三重県伊賀市の災害リスク

この記事では、伊賀市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。伊賀市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 伊賀市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

伊賀市(三重県)の人口は約84,161人(2025年推計)。標高は平均204.6mで、最低99.4mから最高794.3mの範囲です。

2040年には現在の70%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。


伊賀市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 伊賀市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

伊賀市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が27.63%、市域の43.8%が洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域が93箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「伊賀市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。伊賀市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 伊賀市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

伊賀市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大27.63%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は509.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

伊賀市のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は0.86倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。

30年確率が26%以上と非常に高い値です。これは「30年間に震度6弱以上の揺れを経験する可能性が約4分の1以上」という意味です。耐震診断をまだ受けていない場合は、自治体の耐震診断補助制度の利用を検討してください。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

伊賀市では、7,652個の125mメッシュのうち3,351メッシュ(43.8%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は20.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 20.0m
浸水想定メッシュ数 3,351 / 7,652 メッシュ(43.8%)
最大浸水継続時間 168時間(約7日間)
対象河川 七本木川、三谷川、上市場川、中野川、丸柱川、久米川、予野川、倉部川、出屋敷川、前深瀬川、北川、和木川、城川、大谷川、奥山川、子延川、宮川、宮谷川、小山川、小波田川、山の川、山の田川、岩根川、岩瀬川、峠谷川、崩川、川上川、左妻川、平田川、平野川、後黒見川、御代川、愛田川、払子川、日野川、服部川、朝古川、木戸川、木津川、東出川、東高倉川、松林坊川、柏尾川、柘植川、比自岐川、河合川、治田川、浅子川、渋田川、湯舟ヶ谷川、湯舟川、滝川、相田川、矢田川、矢谷川、砂川、米之川、老川川、西出川、赤川、足谷川、野田川、青山川、鞆田川、領主谷川、馬野川、高尾川、高山川、高砂川(69河川)

想定最大浸水深が20.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

浸水継続時間が最大168時間(約7日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「伊賀市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(7日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

伊賀市には津波浸水想定区域のデータがありません。


土砂災害リスク

伊賀市には93箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。7,652メッシュのうち520メッシュ(6.8%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、伊賀市で7件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ6件、土石流0件、地すべり0件)。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「三重県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

伊賀市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 伊賀市からの距離 想定M
頓宮断層 0.3km M6.8
経ヶ峯南断層 0.3km M6.5
木津川断層帯 0.8km M6.8

最寄りの活断層(頓宮断層)との距離が0.3kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 1,573mm
1月平均気温 2.8℃
8月平均気温 25.5℃

土地利用

建物用地が17.7%、森林が42.5%、農地が35.0%を占めています。

人口集中地区(DID)

人口集中地区の人口は21,409人、人口密度は4,141人/km²です。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 127箇所
消防署 9箇所
学校 41校
福祉施設 127施設
警察署 14箇所

最寄りの避難施設は「伊賀市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


伊賀市の自然災害伝承碑

伊賀市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が6基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
法華経塔 1855年 伊賀上野地震(安政の大地震)(1854年7月9日) 地震
安政伊賀上野地震供養塔 1860年 伊賀上野地震(安政の大地震)(1854年7月9日) 地震
避水徙民碑 1879年 午年の水害(1870年9月18日~19日 洪水
昭和廿八年八月十五日山津浪水害遭難死者之供養塔 1957年 東近畿大水害(二八災害)(1953年) 洪水・土砂災害
山津浪記念碑 1960年 東近畿大水害(二八災害)(1953年) 洪水・土砂災害
山津波災害記念碑 1969年 東近畿大水害(二八災害)(1953年8月14日~15日) 洪水・土砂災害

伝承内容

法華経塔(1855年建立)

嘉永7年(1854)は三重県で大地震が連続して発生した。なかでも、2日前から前震が発生し始めた嘉永7年6月15日(1854年7月9日)の大地震で、伊賀では死者約600名の被害となった。約5ヶ月後の嘉永7年11月4日(1854年12月23日)には安政東海地震が発生した。この碑は服部川の河川敷から当地に移設された。

  • 所在地: 三重県伊賀市服部町一丁目(くれは水辺公園)
  • 災害: 伊賀上野地震(安政の大地震)(1854年7月9日)
  • 災害種別: 地震
  • 地図: 34.77388, 136.13793

安政伊賀上野地震供養塔(1860年建立)

嘉永7年6月15日(1854年7月9日)午前2時頃に発生した伊賀上野地震は、新居地区を震源とし、伊賀では震度6から7の揺れがあり、600名近い死者があった。碑の南面に、この大地震により旧野間村において死者35名の被害があったことが記されている。

  • 所在地: 三重県伊賀市野間
  • 災害: 伊賀上野地震(安政の大地震)(1854年7月9日)
  • 災害種別: 地震
  • 地図: 34.79547, 136.11871

避水徙民碑(1879年建立)

小田地区は柘植川と服部川が合流する位置にあり、昔から河川氾濫による水害を受けてきた。嘉永7年(1854)の安政の大地震(伊賀上野地震)で地盤沈下してからはより一層、水害に悩まされ、明治3年(1870)9月18日夜から19日にかけての水害では死者5名、全壊家屋85戸、多くの田畑が流失する被害となった。この水害の後、周辺6町村の住民は高所へ集団移住した。碑は旧馬苦労町から移築。

  • 所在地: 三重県伊賀市小田町(平井神社)
  • 災害: 午年の水害(1870年9月18日~19日
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 34.77134, 136.12475

昭和廿八年八月十五日山津浪水害遭難死者之供養塔(1957年建立)

昭和28年(1953)8月14日夕方からの雨は夜半に大豪雨となり、15日未明に高旗山系で土石流が起こった。西山地区住民の死者は13名。供養塔には帰省中に被害に遭った1名を含む、14名の氏名と年齢が刻まれている。

  • 所在地: 三重県伊賀市西山地内(果号寺)
  • 災害: 東近畿大水害(二八災害)(1953年)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 34.79113, 136.08114

山津浪記念碑(1960年建立)

昭和28年(1953)8月14日夕方からの雨は夜半に大豪雨となり、15日未明に高旗山系で土石流が起こった。この地区を襲った土石流により死者13名。家屋流失倒壊30棟。耕地埋没流失30ヘクタール、道路は全線欠壊し、橋も全て崩壊した。山林崩壊して岩床を現わし、流木は散乱し下流に堆積して山となった。

  • 所在地: 三重県伊賀市西山地内(西山公民館前)
  • 災害: 東近畿大水害(二八災害)(1953年)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 34.79245, 136.08045

山津波災害記念碑(1969年建立)

昭和28年(1953)8月14日夕方からの雨は夜半に大豪雨となり、15日未明に北部山渓一帯で土石流が発生した。旧島ヶ原村の死者行方不明者は15名、流失家屋22戸等の被害が発生した。碑は、後世に災害が再び起こらぬよう、対策を怠ってはならないことを伝えている。

  • 所在地: 三重県伊賀市島ヶ原中村地先
  • 災害: 東近畿大水害(二八災害)(1953年8月14日~15日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 34.78042, 136.05242

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

伊賀市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、伊賀市内の最大値で27.63%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

伊賀市は洪水の危険がある?

伊賀市の7,652メッシュのうち3,351メッシュ(43.8%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は20.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

伊賀市の土砂災害警戒区域は?

伊賀市には93箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、三重県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

伊賀市の避難場所はどこ?

伊賀市には127箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「伊賀市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:伊賀市の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が27.63%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:3,351メッシュ(43.8%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 土砂災害:93箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。伊賀市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。