江東区の水害リスクを確認するときは、区の公式ダウンロードページから「洪水」「大雨浸水(内水)」「高潮」の3種類を開き、同じ自宅と経路を見比べます。1種類だけで、水害への備えを終えないようにしてください。

洪水と高潮のPDFは、1枚目が浸水の深さ、2枚目が浸水の時間です。内水のPDFは、1枚目の深さ図と、2枚目の使い方・備えの説明を併せて読みます。まず地図の名前と、見ている面の見出しを確認しましょう。

最新版は公式ページとPDFの改訂年月で確かめる

区のダウンロードページでは、3種類とも2026年8月が最終改訂日とされています。「風水害に備えましょう」の案内には、洪水・内水は2023年、高潮は2025年の改訂記述が残っています。手元の紙や別の案内ページの年月だけで最新版と判断せず、現在のダウンロードページとPDF末尾の改訂年月を照合してください。

最新版にも、もとになった浸水想定区域図の作成年月が書かれています。例えば洪水は2016年指定の荒川の図をもとにしています。元の想定図の年月と、江東区が避難情報などをまとめたハザードマップの改訂年月は別です。

日本語の通常版に加えて、色違い版、英語・中国語・韓国語版も案内されています。色が見分けにくいときは色違い版を使い、必ずその図の凡例と照合します。

3種類は、災害の起こり方と計算条件が違う

公式案内とFAQでは、次の条件が示されています。雨量などは想定を計算するための条件であり、その数値に達するまで避難を待つ基準ではありません。

地図 想定している水害 計算条件を読む箇所
洪水 荒川の堤防が決壊したときの氾濫 荒川流域の72時間総雨量632mm。自宅付近だけの雨量ではない
大雨浸水(内水) 下水道や排水機場の処理能力を超える雨による浸水 24時間総雨量690mm、1時間最大153mm。2026年3月の雨水出水浸水想定区域図をもとにする
高潮 台風などで東京湾の海面が上昇した場合の氾濫 中心気圧910hPa、移動速度73km/hなど。FAQでは洪水との同時発生も想定すると説明

洪水図で色がない場所も、内水や高潮の図を確認してください。資料ごとに災害の起こり方、条件、対象となる範囲が異なります。色のない場所を確認する考え方は、ハザードマップで色がついていない場所の読み方でも整理しています。

「深さ」と「時間」は別の面で読む

深さ図では、自宅の位置と凡例を照合します。地図の深さは地面からの水深の目安で、建物の階数だけで安全を判断するものではありません。洪水の凡例には、流速が大きく木造家屋が倒壊するおそれを示す「家屋倒壊等氾濫想定区域」もあります。FAQは、この区域での屋内避難は危険と説明しています。

時間図は、浸水が続く状況を考えるために読みます。洪水と高潮では、時間の区分が同じではありません。

比べる項目 洪水PDFの2枚目 高潮PDFの2枚目
最も長い時間の区分 2週間以上 1週間以上
ほかの区分 1〜2週間未満、3日〜1週間未満、1〜3日未満など 3日〜1週間未満、1〜3日未満など
排水の想定条件 排水施設が浸水した場合や備蓄燃料がなくなった場合は排水できなくなる想定 自然排水や排水施設を考慮し、施設浸水・燃料切れの場合は排水できなくなる想定

同じ色に見えても、図ごとの凡例を読まずに日数を比べないでください。「2週間以上」は、2週間後に必ず水が引くという意味でもありません。FAQでは、決壊した堤防などの復旧と排水が完了するまで、具体的な期間は状況によって変わるとしています。

また、時間図は雨の降り始めから避難できる猶予を表していません。長く浸水する可能性は、停電や断水、物資の不足なども含め、孤立に備える理由として考えます。

自宅と避難先を、経路まで一緒に確認する

平時には、次の順で3図を照合しておきます。

  1. 自宅や勤務先を見つけ、各図の浸水深と危険区域の凡例を確認する。
  2. 洪水・高潮では時間図も確認し、長く孤立する可能性を考える。
  3. 浸水しない地域の親戚・知人宅など、早めに移動できる広域避難先を検討する。
  4. 緊急時の候補施設と経路も確認し、地下施設・アンダーパスなどの危険箇所を避ける計画を立てる。

洪水と高潮の図は、早めの広域避難を検討するよう案内しています。一方、図に示される垂直避難は、自分の建物や最寄りの避難先の、想定水深より高い場所に移動する考え方です。前もって広域避難を検討することと、危険が迫った場面で命を守る行動を分けて準備してください。

内水PDFの2枚目は、建物が無事で安全に生活できる備えが十分なら在宅避難も選択肢になると説明しています。浸水深だけで決めず、流出・倒壊のおそれ、必要な水や食料、家族の支援の必要性を確認します。この記事から個別住宅の安全性は判断できません。

施設の点は、すべて「開設中の避難所」ではない

高潮図の凡例は「主な公共施設」「自主避難施設」「拠点避難所」を区別しています。自主避難施設は、台風などで住宅の浸水が懸念される際に自主的に避難する人を受け入れる施設です。拠点避難所は、自宅で生活できなくなった地域住民の生活の場となる施設です。洪水・内水の公共施設の記号と同じ意味で読まず、その図の凡例を確認してください。

施設の掲載は、その時点で開設していることを意味しません。最新の開設情報や区の避難情報は、公式ダウンロードページに案内されている江東区防災ポータルなどで確認します。地図右下の距離と時間の説明も目安であり、混雑や足元の状態、体力によって移動時間は変わります。

江東区の防災情報と併せて、自宅・避難先・経路を家族で確認しておきましょう。現在の冠水状況や通行の可否、避難所の開設状況を、この地図だけから判断することはできません。