鴻巣市の洪水を調べる入口は、市の「水害ハザードマップ」です。荒川、利根川、小山川、福川、中川流域(元荒川を含む)の想定を合わせた図で、自宅だけでなく避難経路の浸水深、家屋倒壊等氾濫想定区域、浸水継続時間を確認できます。

一方、道路側溝や雨水管などで雨を排水しきれない「内水」は、別の内水ハザードマップで確認します。洪水図と内水図は、発生原因も表示の作り方も異なります。 どちらか一枚の色だけで、自宅や道路の危険を判断しないようにしましょう。

旧防災図より、現行の水害・内水の案内から選ぶ

鴻巣市の水害ハザードマップには「記事面」と「地図面」があります。地図面は2020年9月発行、2025年7月一部修正と記されています。記事面では備えや避難の考え方を、地図面では自宅、職場、学校、避難経路の位置を確かめます。

市の旧防災マップのページには、おおむね200年に1回程度の雨を想定した荒川・利根川の図も残っています。ただし同じページは、浸水想定の確認には2020年作成の水害ハザードマップを見るよう案内しています。検索で古いPDFを開いたときも、タイトルだけで選ばず、想定条件と現行案内への対応を確認してください。

調べたいこと 使う資料 版・注意点
河川からの洪水、深さ、浸水が続く時間 水害ハザードマップの地図面 2020年9月発行・2025年7月一部修正。複数河川の最大の想定を合わせた図
雨を排水しきれない内水 内水ハザードマップの地図面 2025年8月発行。現行ページの修正・訂正情報も読む
紙の図の実績表示が合っているか 内水図の2026年7月8日の訂正資料 加美3丁目・大間1丁目の冠水・浸水実績箇所の訂正
地図を拡大し、河川別にも見る こうのとりっぷ 市の利用案内から進む。河川単位の図と合成版の違いを確認する
施設の用途と水害時に使える階 避難所の現行案内・地図面の一覧 地震時の受入れと水害時の使用可能範囲、現在開設を分ける

こうのとりっぷの市の案内は、河川単位から合成版までの水害図、各種避難所、指定緊急避難場所、土砂災害警戒区域などを確認できると説明しています。PDF全体を小さく見て位置を推測せず、地名、道路、駅や学校を手がかりに自分の場所を拡大して探します。操作方法が分からない場合は、この案内ページの利用方法PDFを使ってください。

洪水図は「いずれかが氾濫した場合」の最大の表示

水害図の説明欄は、荒川、利根川、小山川、福川、中川流域のいずれかが氾濫した場合の、最大エリアと最大浸水深を示すとしています。ある一つの川が決壊したら、地図全体で同じ時刻に同じ深さになるという図ではありません。

もとになる想定の雨量も河川で違います。荒川は流域の72時間総雨量632mm、利根川は八斗島上流域の72時間総雨量491mm、小山川の想定も491mmと記されています。福川は流域の24時間総雨量671mm、中川流域は48時間総雨量596mmです。72時間・24時間・48時間の雨量を、数値だけで比べて河川の危険度を順位付けしません。

図の説明は、想定最大規模の雨によるシミュレーションを使っています。「千年に一度」という説明も、次の千年間は起きないという意味ではありません。今出ている雨の予報や河川水位とは別に、平時の避難計画を考えるための条件として読みます。

自宅の浸水深を見た後は、道路をたどって避難先まで確認します。途中に深い浸水が想定される場所、川沿いの道、アンダーパスがあれば、目的地だけでなく経路そのものを見直す必要があります。深さの色がない場所についても、白地を安全と断定できない理由を踏まえて読みましょう。

浸水深と「浸水継続時間」は別の数字

水害図の左側には深さ、右上には浸水継続時間の小さな図があります。深さは地盤からどれくらい水につかるか、継続時間は水が引くまでの一定の条件での時間です。二つの凡例の色を取り違えないでください。

表示 何を表すか 判断へ加えること
洪水の浸水深 0~0.5m未満、0.5~3.0m未満、3.0~5.0m未満など 建物の階だけでなく経路を確認。色と凡例の区分を照合
洪水の浸水継続時間 水深が50cmになってから50cmを下回るまでの時間の最大値 自宅に残る場合の孤立、食料・水・トイレ・薬・停電への備えを検討
内水の浸水深 5~20cm未満、20~50cm未満、50cm~1m未満、1~3m未満、3m以上 洪水図と区分が違う。浅い色を洪水の同じ色へ読み替えない
内水図の冠水・浸水実績箇所 過去の冠水・浸水の位置情報 予測の深さと区別し、訂正資料の対象箇所も確認

浸水継続時間の凡例は、12時間以下、12~24時間、24~72時間、72~168時間、168~336時間、336~672時間などです。これは洪水が到達するまで待てる時間でも、水が完全になくなるまでの時間でもありません。 河川のいずれかが破堤した場合について、水深50cmを境に水が引く時間を示しています。

高層階の住民について、水害図は避難先へ行かなくても安全に暮らせることがある一方、長期化のおそれがある場合は避難所へ移ることも考えると記しています。建物に浸水しない階があることと、停電や断水の中で生活を続けられることは別です。家族の持病、必要な薬、移動の支援、備蓄を合わせて計画します。

家屋倒壊の区域では、深さだけで上階を選ばない

水害図は、家屋倒壊等氾濫想定区域を、青い表示の氾濫流と赤い表示の河岸侵食に分けています。氾濫流は河川から流れ込む水の力による家屋の流失・倒壊、河岸侵食は川沿いの激しい流れで岸が削られることによる家屋の流失・倒壊のおそれです。

これらの区域は、浸水深とは別の確認項目です。深い水だけを避けるつもりで上階に残っても、建物自体に被害が及ぶ条件を無視することになります。図はこの区域の住民に早めの立ち退き避難が必要と記しています。自宅と周囲、避難する道がどの表示にかかるかを読み合わせます。

内水図は赤い枠の内外で、表示の根拠が違う

市の内水ハザードマップ案内では、想定条件は1時間153mmの雨です。河川の氾濫は含まれないため、外水による浸水は水害ハザードマップと合わせて確認します。

特に重要なのが、赤い点線の公共下水道全体計画区域です。区域外では、過去の冠水・浸水実績や地形情報をもとにした冠水・浸水想定区域を示しており、浸水深の詳しい記録はないと説明しています。赤い枠の外の表示を、枠内と同じ精度の水深予測として扱いません。

雨の降り方、土地利用の変化、落葉や土砂による排水施設の詰まりなどにより、実際の範囲や深さが異なることも案内されています。図の色がなくても浸水しない保証にはなりません。

加美3丁目・大間1丁目を見る場合は、2026年7月8日の訂正PDFも開いてください。訂正は冠水・浸水実績箇所に相違があったためのもので、赤い丸を付けた部分の訂正前・訂正後の図が載っています。実績箇所の位置と、背景の想定浸水深の色は別です。「訂正だから、この地区の予測水深が一律に変わった」とは読みません。

同じページには、2026年5月29日から情報面の防災気象情報の名称・体系を読み替える案内もあります。紙の情報面の表を使うときは、現行ページの案内と合わせて確認してください。

避難所は、施設名より「水害時使用可能範囲」を確認

市の避難所案内には、指定避難所、補助避難所、福祉避難所の区別と、施設ごとの水害時使用可能範囲があります。指定避難所と補助避難所のマークを同じ意味で見ないようにします。

例えば、田間宮小学校と箕田小学校は、水害時の使用可能範囲が3階以上です。赤見台第一小学校も3階以上ですが、赤見台第二小学校は2階以上です。地震時の受入れ人数や学校名だけを見て、1階から使えると思わないでください。水害図と内水図の施設一覧でも、使用可能階数の欄を確認できます。

避難所に色や施設名が載っていることは、現在開いていることを意味しません。市の避難所案内から「避難所開設状況の確認 VACAN Maps」へ進むと、開設状況と混雑状況を調べる入口があります。発災時には、この情報と避難情報を確認します。

内水の過去の実績、自分の場所が浸水区域か、浸水深がどれくらいかを詳しく問い合わせたい場合、市のQ&Aは電話では回答せず、上下水道部下水道課の窓口へ来るよう案内しています。住所、見ている図の版、確認したい箇所を用意し、市役所本庁舎1階の下水道課計画担当で確認します。避難先の用途や使える場所の不明点は、施設名と水害の条件を添えて危機管理課へ確認してください。

鴻巣市の災害リスク概要も地域の情報を整理する入口になります。個々の建物の安全を代わりに判定するものではなく、洪水と内水の条件、経路、避難先、生活への備えを読み合わせるために使います。