探した後は、使用停止や指定解除の告知、発災時の開設情報を確認します。入口や利用できる場所が不明なら、施設名・住所・災害名を添え、市の危機管理室(06-6384-1753)へ確認してください。
平時には候補まで実際に歩き、川や斜面に近い道、地下道、移動にかかる時間を確かめ、家族で経路を共有します。洪水図で深い区域を横切るなど、避難先だけ合っていても途中で危険になる計画にしないことが大切です。吹田市の災害リスク概要も地域の情報を整理する入口になりますが、個々の建物の安全を代わりに判定するものではありません。