高知県高知市の災害リスク

この記事では、高知市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。高知市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 高知市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

高知市(高知県)の人口は約311,164人(2025年推計)。標高は平均64.1mで、最低-3.5mから最高800.0mの範囲です。

2040年には現在の70%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。


高知市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 高知市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

高知市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が78.38%、市域の46.1%が洪水浸水想定区域、38.4%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が237箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「高知市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。高知市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 高知市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

高知市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大78.38%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は387.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

高知市のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は1.19倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。

30年確率が26%以上と非常に高い値です。これは「30年間に震度6弱以上の揺れを経験する可能性が約4分の1以上」という意味です。耐震診断をまだ受けていない場合は、自治体の耐震診断補助制度の利用を検討してください。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

高知市では、7,824個の125mメッシュのうち3,606メッシュ(46.1%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 10.0m
浸水想定メッシュ数 3,606 / 7,824 メッシュ(46.1%)
最大浸水継続時間 168時間(約7日間)
対象河川 仁淀川、国分川、物部川、鏡川(4河川)

想定最大浸水深が10.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

浸水継続時間が最大168時間(約7日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「高知市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(7日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

高知市では、7,824メッシュのうち3,004メッシュ(38.4%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は15.0mです。

想定最大浸水深が15.0mと非常に高く、3階建て以上の建物でも安全とは限りません。津波警報が発表されたら、すぐに高台や津波避難ビルへ避難してください。沿岸部にお住まいの方は、自宅から最も近い高台への徒歩ルートを複数確認しておきましょう。車での避難は渋滞のリスクがあるため、徒歩での避難を基本としてください。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「高知市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


土砂災害リスク

高知市には237箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。7,824メッシュのうち7,792メッシュ(99.6%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、高知市で5件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ5件、土石流0件、地すべり0件)。

また、竜巻等の突風が10件記録されています(国土数値情報・竜巻等突風データ)。

市域の大部分が土砂災害警戒区域にかかっています。山際や谷の出口付近にお住まいの方は、自宅が警戒区域に含まれるかどうか、都道府県の土砂災害警戒区域マップで確認してください。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「高知県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

高知市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 高知市からの距離 想定M
高知吾川 2.7km M7.1
中央構造線断層帯(五条谷区間~石鎚山脈北縁区間が同時に活動)(傾斜角90度) 33.8km M7.7
中央構造線断層帯(石鎚山脈北縁区間~伊予灘区間が同時に活動)(傾斜角90度) 33.8km M7.6

最寄りの活断層(高知吾川)との距離が2.7kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 2,595mm
1月平均気温 6.0℃
8月平均気温 26.8℃

年間降水量が2,595mmと全国平均(約1,700mm)を大きく上回る多雨地域です。集中豪雨による浸水や土砂災害のリスクが高まりやすく、梅雨・台風シーズンには河川水位や気象情報をこまめに確認しましょう。

土地利用

建物用地が36.9%、森林が39.5%、農地が17.9%を占めています。

密集市街地

高知市には4地区(21.6km²)の密集市街地があります。建物2,356棟のうち木造が2,353棟です。密集市街地では火災の延焼リスクが高いため、消火器の設置場所を確認し、感震ブレーカーの設置を検討しましょう。

人口集中地区(DID)

人口集中地区の人口は266,025人、人口密度は5,970人/km²です。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 150箇所
消防署 11箇所
学校 145校
福祉施設 2053施設
警察署 28箇所

最寄りの避難施設は「高知市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


高知市の自然災害伝承碑

高知市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が7基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
浦戸稲荷神社石柱碑 1826年 安政南海地震(1854年12月24日) 地震・津波
三里仁井田神社玉垣碑 1857年 安政南海地震(1854年12月24日) 地震・津波
災害紀念 1930年 大正14年水害(1925年9月) 洪水
奉再建大鳥居一基(仁井田神社御旅所の碑) 1953年 昭和南海地震(1946年12月21日) 地震・津波
災害復旧記念之碑 1979年 昭和51年台風17号(1976年9月) 土砂災害
大津地区水害記録碑 1999年 平成10年豪雨(1998年9月) 洪水
比島山災害慰霊碑 2005年 昭和47年比島山災害(1972年9月) 土砂災害

伝承内容

浦戸稲荷神社石柱碑(1826年建立)

嘉永7年11月5日(1854年12月24日)に安政南海地震が発生し、津波があった。この碑は地震で倒壊した鳥居を利用したと伝えられており、大地震があると津波も来ると心得るべしと記されている。

  • 所在地: 高知県高知市浦戸
  • 災害: 安政南海地震(1854年12月24日)
  • 災害種別: 地震・津波
  • 地図: 33.49843, 133.56790

三里仁井田神社玉垣碑(1857年建立)

安政南海地震(1854年12月24日)では、地震発生の数日前から潮位変動や鈴波の現象があったとされている。この碑にはこのことが刻まれており、潮の狂いが見られる時は油断してはいけないと警告している。

  • 所在地: 高知県高知市仁井田
  • 災害: 安政南海地震(1854年12月24日)
  • 災害種別: 地震・津波
  • 地図: 33.51952, 133.57854

災害紀念(1930年建立)

大正14年(1925)9月17~18日の国分川大洪水により水張堤防の上約60cmまで浸水し、死者2名、約261mにわたる水張堤防の決壊など莫大な被害をもたらしたことが記されている。

  • 所在地: 高知県高知市大津乙
  • 災害: 大正14年水害(1925年9月)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 33.57141, 133.58671

奉再建大鳥居一基(仁井田神社御旅所の碑)(1953年建立)

昭和南海地震により倒壊した鳥居を再建した記念碑である。昭和21年(1946)12月21日4時過ぎ、突如大地震が発生し甚大な被害が生じたこと、この付近の地盤が数尺(約1~2m)沈下したことが記されている。

  • 所在地: 高知県高知市仁井田
  • 災害: 昭和南海地震(1946年12月21日)
  • 災害種別: 地震・津波
  • 地図: 33.51732, 133.57947

災害復旧記念之碑(1979年建立)

昭和51年(1976)9月13日未明、台風17号の豪雨により大谷山が崩壊し、赤井谷の民家8戸32棟が流失・埋没、耕地約52ヘクタールが砂礫に覆われたが、犠牲者はなかった。天災は忘れた頃に来るという先人の教え、防災への決意と念願が込められている。

  • 所在地: 高知県高知市円行寺
  • 災害: 昭和51年台風17号(1976年9月)
  • 災害種別: 土砂災害
  • 地図: 33.59119, 133.50697

大津地区水害記録碑(1999年建立)

平成10年(1998)9月23~25日、前線による記録的な豪雨により9名の死者と約2万棟の浸水被害があり、特に大津地区は未曽有の被害を被った。再び災害がないことを願って、この集中豪雨最高水位と1972年9月15日の国分川決壊最高水位を刻んだ碑が建立された。

  • 所在地: 高知県高知市大津乙
  • 災害: 平成10年豪雨(1998年9月)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 33.57114, 133.59807

比島山災害慰霊碑(2005年建立)

昭和47年(1972)9月15日夕刻、局地的豪雨により比島山が崩壊し、瞬時に十数戸が倒壊、10名の死者と数名の負傷者を出した。犠牲者への追悼に加え、傾斜地の宅地開発における安全対策と、将来起こり得る災害に対する住民の一致協力の誓いが込められている。

  • 所在地: 高知県高知市比島町2
  • 災害: 昭和47年比島山災害(1972年9月)
  • 災害種別: 土砂災害
  • 地図: 33.57178, 133.55244

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

高知市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、高知市内の最大値で78.38%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

高知市は洪水の危険がある?

高知市の7,824メッシュのうち3,606メッシュ(46.1%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

高知市に津波は来る?

高知市の3,004メッシュ(38.4%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は15.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

高知市の土砂災害警戒区域は?

高知市には237箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、高知県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

高知市の避難場所はどこ?

高知市には150箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「高知市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:高知市の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が78.38%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:3,606メッシュ(46.1%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大15.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

  • 土砂災害:237箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。高知市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。