高知県香南市の災害リスク

この記事では、香南市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。香南市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 香南市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

香南市(高知県)の人口は約31,197人(2025年推計)。標高は平均44.0mで、最低0.0mから最高521.5mの範囲です。


香南市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 香南市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

香南市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が80.03%、市域の19.6%が洪水浸水想定区域、31.1%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が7箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「香南市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。香南市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 香南市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

香南市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大80.03%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は223.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

香南市のAVS30は200〜300m/sの範囲で、やや軟弱な地盤を含むエリアです。地盤増幅率は1.74倍です。家具の固定や、重い物を高い場所に置かないといった基本的な地震対策を確認しておきましょう。

30年確率が26%以上と非常に高い値です。これは「30年間に震度6弱以上の揺れを経験する可能性が約4分の1以上」という意味です。耐震診断をまだ受けていない場合は、自治体の耐震診断補助制度の利用を検討してください。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

香南市では、2,572個の125mメッシュのうち504メッシュ(19.6%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 5.0m
浸水想定メッシュ数 504 / 2,572 メッシュ(19.6%)
最大浸水継続時間 72時間(約3日間)
対象河川 物部川、香宗川(2河川)

想定最大浸水深が5.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

浸水継続時間が最大72時間(約3日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「香南市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(3日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

香南市では、2,572メッシュのうち799メッシュ(31.1%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。

想定最大浸水深が10.0mと非常に高く、3階建て以上の建物でも安全とは限りません。津波警報が発表されたら、すぐに高台や津波避難ビルへ避難してください。沿岸部にお住まいの方は、自宅から最も近い高台への徒歩ルートを複数確認しておきましょう。車での避難は渋滞のリスクがあるため、徒歩での避難を基本としてください。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「香南市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


土砂災害リスク

香南市には7箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。2,572メッシュのうち2,566メッシュ(99.8%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、香南市で2件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ2件、土石流0件、地すべり0件)。

また、竜巻等の突風が4件記録されています(国土数値情報・竜巻等突風データ)。

市域の大部分が土砂災害警戒区域にかかっています。山際や谷の出口付近にお住まいの方は、自宅が警戒区域に含まれるかどうか、都道府県の土砂災害警戒区域マップで確認してください。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「高知県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

香南市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 香南市からの距離 想定M
高知吾川 24.3km M7.1
綱附森断層 24.4km M6.4
行当岬断層 40.7km M6.9

地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 2,413mm
1月平均気温 6.2℃
8月平均気温 26.8℃

年間降水量が2,413mmと全国平均(約1,700mm)を大きく上回る多雨地域です。集中豪雨による浸水や土砂災害のリスクが高まりやすく、梅雨・台風シーズンには河川水位や気象情報をこまめに確認しましょう。

土地利用

建物用地が19.1%、森林が33.2%、農地が44.9%を占めています。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 216箇所
消防署 2箇所
学校 17校
福祉施設 156施設
警察署 5箇所

最寄りの避難施設は「香南市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


香南市の自然災害伝承碑

香南市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が6基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
安政南海地震伝承碑(西山観音寺地蔵台座) 1856年 安政南海地震(1854年12月24日) 地震・津波
懲毖 1858年 安政南海地震(1854年12月24日) 地震・津波
安政南海地震伝承碑(上岡八幡宮) 1882年 安政南海地震(1854年12月24日) 地震・津波
紀念碑(下井溝改築記念碑) 1898年 明治25年7月の洪水(1892年7月23日) 洪水
住吉神社津波伝説碑 2023年 宝永地震(1707年10月28日)安政南海地震(1854年12月24日) 地震・津波
安政南海地震伝承碑(夜須観音山) 安政南海地震(1854年12月24日) 地震・津波

伝承内容

安政南海地震伝承碑(西山観音寺地蔵台座)(1856年建立)

嘉永7年11月5日(1854年12月24日)午後8時頃、安政南海地震による3番目の津波が襲い、夜須の家屋は流失し白浜となった。地蔵台座には、津波がここまで来たと記されている。

  • 所在地: 高知県香南市夜須町西山
  • 災害: 安政南海地震(1854年12月24日)
  • 災害種別: 地震・津波
  • 地図: 33.54597, 133.75869

懲毖(1858年建立)

嘉永7年11月4日(1854年12月23日)の地震では、手結の湊の干上がりなどが見られ、その後も小さな地震があったが驚く人はあまりいなかった。翌5日(24日)午後4時頃大地震が起こり、津波が押し寄せ、夜須の町家など半数以上が流失した。私たちは148年前の宝永地震を昔話のように思って油断していた。また同じくらい後に地震があるかもしれないが、いつ起こるか予測できないので後世の人は油断せず用心すべし。

  • 所在地: 高知県香南市香我美町岸本
  • 災害: 安政南海地震(1854年12月24日)
  • 災害種別: 地震・津波
  • 地図: 33.54155, 133.73113

安政南海地震伝承碑(上岡八幡宮)(1882年建立)

嘉永7年11月5日(1854年12月24日)の大地震では、場所により地面が沈み、浦々では人家が数多く流された。海岸から約2.5km内陸にある上岡地区では、上岡山の西川原まで津波が来た。

  • 所在地: 高知県香南市野市町上岡
  • 災害: 安政南海地震(1854年12月24日)
  • 災害種別: 地震・津波
  • 地図: 33.55726, 133.68360

紀念碑(下井溝改築記念碑)(1898年建立)

明治25(1892)年7月当時、深渕神社は野市町西野の十善寺にあり、その東側を下井溝が流れていた。7月23日の物部川の大洪水により、神社の社地と周辺の田畑は流失した。下井溝は約185mにわたり崩壊流失した。

  • 所在地: 高知県香南市野市町深渕
  • 災害: 明治25年7月の洪水(1892年7月23日)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 33.56583, 133.68498

住吉神社津波伝説碑(2023年建立)

宝永4年10月4日(1707年10月28日)に発生した宝永地震による大津波で、吉原地区は小丘上の神社・人家を残しすべて流失した。嘉永7年11月5日(1854年12月24日)に発生した安政南海地震では、人々はわれ先に神社へ逃げた。そこにも大津波が押し寄せたが、神社にいた人達は助かったと伝えられている。

  • 所在地: 高知県香南市吉川町吉原(住吉神社)
  • 災害: 宝永地震(1707年10月28日)安政南海地震(1854年12月24日)
  • 災害種別: 地震・津波
  • 地図: 33.54015, 133.70362

安政南海地震伝承碑(夜須観音山)

嘉永7年11月4日(1854年12月23日)の地震では7~8回潮の狂いがあり、翌5日(24日)午後4時頃の大地震では日没頃最初の津波が西町から東へ押し寄せた。この山に逃げた数百人は助かった。まさに命の山である。午後8時に3番目の津波が襲い、家屋は流失して白浜となった。宝物を家に残していても決して家に戻ってはならない。必ず、必ず、これが大事である。

  • 所在地: 高知県香南市夜須町坪井
  • 災害: 安政南海地震(1854年12月24日)
  • 災害種別: 地震・津波
  • 地図: 33.53775, 133.75259

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

香南市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、香南市内の最大値で80.03%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

香南市は洪水の危険がある?

香南市の2,572メッシュのうち504メッシュ(19.6%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は5.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

香南市に津波は来る?

香南市の799メッシュ(31.1%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

香南市の土砂災害警戒区域は?

香南市には7箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、高知県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

香南市の避難場所はどこ?

香南市には216箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「香南市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:香南市の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が80.03%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:504メッシュ(19.6%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大10.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。香南市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。