富士宮市では、洪水、土砂災害、富士山の火山災害を、それぞれの地図で確認します。洪水は河川別の図、火山は避難対象エリアと避難行動の表を読み、自宅だけでなく経路と候補の避難先を照合することが必要です。
入口は市の「総合防災マップ」です。地震の避難先が、そのまま洪水や噴火の避難先になるとは限りません。 指定避難所と指定緊急避難場所の用途、火山の別の避難計画を使い分けて、家族の計画を考えましょう。
公式ハザードマップは2026年3月改定の冊子と、現行のデータ版を使う
富士宮市総合防災マップの案内には、冊子全体とページ別のPDFがあります。表紙は「2026年3月改定」と記され、市はホームページのデータ版を随時更新すると説明しています。手元の冊子を使う場合も、現行ページの資料と対応しているか確認してください。
| 調べたいこと | 使う資料 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 洪水の対象河川と深さ | 31〜32ページの索引・凡例、33〜56ページの河川別図 | 索引から川を選び、その図の雨量条件・指定日・深さの凡例を読む |
| 土砂災害の区域 | 防災マップの索引・凡例と地区別図、16ページの説明 | 警戒区域と特別警戒区域を区別。洪水の色だけで済ませない |
| 富士山噴火への避難 | 5〜12ページの火山災害 | 避難対象エリア、対象者、季節、避難先を読み合わせる |
| 危険から身を守るための場所 | 29〜30ページの指定緊急避難場所一覧 | 地震・火災・洪水・土砂の対象災害の列を確認。火山は別ページへ |
| 一定期間の避難生活 | 27〜28ページの指定避難所一覧 | 地区・自主防災会の対応を確認し、災害別の利用と開設を別に調べる |
旧防災アプリと旧WEBマップは2025年3月31日で提供を終了しています。市は、インストール済みのアプリも2025年4月から情報を更新しないと案内しています。起動できる旧アプリの表示を、現在の施設や区域の情報と扱わないでください。 WEBで調べる入口として、市の総合防災マップ案内にある「富士宮市わが街ガイド宮まっぷ」を使います。
細かな操作や住所の境界を推測せず、公式の索引、地区名、道路や学校の位置を手がかりに自分の場所を探します。地域全体の位置関係は富士宮市の防災情報でも整理できます。
洪水は河川ごとの条件を確認する
洪水図の索引には、富士川、芝川、潤井川のほか、神田川、弓沢川、稲子川など、複数の河川と掲載ページが示されています。洪水の想定は川ごとの図なので、自宅に近い川と、経路を横切る川の資料を選びます。
例えば富士川の33〜34ページは、富士川下流域の48時間総雨量565mmを条件とし、指定日は2017年3月21日と記されています。一方、潤井川の37〜38ページは、流域の24時間総雨量673.4mm、指定日は2025年3月31日です。48時間と24時間の雨量を数値だけで比べて、川の危険度を順位付けしません。 冊子の改定年月と、もとの想定区域の指定年月日も別です。
深さの凡例も図ごとに読みます。富士川は0.5m未満から10〜20mまでの区分、潤井川は0.3m未満、0.3〜0.5m、0.5〜1m、1〜3m、3〜5m、5〜10mの区分です。同じ色に見えても、別の川の深さへ置き換えないでください。広い図の凡例に深い区分があることは、自宅がその区分に入ることを意味しません。
潤井川の図は富丘・大宮・山本の地区に分かれています。位置図で地区を選び、自宅から候補の避難先まで道路をたどって、浸水が想定される区間を確認しましょう。避難先の場所だけを見て、途中の低い道や川を渡る区間を見落とさないようにします。
洪水図の白地と、内水の資料の状態を混同しない
洪水の凡例ページは、対象河川以外の決壊、想定を超える雨、高潮や内水による氾濫などを考慮していないと説明しています。図の外でも浸水したり、想定と違う深さになったりする場合があります。ハザードマップの白地を読む際の注意も踏まえて、自宅や道路を安全と断定しないようにします。
内水は、排水路・下水道の能力を超える雨や、河川水位が上がって排水できなくなることなどで、建物や道路に水がたまる現象です。河川の水があふれる外水とは仕組みが違うため、洪水図だけでは確認が完結しません。
現行の公式ページが掲載する「ハザードマップ作成状況」は、内水を作成中とし、雨水出水浸水想定区域を指定した後、2026年度中の公表を予定すると記しています。冊子15ページにもデータ版で公表予定とあります。資料が作成中という説明を、「内水の危険がない」という意味に読み替えません。 内水の更新状況は同じ公式入口で確認し、不明な点は市へ問い合わせてください。
指定避難所と指定緊急避難場所は、役割と対象災害が違う
指定避難所は、住宅を失ったり、住宅で生活できなくなったりした人が一定期間避難生活を送る場所です。指定緊急避難場所は、災害の危険から命を守るために緊急に避難する場所・建物です。冊子は二つを別の一覧にしています。
緊急避難場所の表では、対象災害の列と○を確認します。次の例は2026年改定冊子の掲載内容で、現在開設していることを示すものではありません。
| 施設の例 | 指定避難所一覧への掲載 | 緊急避難場所の洪水欄 | 緊急避難場所の土砂欄 |
|---|---|---|---|
| 第四中学校 | あり | ○なし | ○なし |
| 大宮小学校 | あり | ○あり | ○なし |
| 富丘小学校 | あり | ○あり | ○あり |
| 市民文化会館 | あり | ○あり | ○あり |
例えば第四中学校は指定避難所一覧に掲載され、緊急避難場所の地震・大規模な火災の列は○ですが、洪水・土砂の列には○がありません。避難所という名前だけで、すべての災害への緊急避難先にしません。 大宮小学校も、洪水と土砂で表の対応が違います。
住所や自主防災会に対応する施設を確認したら、その災害の列、自宅からの経路、実際の開設情報を合わせて読みます。火山については、緊急避難場所一覧自体が火山災害のページを参照するよう案内しているため、この表の洪水・土砂の○から噴火時の避難先を決めません。
富士山噴火は、エリア・対象者・季節を合わせて読む
火山災害のページは、避難対象エリアを第1次から第6次に分けています。影響範囲や到達時間の想定に加え、対象者と避難行動を示す表があります。エリア名の番号は、噴火警戒レベルの番号とは別です。
市の火山避難計画の案内は、2025年3月に融雪型火山泥流の事前避難対象区域と、噴火前に避難する地区・避難先の組合せを定めて改訂したと説明しています。噴火警戒レベルの基本的な意味は気象庁の富士山リーフレットで確認できます。
冊子の通常の避難表では、第1次エリアは噴火警戒レベル3で避難、第2次エリアはレベル4で避難と示されています。第3次エリアは一般住民と避難行動要支援者で行動が分かれ、支援が必要な人はレベル4で避難を始めるよう案内されています。一般住民の噴火後の徒歩避難と、支援が必要な人の噴火前からの車での避難を、全員共通の一つの手順にしないでください。
さらに積雪期には、融雪型火山泥流への事前避難が必要な区域があります。冊子11〜12ページは、第3次・第4次エリアの中にある対象区域と避難先を別に示し、その区域の住民に噴火警戒レベル4で避難を始めるよう案内しています。第4次エリアだから必ず噴火後まで待つ、と季節の条件を外して読みません。 対象地区の記載には「一部」があるため、同じ地区名でも全域が同じ条件とは限りません。
溶岩流の到達時間は、想定条件のもとでの区分です。自分の場所で噴火後何時間待てるという保証には使いません。火口や流れる方向が実際に分かった際は、市の避難情報と状況を踏まえた対応が必要です。
溶岩流の重ね合わせと降灰図も、発生の仕方を区別する
冊子9〜10ページは、富士宮市に影響する溶岩流の9パターンを示しています。統合図はそれらを重ねたイメージで、すべての方向へ同時に流れるという図ではありません。川ごとの流下パターンと、自宅のエリアを読み合わせます。
降灰の可能性マップも、すべての季節を重ねた図です。実際の範囲は風向などで変わるため、輪郭や色をそのまま発災時の降灰予報と扱いません。降灰への屋内避難も、火砕流・溶岩流や建物倒壊などの危険がない場合という条件があります。灰への対応と、溶岩や泥流から離れる避難を分けて考えてください。
平時には、洪水の河川別図、土砂の区域、火山のエリアと季節の表から、自宅・経路・候補施設を整理します。古いアプリではなく現行資料を使い、施設の利用条件や地区の境界が分からない場合は、総合防災マップ案内にある危機管理局の問い合わせ先で確認しましょう。